インドの配車アプリ「Ola」がソフトバンクから追加で3.3億ドルを調達するも、バリュエーションは2年前から30%超下げて35億ドルに

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Image credit: Ola

インドの配車アプリで、Uber の競合でもある Ola は再び、ソフトバンクからの支援を勝ち取り、3.3億ドルを調達した。本件の詳細に精通した人物が Tech in Asia に語った。

しかし、新たな資金調達には犠牲を伴ったようだ。今日(原文掲載日:2月27日)、Business Standard が伝えたところでは、Ola のバリュエーションは30%以上も下げて35億ドルとなった。Ola のバリュエーション低下は、インドの投資家が自信を失っていることを意味しえいる。

今回の調達やバリュエーションについて、Ola は Tech in Asia からのメールでの問い合わせに回答していない。

2015年11月の調達直後、Ola のバリュエーションは約50億ドルだった。一方、Uber のバリュエーションは現在、約600億ドルである。

Ola がバリュエーションを下げたことで、ソフトバンクは昨年、Ola に対して評価損を計上した。しかし、このことが今回の新規出資を遠ざける理由にはならなかったようだ。

政府を巻き込み、Uber の挑発に非難を続ける

Ola は過去6ヶ月にわたり市場で資金を調達しているが、当初のバリュエーションでの調達は失敗に終わっている。投資家たちは、Ola や Amazon 的なサービスをインドで展開する Snapdeal のような会社への投資を警戒している。Uber や Amazon に比べ、実損が多く市場シェアが低下しているからだ。Ola も Snapdeal も、ソフトバンクの出資先としてよく知られている。

そんな中でも依然として Uber に戦いを挑み続けている Ola にとって、今回調達した資金は救いとなるだろう。ソフトバンクは Ola 株式の22.5%を保有しており、2番目の株主である Tiger Global は約20%を保有している。

昨年12月、Ola の CEO Bhavish Aggarwal 氏は、Uber との戦いをを政府にまで持ち込んだ。Flipkart とともに、彼は、海外プレーヤーの豊富な資金で作られた不公平な競争条件だとして非難した。やり玉に挙げたのは Uber だ。

Ola は、アメリカからのライバルとの激しい競争に立ち向かうべく、数十億ルピーもの資金を〝燃やし〟続けている。Ola はこれまでに約12億ドルを資金調達している。

最近では、Ola から上層部の退任もいくつか見受けられている。直近では、CFO の Rajiv Bansal 氏が今月初めに同社を去っている。

ソフトバンクはこれまでにインドで20億ドル近くを投資しており、その大部分の13億ドルが Ola と Snapdeal に対するものだ。ソフトバンクはホテル予約プラットフォームの Oyo、食料品配達アプリの Grofers、不動産クラシファイド の Housing に出資している。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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