Uber、規制をめぐる争いで台湾から撤退

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Uber(優歩)に見立てた「汚歩」と書かれた車とデモを行う、台湾のタクシードライバー
CC BY-NC-SA 2.0: Via Flickr by 王顥中

台湾の規制当局が Uber に引導を渡す動きを見せてから数ヶ月、米国を拠点とする同社は2月10日をもって同国でのサービスを停止することを発表した。

Uber は、今回の動きを「一時停止」と表現したブログ記事の中で、台湾政府を「イノベーションを取り入れ、21世紀に向けた運輸政策の新たなステージを作る姿勢からますます遠ざかった」と非難した。

筆者ら e27も台湾の運輸通信省に問い合わせをしているので、今後、政府見解とともに最新情報をお知らせする予定だ。

Uber と台湾政府は少なくともこの半年、激しい議論を交わしてきたが、議会がライセンスを取得していないサービスへの罰金の引き上げを定めた昨年12月、両者の対立は最高潮に達した。

処罰の対象となる運転手は、最高79万米ドルの罰金を科される。これは罰金としては世界でも最高額だ。The Straits Times によると、Uber はその肩代わりをするが、新制度の施行後1ヶ月ほどでその金額は11億台湾ドル(3,540万米ドル)にもなったという。

ブログ記事の中で同社は、サービス停止の報道が交渉上の戦略になる可能性を示唆した。

この難局に際し、私たちは新たな方向性を考えなければいけません。本日(2月2日)、当社では2月10日(金)をもって台湾でのサービスを一時停止すると発表します。一時停止することで交渉がリセットされ、蔡総統に行動を起こしてもらえるよう願っています。

Uber は台湾でかなり人気がある。サービスが正式に休止され、一般の人がどのような反応を示すか注視する必要があるだろう。

Uber を受け入れ、後に社会から排除した都市がどのように適応していったかを示すモデルがある。Uber がサービスを「撤退」したテキサス州オースティンでは、Facebook のオーガニックなグループがこのサービスを代替した。現地の規制に対応しようと、他の企業もこの隙間を埋めるために市場に参入した

Uber は、台湾全土の4都市でサービスを展開しており、1,500万回の配車を実現したという。

【via e27】 @E27co

【原文】

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