SXSW 2017 Interactive現地レポート〜Trade Showイベント、1日目のスナップショットから

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.3.14

本稿は、SXSW 2017(サウスバイサウスウエスト 2017)の取材の一部である。

日本時間3月15日6時更新:本稿初出時、8K:VR RIDE の展示社を AOI Pro. としましたが、正しくは NHK エンタープライズをはじめとする4社によるものでした。訂正してお詫びします。)

オースティンで SXSW(サウスバイサウスウエスト)が始まった。イベント全体で約8万人、テックやスタートアップを取り上げる SXSW Interactive だけでも3万人を超える参加者が集まるので、この街周辺のホテルが端から端まで SOLD OUT になるのも頷ける。

このうち、事前登録をして正規に参加を表明している人が日本からは800人弱。国別の登録者数で言えば、お隣のカナダをもしのぐ勢いだ。参加者のうち、20〜30人に一人が日本人ということになるので、会場のそこら中で日本語が飛び交っているのを耳にすることになる。東京の人口に占める外国人の割合よりも多いかもしれない。

まず、今回は現地時間で12日から始まった展示会 TradeShow から巡ってみた。TradeShow には大企業やスタートアップが所狭しとブースを並べ、International Pavilion のコーナーには、各国政府の支援を受けた国別のスタートアップ・ブースコーナーが開設されている。

オースティンに来てまで日本のスタートアップの追うのかと言われるかもしれないが、そこは、パリに行ってもベルリンに行ってもラーメン店を探してしまう筆者の性なのでご容赦願いたい。

とにかく目立つ、という点では、日本パビリオンエリアの目抜き通りに開設された、NHK エンタープライズ、NHK メディアテクノロジー、レコチョク・ラボ、WONDER VISION TECHNO LABORATORY の4社合同による作品「8K:VR RIDE」である。以前にこの記事でも書いた、富士急ハイランドのアトラクション「富士飛行社」を経験した者にとっては、ものすごく目新しいものでもないような気がするが、それでも、SXSW にインドネシアや韓国のスタートアップシーンから参加していた友人に、日本パビリオンでどれが興味あったかを聞いてみたところ、口々に 8K:VR RIDE を挙げていた。

XTREME DESIGN 代表の柴田直樹氏と大平かづみ氏。クラウドでスーパーコンピュータを実現するという技術自体、ビジュアルだけではなかなか説明がしづらいテーマだが、展示初日からプレゼンに力が入り過ぎたのか、柴田氏は声が出なくなってしまったとのこと。早々に回復することをお祈りしたい。

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つくばを拠点に事業を展開するナノルクスの祖父江基史氏。産総研(産業総合研究所)で開発されたベースをもとに、暗所でも色のついた状態で被写体を再現する映像技術を開発している。光量の低い所では赤外線カメラを使って撮影されることが多いが、その難点は映像に色がなく、濃淡だけで物体を見極めなければいけない点だ。ナノルクスの技術では赤外線カメラの映像から、まるで可視光でとらえたような映像の再現が可能である。車載カメラなど用途は多数。

Todai to Texas から出展の STACHA。EMS などと同じ要領で、首に巻いて喉にある声帯の周りの筋肉に微弱な電流を流し、意図的に正確な発声が困難な状態を再現する。世界的にも吃音で悩む人は少なくなく、周囲からの視線や差別から自殺を図る人がとどまるところを知らないという。吃音で悩む人の苦しみを疑似体験できる環境を提供することで、社会の理解を高めようとするデバイスである。

Peegar というデバイス。写真だけだと説明が難しいが、昔ながらのモデムやファクスにも似た「ピーガー」というデータ通信音(キャリア)に情報を載せることで、タブレットやスマートフォンのイヤフォンジャックから、音声で基盤などにプログラムをインストールできるというものだ。一見するとデジタルからアナログに逆行している気もするのだが、インターフェースがシンプルである分、コストは安く汎用性も高いのだそうだ。

Groove は、ダンサーが両手に装着するセンサーに、圧電素子や G センサーを備えたデバイスだ。色合いからや用途からも Orphe を連想してしまうのだが、Groove は音を元に光るアウトプット・インターフェースであるだけでなく、手の動きなどを元に音楽が生み出されるという点が特徴的。ダンサーは DJ が生み出す音楽にあわせて踊ることが多いが、Groove を使うことでダンサーが自ら音楽を生み出すことができる。

資生堂は TeleBeauty を展示。自宅からテレカンファレンスに参加する際に、女性が化粧をしなくてもテレカンに臨めるよう、拡張現実でメイクアップをオーバーラップしてくれるアプリだ。資生堂の社内では、その会社柄からも女性社員だけでなく男性社員の利用も多いのだとか。

神戸デジタル・ラボSeekAt という AR ナビゲーションアプリを出展。スマートフォンをかざすだけで、目的地がどちら方向にあるかを表示してくれるアプリだ。Twitter のつぶやきをもとに、付近で盛り上がっている場所を視覚的に示す機能なども備えている。

韓国のスタートアップ支援団体 Startup Alliance でマネージャーを務めていた June Hyuck Lee(이준혁)氏が昨年スタートした Lotte Accelerator に移籍したそうで、韓国パビリオンのところで呼び止められた。彼らは韓国からスタートアップを数チーム連れて来ていたが、中でも一押しがこの HumOn というアプリ。鼻歌を吹き込むだけでメロディを譜面化し、コードをつけてバラード調や R&B 調など好みの曲へとアレンジしてくれる。

身体に貼り付けることができるセンサー「Rotex」。生体情報などをより正確に補足し、BLE 経由でデータ転送することができる。標準的なものはミニ USB でバッテリー充電し24時間動作し続けるが、新たに開発しているものは Suica と同じ要領で、 NFC により基盤内で電流を発電することができる。

LED で効率的な野菜の発育を促す Local Roots はトラックで登場。

コンベンションセンター近くに設置された、ソニーの展示会場「THE WOW FACTORY」。ビデオゲームデザイナーの水口哲也氏が、Synesthia Suit を着用し Rez Infinite の実演を行なっていた。

会場近くに設置されていた、自動車の自動販売機スタートアップ CARVANA の展示コーナー。パンチングゲームと同じ要領でショックを与えてランキングを競い、成績優秀者には自動車がプレゼントされるとのこと。

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Rainey Street には、Twitter、Pinterest など有名テック企業のバースタンドやイベントスペースが軒を連ねる。これらの施設では、SXSW のバッジを身につけていれば、ほとんどのところで食べ物や飲み物が無料だ。イベントの合間のひととき、参加者たちは思い思いのカクテルを片手にミングルに興じていた。

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