Paypal、韓国版Venmo「Toss」を運営するViva Republicaに出資

by Steven Millward Steven Millward on 2017.3.17

Viva-Republica-CEO-SG-Lee
送金アプリ「Toss」の運営の Viva Republica を経営するイ・スンガン(이승건)氏
Photo credit: Viva Republica

イ・スンガン(이승건)氏は起業家としては珍しい経歴を持つ。歯科学校を出ているのだ。

35歳になる イ氏は、Tech in Asia の取材にこう答える。

私が高校生の頃、両親の事業がうまくいかなかったことから、家は財政的に本当にひどい状態でした。韓国の歯科医師になれば安定した高所得が約束されるので、家族の負債を払うために大学で歯学を勉強することにしました。大学に通い始めてから、幸運にも両親のビジネスは好転しました。状況が変わり、私はやっと重荷から解放され、自分のキャリアとして何をしたいか考え直すことができたのです。

韓国の兵役を終えた後、彼は自分のビジネスを立ち上げた。現在、彼はシンプルでスマートな送金アプリ「Toss」を運営している。これは Paypal の Venmo の韓国版と言えるだろう。

投資家からすでに調達済みの2,900万米ドルに加え、イ氏の率いるチームは本日(3月10日)、計4,750万米ドルの追加調達に沸いた。追加分を出資したのは Paypal、Bessemer Venture Partners、Altos Ventures、Partech Ventures、そしてリードインベスターである GoodWater Capital だ。

Toss のユーザ(Tosser とでも呼ぼうか?)は現在600万人に達しており、2年前のローンチから累計30億米ドルの決済に利用されている。アプリでは韓国のほぼすべての大手銀行が発行したカードが利用できる。

人口5,000万人の国としては、これらは非常に良い数字だ。ただし一方の Venmo は、2015年に75億米ドルの取引実績があり、2016年の数字が公表される際には200億米ドルに達すると見られる。

イ氏のモバイルアプリは、ネット取引で同氏自身が経験した不満から生まれたものだ。オンラインで何か買いたいだけなのに、フォームの記入やダウンロードなどで非常に長い時間を費やす羽目になる。

昔からモバイルバンキングは韓国では大きな問題でしたし、未だにそうです。金融機関のインフラは時代遅れであり、使うのが面倒です。たとえば銀行アプリから振り込みたい場合は、少なくとも7つの画面を次々に表示し、7から10項目を記入し、複数のパスワードを思い出し、ワンタイムパスワード生成デバイスを手元に用意することなどが求められます。あらかじめ個人認証証明書をインストールしておく必要もあります。

Toss はこれらすべてを3つのステップで済ませることができる。受け取る側の銀行口座や電話番号を入力し、金額を設定してから、パスワードを入力するか、携帯電話で指紋をスキャンする。簡素化されていても安全性は十分に保たれている。

グローバル展開

イ氏はフィンテックで裾野を広げるべく、単純な送金機能のみならず、少額ローン、クレジットスコア管理、便利な個人財務ダッシュボードの追加などを行ってきた。ローン機能は現在、全体の約6%に相当するわずかなテストユーザを対象として試験運用されている。

次なる課題は海外送金、融資の仲介、保険だ。

彼のロードマップは国際展開も視野に入れている。「おそらく2018年か2019年には」とイ氏は語る。

myeongdong-326136_640
韓国は世界的にみてスマートフォンの選択率が高く、2016年にはモバイルフォンの購入に際して91%がスマートフォンを選択した
Image credit: Pixabay

韓国の主要銀行は今でこそ Toss に協力的なものの、以前はそうではなかった。厳密に言えば、このアプリはローンチされた時点では違法だった。

まず、規制とは絶対不可侵の原則ではなく、人々が合意形成したものに過ぎません。メディア、政府、企業、顧客といった関係者との間で、検討が必要な事柄について新しいコンセンサスさえ得ることができれば、規制を変えていくのは思った以上に簡単です。

Toss はローンチ後、「合法化するまで1年かかった」そうだ。Uber のTravis Kalanick 氏は羨むに違いない。

それに、(Y Combinator の)Sam Altman 氏が言う通り、簡単で独創性に欠けることをするよりは、新しくて挑戦的なことに取り組む方が簡単です。特に社会が何かを必要としている場合、新しくて挑戦的な事業に取り組めば、人々はそのビジョンを実現させるために喜んで手伝ってくれるでしょう。

イ氏はこう付け加えた。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------