平均利回り8%で急拡大する国内ソーシャルレンディング比較サイト「クラウドポート」公開ーー連続起業家の柴田陽氏らが創業

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国内のソーシャルレンディングサイトを横断検索する専門メディア「クラウドポート」は2月2日、同サービスを本日より公開すると発表した。クラウドポートは国内で現在事業を開始している主要なソーシャルレンディングサービス18社の募集状況や案件、利回りなどの情報を横断して比較、検討できる比較検索サービス。ソーシャルレンディング関連ニュースサイト「クラウドポートニュース」と併せて公開された。

ソーシャルレンディングは米レンディングクラブに代表されるオンライン融資の仕組みで、資金需要のある企業が起案した不動産や再生エネルギーといった投資案件に対して出資を募り、リターンを一般投資家に対して支払うプラットフォーム。国内では2008年創業の maneo をはじめ、SBI などの大手グループ企業を含め18社が操業している。クラウドポート代表取締役の藤田雄一郎氏もまた、プレーヤーのひとつであった Crowd Bankの経営陣を務めた人物で、楽天グループ入りしたスポットライトの創業者としても知られる連続起業家の柴田陽氏らと2016年11月に同社を創業した。

藤田氏によると、ソーシャルレンディングの平均利回りは8%と他の金融商品に比較しても魅力的なことや、市場規模(成約した案件の出資総額)も2016年で533億円と前年比で72%の成長市場であることから「機は熟した」(藤田氏)と、今回のメディア事業を立ち上げるに至ったそうだ。

「米国の市場規模は約7兆円で、日本に比べて140倍の差があります。一方で個人資産は比較して4倍程度とそこまで開いていない。であれば国内市場はさらに拡大する可能性が高いと言えるのではないでしょうか?現在の事業者も私たちが掴んでいる情報だけでまだあと数社増える可能性があります。情報は各社としっかりお話していただくようにして、各ファンドだけでは不足しがちな比較など、客観的な情報を伝えられるようにしました」(藤田氏)。

一方で気になるのがソーシャルレンディングという仕組み自体への得体の知れない不安だ。やはりこの超低金利時代に平均利回りで8%の資産運用と聞くと「どこかに穴がある」と思うのは当然かもしれない。

「ソーシャルレンディングの不安要素はやはりデフォルト(再建不履行)です。やはりそれぞれの事業者が小さく、リーマンショック級のものがやってくると飛んでしまう事業者も出てくるかもしれません。また、今後の市場拡大の中で金融知識の乏しい事業者が無自覚なトラブルを起こす可能性はあります。例えば止めてはいけないシステムを無自覚に落としてしまう、法定で定められた帳票を取っていなかった、といったケアレスミスはネット系の『ゆるい』考え方だと通用しない部分ですね」(藤田氏)。

ただ藤田氏によれば、そもそもソーシャルレンディングに必要な事業免許は取得が相当にハードルが高く、こういったミスを起こす可能性のある事業者は参入が難しいのではないかと話していた。また、冷静にデータを見ると過去3年間で貸し倒れは1件も発生しておらず、ただ単に情報が少ないことが要らぬ不安を煽る要因になっていると語る。同時に立ち上げられるニュースサイトでは主にソーシャルレンディングのハウツーを中心に、実際に利用している信頼できるユーザーの体験などを伝えるという。

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