人工知能を用いたアクセス解析ツール「AIアナリスト」開発のWACUL、電通デジタル・ホールディングスとジャフコからシリーズBで3.5億円を調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.2.6

ウェブ改善コンサルティング事業を行う WACUL(ワカル)は6日、シリーズBラウンドで電通デジタル・ホールディングス(DDH)とジャフコ(東証:8595)から3.5億円を調達したと発表した。WACUL にとって、これは2015年6月に実施したジャフコからの約3億円の資金調達に続くものとなる。

WACUL は2010年9月の設立。2015年4月にウェブサイトのアクセスデータを自動解析するツール「AIアナリスト」をリリースしている。Google Analytics とアカウント連携することで、コンバージョンレートを上げるために現在のウェブサイトをどう改善すればよいか、具体策を人工知能が教えてくれるのが特徴だ。提案内容には、人工知能のコメントを受けて、WACUL のコンサルタントからの提案も付加される。

一般的に、コンサルタントが提供するアクセス解析+改善提案のサービスは、月あたり数百万円程度の費用を下らず、社内にアクセス解析の専任担当者を置くことも中小企業ではままならない。WACUL では、これまでに集積した知見とデータをもとに、課題発見から課題パターンの認識、「こうすればこうなる」というコンバージョンレートを上げるための改善提案までを自動的に提案する。月額4万円からという料金の安さと、Google Analytics のアカウント連携だけでサービスを使い始められるので、(すでに Google Analytics のタグがウェブサイトに挿入されていれば)ウェブサイトに手を加えずに済む手軽さが受けて、中小企業を中心に顧客数を伸ばしている。

ウェブアクセスのヒートマップに代表されるような、問題点の可視化にとどまることなく、どうすればいいかの改善提案を示すのが AI アナリストの特徴。月に70件から80件くらいの改善事例が溜まっていっている。人がコンサルティングした場合でコンバージョンレートの改善が見られるのが全体の30%程度とされる中で、AI アナリストの提案方針に従ってウェブサイトの改善を実装した企業では60%という高い成果を導き出せている。(取締役 COO 大渕亮平氏)

AIアナリストの登録サイト数推移(クリックして拡大)

2015年4月のサービス開始から2年弱を経て、先週2月4日には AI アナリストの登録サイト数が9,000件を超えた。登録サイトが増えれば増えるほど、相乗効果的に知見が溜まり、ユーザはより多くの知見に基づいた信頼性の高いアドバイスを人工知能から受け取ることができる。オックスフォード大学の「あと10年で消える職業」ではないが、このような技術の進歩によって、ウェブ改善コンサルタントの仕事も無くなるのではないかと危惧してみるものの、AI アナリストの狙いとしては、「今まで人がやっていたことを人工知能でリプレイスするというよりは、提供側がコストを下げたことで、今までアクセス解析や改善ができなかった中小企業が取り組めるようになったことが大きい(大渕氏)」ということだった。

リリース2年目を迎えるのを前に、WACUL では近日、AI アナリストの大幅アップグレードを予定している。より必要とされる情報を前面に出すことで、企業のウェブサイト担当者が改善につなげやすいものになるとのことなので、こちらも期待したいところだ。

今回の資金調達は、現時点では事業拡大を意図した純然たるファイナンスの意味合いが大きいようだが、調達先の一つである DDH とは、ウェブサイト以外の他チャンネルのデータ分析などを含め、業務提携も視野に入れていきたいとしている。

人工知能の提案をもとに、WACUL のコンサルタントがアドバイスし、ユーザとコミュニケーションできる

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