クラウド最適化スマホ「Robin」は発売から1年経たずに製造停止へ——開発元のNextbitを、ゲームデベロッパのRazerがスマホ業界進出に向け買収

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シンガポールで生まれ、現在はアメリカの企業となったゲーム会社 Razer は、Nextbit を買収して、スマートフォン業界に進出することとなった。Nextbit は Robin と名付けられたインディー・スマートフォンを開発した会社だ。

Android OS とクラウドのシームレスな統合に特化した Robin はこの買収の代償として、今後の開発は中止される。Nextbit は、今後6ヶ月間、Robin の持ち主にシステムサポートとアップデイトを提供し続けるとしている。

この買収に関する取引条件詳細は開示されていないが、Razer は Nextbit が持つ資産の大半を買収した。Nextbit は新しい親会社のもとで、スタンドアローンのビジネスとして運営されることになる。

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Razer の共同創業者 Min-Liang Tan 氏は、声明の中で次のようにコメントしている。

Razer が産業をディスラプトしてきた歴史は、まさに、我々が持つ技術やデザイン力・イノベーション力によって、周辺機器やラップトップなど、長年のプレーヤーに牛耳られてきたカテゴリを置き換えるというものだった。

Nextbit の Robin

Nextbit から Razer に移ってくれる人材によって、我々はさらに多くのディスラプションが生まれ、新分野でビジネスが育つことを楽しみにしている。

Nextfit の共同創業者兼 CEO の Tom Moss 氏は、今回の買収の理由は、Razer という大きなブランドに参画することで、より多くのオーディエンスにリーチできるからだったと語った。

我々は、Robin が実現できることの可能性を押し上げる価値を共有できる仲間を Razer で見つけられたのは幸運だった。(Moss 氏)

Crunchbase によれば、Razer は Accel Partners、IDG Capital artners、Intel Capital などから1億2,500万ドルを調達しており、(Nextfit を買収するのに十分な)多額の資金を持ち合わせていたようだ。1億2,500万ドルのうち7,500万ドルは、2016年2月のシリーズCラウンドで調達している。

2016年10月、Razer は George Lucas が設立した音響会社 THX を金額非開示で買収した。

Nextbit は公になっている限りで、これまでに2,000万ドルしか調達していないが、Razer と Nextbit には Accel Partners という共通の投資家がいる。Nextbit は2015年のクラウドファンディングに成功し、136万ドルに売上をもたらした。その大部分は、スマートフォンの Robin がソフトウェアやストレージにアプローチしたことに賛美を得られたことによるおのだ。

Robin は昨年リリースされ、Nextbit はそのローンチが成功したと考えていたようだ。同社はリリースで、業界が「極めてよいスマートフォン」と評価していると伝えていた。Robin は業界が覆すことはなかったが、Nextbit の乏しいリソースにかかわらず、Robin という高性能で競争力のあるスマートフォンを生んだことは賞賛されるべきだろう。

Razer はカリフォルニア州アーバインに本拠を置き、世界の約10億人のゲームコミュニティにサービスを提供しているという。

【via e27】 @E27co

【原文】

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