スポーツ中継/SNSアプリ「Player!」開発のookami、シリーズAラウンドで資金を調達——IMJ-IP、GREE Ventures、朝日新聞社らが参加

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.3.10

Image credit: ookami

スポーツ中継アプリ「Player!」を開発する ookami は10日、IMJ Investment Partners(以下、IMJ-IP と略す)、GREE Ventures、朝日新聞社および名前非開示の個人投資家からシリーズAラウンドで資金調達したことを発表した。調達金額は非開示。ookami にとっては、昨年5月に実施したシードラウンドでの GREE Ventures での資金調達(金額非開示)に続くものとなる。GREE Ventures にとっては、ookami に対する二度目の投資。

ookami はシードラウンドに先立ち、2014年6月と2015年3月にエンジェルラウンドで、アスリートの為末大氏やユーザベース、ユーザベース代表の梅田優祐氏、海老根智仁氏(オプト創業者)、小松利彰氏(フォトクリエイト共同創業者)らから総額3,000万円を調達しているが、関係者への取材によると、今回のシリーズ A ラウンドを含め ookami の創業当初からの調達総額は数億円程度に上ると見られる。

ookami は2014年4月の設立。2015年4月にモバイルアプリ「Player!」を iOS 向けにリリースし、スポーツニュースの配信プラットフォームから、スポーツゲームをライブで伝え、ゲームの途中経過や結果とともに、同じゲームを実況観戦する他ユーザと思いをリアルタイム共有できるスポーツSNSへとピボットした。2015年12月には、App Store Best of 2015 を受賞、2016年にはグッドデザイン賞を受賞している。

今回の資金調達を機に、ookami は Player! のニュース配信に関わる機能向上に注力することを明らかにしている。ニュース機能を刷新し、スポーツ・スコアの情報配信大手データスタジアムと提携し、J リーグや B リーグ全試合のリアルタイム速報を配信。加えて、年間約180のスポーツ催事に携わる朝日新聞社を株主に迎えたことで、さらなる情報の充実が図れるという。

今回の出資に参加した朝日新聞社は、次のようにコメントしている(ステートメントから一部抜粋)。

様々なスポーツ事業やコンテンツと ookami のPlayer! を掛け合わせることで、新聞とは違った新しいスポーツの楽しみ方、伝え方をご提供出来ると考え、業務資本提携を結ばせて頂くことにしました。

IMJ-IP とフォローオンでの参加となる GREE Ventures からの出資は、純粋な資金注入の意味合いが強いようだ。以下は、IMJ-IP からのコメント(ステートメントから一部抜粋)。

東京オリンピックの開催も控え、スポーツ領域は国の成長産業として今後の拡大が期待されています。その中で、Player! がスポーツの LIVE コンテンツやスマホ最適の顧客体験を実現する新しいメディアであることや、経営チームの高いエグゼキューション力を大いに評価しており、今般ご支援の決断を致しました。

Image credit: ookami

上図は ookami に作成してもらったものだが(従って、解釈は必ずしも客観的ではない)、スポーツコンテンツのデジタル配信ビジネスは、プレイヤーによって儲かっているところとそうでないところはあるものの、賑やかであることは確かだ。

日本のデジタルスポーツ・スタートアップに視野を広げると、「スポとも」や「スポともGC」といったオンラインレッスンサービスを提供する だんきち は、ドコモベンチャーズ、DeNA(東証:2432)、シリウスパートナーズ、ABC ドリームベンチャーズなどから出資を受けている。アマチュアスポーツのスコアや対戦管理ができる「TeamHub」を運営する Link Sports は昨年、ベンチャーユナイテッドからの資金調達や日本政策金融公庫からのデットで約6,000万円を調達した。

国内では DAZN(ダゾーン)やソフトバンクのスポナビライブなどが台頭し、インターネットやモバイルでの配信を巡って互いにしのぎを削っており、放映権料は高騰している模様。ただ、彼らだけですべての映像配信を消費し尽くすことはできず、放映権は他の衛星放送業者やケーブルテレビ放送会社にディスカウントして再販(サブライセンス)される構図が形成されているようだ。海外では Twitter が NFL の全世界ストリーム配信に1,000万ドルを拠出、また Amazon もスポーツの放映権獲得に動いている

ookami では、Player! がスポーツの映像配信ではなく、試合周辺のスコア情報や SNS に特化していることから、これら大手プレーヤーによる熾烈な競争の影響は受けないとのこと。むしろ、サブライセンスなどの恩恵を受けて、将来的には放映権者とのレベニューシェアで映像配信も可能になるのではないかとの展望を持っている。

(チャンネル単位ではなく)試合単位で番組を購入視聴できるとか、後半から視聴するのであれば価格が変わるとか、そういう柔軟な運用も可能になると思う。

Player! のユーザは、60%が35歳未満という、既存のスポーツ中継放送業者などがリーチできていない層。このような層に映像配信を届けられるという点で、大手のプラットフォーマーにも ookami と組むことでメリットが出せるようになると思う。(ookami 代表 尾形太陽氏)

尾形氏によれば、Player! でしか提供できないユーザエクスペリエンスを、他にもいくつか準備しているようだ。年内に何度か大きな発表ができそうということなので、楽しみに待つことにしたい。

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