転職支援プラットフォームのgrooves、地銀や地銀系VC・ヒトメディア・JT・インスパイアから総額2億円を調達——人材流動化で地方創生を支援

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.3.31

Image credit: Masaru Ikeda

31日16時更新:調達手段の一部に CB の表記を追加)

転職支援プラットフォームを運営する grooves(グルーヴス)は31日、2億円を資金調達したことを発表した。この調達ラウンドには、広島銀行(東証:8379)の VC である広島ベンチャーキャピタル、大分銀行(東証:8392)の VC である大分ベンチャーキャピタル、ヒトメディアと日本たばこ産業(JT、東証:2914)によるヒトトキインキュベータインスパイアヒトメディアがエクイティおよび CB で参加。さらに、現時点で名前は開示されていないが、地方銀行一行からのデットが含まれる。

grooves にとって、今回の調達は2014年12月に実施した日本政策金融公庫、日本ベンチャーキャピタル(NVCC)、三井住友海上キャピタル(MSIVC)からの2.2億円の調達に続くものだ。2011年11月にはサイバーエージェント ベンチャーズ(CAV)から(調達額非開示)、2012年4月には日本ベンチャーキャピタルから6,000万円を調達している。今回の調達を含め、(創業者や経営陣を除く)外部からの合計調達額は、開示されているものだけで4.8億円に上る。

grooves では今回の調達を受け、特に地方銀行のネットワークを通じた人材流動化による地方創生支援に貢献したいとしている。具体的には、第二創業やベンチャー型事業承継というコンテキストにおいて、都市部からの人材流動(Iターン、Uターン)を促進し、地方企業が直面する後継者不足などの問題解決を支援したいとしている。

grooves 代表取締役の池見幸浩氏は THE BRIDGE のインタビューに対し、

東京に一極集中していると言われるが、日本全体に占める東京の GDP の割合は18%に過ぎない。

…と語り8割強の経済が地方から創出されていることを受けて、地方経済における grooves のサービスの有効性を強調した。

「Crowd Agent」の画面イメージ
Image credit: grooves

grooves が運営する「Crowd Agent」は、全国19,084事業所(2017年1月現在)を数える有料職業紹介事業者(人材エージェント/人材紹介会社)をクラウド化しており、採用企業が人材需要を登録することにより、これらの職業紹介事業者が適切と思われる人材候補者を紹介してくれる。Crowd Agent を通じて、静岡県在住の人が、兵庫県の人材紹介会社の紹介により、東京の企業のベトナムのオフショア事業に就職するというような、ニッチかつ専門的な人材ニーズへの対応事例も出てきているとのことで、地方の求人や求職の細かい需要にリーチできる同サービスの特長を如実に示していると言えるだろう。

grooves は、このほかにも、エンジニアが自ら転職先を探せるプラットフォームとして「Forkwell Jobs」など複数の人材プラットフォーム、メディア、イベントサイトなどを畝いしている。

マイナス金利が続く中、銀行各行は従来からの融資事業に代わる新しいビジネスの模索を始めている。クラウドファンディングサイトの Makuake が地銀と提携したり、フィンテック・スタートアップ各社が地銀から資金調達をしたりするなど、銀行にとっての試練はスタートアップにとって追い風を導く好環境を生み出しているのも事実だ。昨年5月の改正銀行法の成立を受け、銀行が企業に出資する際のハードルも下がりつつあるが、投資スキームや内部の体制整備のために地銀が投資を活発化するのは、まだまだこれからというところだ。

エクイティやデットを通じて資金を注入してもらえ、さらには、地元の人材ニーズのある有力企業を紹介してもらえるという、一挙両得の恩恵をもたらす地銀というパートナーを得て、grooves は今後さらに成長を加速させるだろう。池見氏によれば、grooves は今後、今回調達した以外の地銀や地銀系 VC とも、資金調達や事業提携をはじめ積極的に関係を強化していきたいとしている。

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