4月にCVC「朝日メディアラボベンチャーズ」設立もーー朝日新聞メディアラボ育成8社の成果披露

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2017.3.8

採択されたスタートアップ8社の創業者たち

朝日新聞社のスタートアップ支援機関である朝日新聞メディアラボは3月8日、同社の運営するアクセラレータープログラム「Asahi Shimbun Accelerator Program(以下ASAP)」の2度目となる成果発表会(DemoDay)を開催した。

ASAPは約4カ月間、専門家や朝日新聞社のネットワーク、ノウハウの提供などを通じてシード期の事業成長を支援するプログラム。参加チームにはオフィス提供や支援プログラム終了後の出資(数百万円から1千万円)も検討される。第1期のプログラムでは6社がここを巣立っている。

初年度売上見込みが約3億円のスタートアップもーー朝日新聞の起業支援プログラムが6社の成果を披露

朝日新聞社によるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)設立

朝日新聞社 代表取締役社長の渡辺雅隆氏

発表会冒頭には朝日新聞社、代表取締役社長の渡辺雅隆氏から新コーポレートファンドの発表があった。

「今年は大政奉還から150年だそうで、朝日新聞社も創刊138年になる。江戸の色濃く残る時代にニュースをプリントして配達するというビジネスを仕掛けた、そういう先輩たちは言わばベンチャー」と語る渡辺氏はファンド設立の背景についてこのように説明した。

「私たちはそのベンチャーの気概をもってチャレンジしていきたいという考えで3年前に朝日新聞メディアラボを作った。ベンチャーへの出資もしており、既存クライアントへの新たな提案を考えてサムライトを子会社化した。アクセラレータープログラムもその一環で、今後は出資などを迅速に実施するため(4月に)朝日メディアラボベンチャーズを立ち上げる」。

主要マスメディアによるスタートアップ支援ファンドはフジ・メディア・ホールディングス傘下のフジ・スタートアップ・ベンチャーズ(※)、TBSホールディングス傘下のTBSイノベーションパートナーズ、朝日放送グループ会社のABCドリームベンチャーズなどが先行。今回発表された同ファンドの規模については未定で、同社の説明では6月に具体的なファンド組成を実施する予定という。

渡辺氏は「新たなチャレンジをしようとしている朝日新聞社の姿をみて欲しい」と冒頭の挨拶を締めくくった。以下、登壇した8社の概要をお知らせする。

MiddleField

世界で12億台が走るという自動車社会の中で自分の作った車に乗ってみたいと思ったことはないだろうか?そういうオリジナルの車を作れる世界観を実現しようとしているのがMiddleField。クルマやバイクの専門情報メディア「Motorz」から事業を開始し、車のカスタマイズ情報を提供するカタログ型のデータベース「Garage」を立ち上げた。

車のパーツなどについての情報が一元管理されており、パーツの購入から取り付けまでの情報が一貫して管理できる。これらをショップに持ち込むことでカスタマイズカーを作ることができる。

motorz

モティファイ

motify

入社した社員のモチベーションが落ちることで折角獲得した社員がすぐに退社してしまうと損害も数百万円単位でかかってしまう。これを従業員モニタリングの手法と解析システムで解決するのがモティファイ。チームマネージャーによる従業員の調査から職場改善のアクションプランまでを一貫して管理できるHR Techツールになっている。

グローバ

growba

7万社のリフォーム会社をAIとコンシェルジュの力で施主に紹介するのがリフォームガイド。安くしたい、アフターサービスがいい、デザインにこだわりたい、そういったニーズをAIが分類し専門知識のあるコンシェルジュが提案する。例えば共働きで中古マンションを購入してリフォームしたいという夫婦には、子育て向けのリフォームの得意な一級建築士が社長で、女性プランナーも在籍している会社を紹介する。そういう細かいニーズに対応したリフォーム事業者を一人一人の施主の要望に合わせて提案することで利用者の98.3%が満足しているという。

クラフル

craful

手芸やDIY、ハンドメイドだけに特化したメディアがなかったことから立ち上がったのが「クラフル」。ハンドメイドの作り方に出会えなかった課題を解決する。月間200本ほどの記事を配信し、10%成長を続けており、ビジネス的には商品販売・有料会員モデルなどを考えている。

販売についてはスターターキットを販売する計画で、対象となるユーザーに向けた広告枠も提供する。チームにはハンドメイドの雑誌などで編集に携わったメンバーが集まっている。

ココレア

oyacloud

大家の管理業務効率化に特化したサービスが「大家CLOUD」。自主管理は大概エクセルで複数の人数で管理すると限界がでてしまうしタスク漏れなどのミスも出る。検索もできないし過去にどういうことがあったかもわからない。

家賃管理や入金の消し込み、滞納管理、過去の履歴などを管理することができ、グループウェアになっているので、管理者にメール等で通知もできる。10年前に大規模修繕でどれぐらいかかったのか、そういう情報もすぐに見つかる。

通常こういった管理業務は管理会社に丸投げするのが一般的だが、大家クラウドを使うことで、価格を圧縮できるほかログなどの情報が残せる。ビジネスモデルは5000円(年額5万円)の月額課金。

Cleanapp

cleanapp

国内のハウスクリーニング事業者のコストが高いという問題を解決しようとしているのがCleanapp。移動コストの圧縮に焦点を当てているのが特徴で、同社が調べたところによると、ハウスクリーニング事業者は平均で45分間も移動しているという。これをエリア毎にキャンペーンを実施することでクリーニング対象を近隣にまとめ、移動コストを圧縮する。

souco

souco

建て替えが決まった相撲部屋で瞬間的に荷物が出る、季節の変わり目のアパレルショップ、前倒し生産で増えた在庫。ーーこういったB2B領域での突発的な荷物を置いておける一時的な倉庫をマッチングするのがsoucoだ。

借り手は溢れそうになって初めて倉庫を探すが情報は一元管理されておらず、また、倉庫事業者側は小口、短期の提供がしづらい。こういった課題に対して、倉庫側の断片化したスペースをsoucoで一元管理して貸し出す。シェアリングと従量課金のビジネスモデル。倉庫保有者は空きをリアルタイムで登録することが可能で、利用業者はスペースを小ロットから利用可能。倉庫との基本契約はsoucoが代行する。

オメガ

キーボードに特化したスマートフォン広告ネットワークを提供するのがオメガ。

あらゆるアプリはスマホで文字入力する際にキーボードを利用しており、同社の調べによると1ユーザーあたりアプリの月間起動回数は6000回で、それだけ広告表示のチャンスがある。

出現したソフトウェアキーボードの上に広告枠が表示され、ユーザーが入力した文字内容に連動して広告を表示する仕組みになっている。この新たなターゲティング広告技術として特許出願しており、春にリリース予定。現時点で提携パートナー経由のリーチ可能ユーザー数(会員数)は3600万人の規模になっている。

※情報開示:THE BRIDGEはフジ・スタートアップ・ベンチャーズから出資を受けています。

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------