リクルート「TECH LAB PAAK」のデモデイが開催、第7期参加チームが半年の成果を披露

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.3.20

リクルートホールディングス(東証:6098。以下、リクルートと略す)が東京・渋谷で展開するスタートアップアクセラレータ「TECH LAB PAAK(テック・ラボ・パーク)」は17日、第7期のデモデイを開催した。

13チームがそれぞれ3分間ピッチでプログラム参加からの半年間の成果を披露したほか、審査員による評価対象ではないが、1分間ピッチには5チームが登壇し、総計18チームが登壇する一大ピッチイベントとなった。

入賞したチームの顔ぶれを中心に、TECH LAB PAAK からどのようなサービスが生まれたか、生まれようとしているかをみてみたい。なお、デモデイのピッチにおいて、入賞者の審査を行ったのは次の方々だ。

  • Slush Tokyo CEO Antti Sonninen 氏
  • TechCrunch Japan 大熊希美氏
  • 日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤円氏
  • リクルートホールディングスR&D本部 Media Technology Lab. 室長 麻生要一氏

【TECH LAB PAAK 賞】Voicy

副賞:Amazon ギフトカード 3万円分、Slush Tokyo 2017 ブース出展権

昨年9月にローンチした Voicy は、個性あふれるパーソナリティーの声によって、日々のメディアの情報を聴くことができるモバイルアプリである。情報源となるメディアはローンチ当初の8メディアから25メディアに拡大、パーソナリティの持つチャンネルも40から140へと増加。新人が多数オーディションに応募しており、素人からプロまで個性豊かなチャンネルが増えているという。ユーザ1人あたり1日平均20分以上アプリを使うという滞在時間の高さも、音声というユニークなコンテンツならではの特徴と言える。

チームには、創業メンバーである CEO 緒方氏、CTO 窪田雄司氏に加え、今月からリクルートキャリアで「サンカク」の立ち上げ経験を持つ秋山貫太氏が COO として、大手 IT ベンダーで PL や PM 経験を豊富に持つ伊東正幸氏が CIO として合流している。先週には、アプリの UI やロゴを一新し、有力個人投資家ら12名からのエンジェルラウンドでの資金調達を発表した。

【マイクロソフト賞】fairy 720° by Cuelebre

副賞:日本料理 Kuma3 ディナー懐石コース ペア招待チケット、Slush Tokyo 2017 ブース出展権

Cuelebre は、「妖精のいる日常」をコンセプトに、ドローン + Alexa のようなプロダクト fairy 720° を開発している。Alexa などの音声認識アシスタントを使う場合、自分からアシスタントに近づいて喋るか、声が届くような大きさで話す必要がある。fairy 720° では、デバイスの方から自分のいる場所に近づいてきてくれる。

ドローンを用いると動力部や風切り音のノイズが音声認識の際の障害となるため、空中に飛ばすのではなく、屋内の天井方向3点から吊るし、モーターの遠隔制御によりで糸の張り具合を変化させることで、指定の位置にデバイスが移動できるようにした。経済産業省のグローバル起業家等育成事業米国派遣プログラムに選ばれ、先週、オースティンで開催された SXSW 2017 に出展した。

【Slush Tokyo 賞】手書き風手紙作成代行サービス

副賞:松坂牛すき焼きセット、Slush Tokyo 2017 ブース出展権

佐藤博氏は、手書きで美しい文字をロボットに書かせ、それを手紙として送ることはできないかと考え、このしくみを開発した。当初は楷書体の画一的な文字しか書けなかったが、敢えて、フォントを独自の文字発生技術で崩すことにより、人間が持つような文字の微妙な下手っぽさを演出することにも成功。ユーザヒアリングでは、文字だけでなく、文案やイラストなども用意できるしくみが欲しいなどの要望が得られたという。

文字発生技術の特許取得、創業メンバーのリクルーティング、事業化を図るためのシード資金の獲得が当面の目標とのこと。文字発生技術のフォントカスタマイズさえ行えば、日本語以外の多国語にもサービス展開が可能としている。

【TechCrunch Japan 賞】 ソーシャル VR サービス by Cover

副賞:屋形船 船清 食事招待3名分、Slush Tokyo 2017 ブース出展権

シリアルアントレプレナーの谷郷元昭氏が率いる Cover が披露したのは、VR/AR ユーザのための、VR/AR のためのソーシャルサービスだ。現在はその第一弾として、VR を用いた卓球対戦ゲーム「PING PONG LEAGUE」を STEAM 経由で配信しており、 UGC(ユーザ生成コンテンツ)や放送と融合させた、VR Live のしくみも開発中で近日リリース予定だ。

ソーシャル VR サービスがテーマとするのは、大きくは対戦サービスと UGC サービスの2つの路線。ただし、ゲームデベロッパではなく、インターネットサービスのプロバイダとしてプラットフォームを作りたいとのことで、これはゲームを有料販売するのではなく、無料で継続的にサービス提供する姿勢にも現れている。今後は、ソーシャル VR フィットネスサービス、雀荘、スポーツセンターの VR 体験などに拡大していきたいと意気込みを語った。

【オーディエンス賞】Handful by Craful

副賞:TECH LAB PAAK Project Member 権利

Craful が展開する「Handful」は、ハンディクラフトの分野に特化したオンラインメディアで、現在、月に100本の記事を投稿し50万UU程度のアクセスを確保している。代表の大野拓海氏自身もレザークラフトを趣味としているが、当初はレザークラフトに、多くの材料や工具が必要となることが理解しづらかったという。同社ではハンディクラフトの初心者のために入門キットを販売したり、また、25歳から44歳がボリュームゾーンで95%が女性を占めるサイトの訪問者向けに広告を掲出したりすることで、マネタイズを図りたいとしている。

同社は、ハンドメイド作品の写真・アイデア・作り方などを共有するCGM型プラットフォーム「Craful」も運用展開しており、今年2月には、エスネットワークス、コロプラネクスト、サンブリッジコーポレーション、大和企業投資から総額3,960万円を資金調達している。


なお、この日、TECH LAB PAAK は開設から2年が経つのを節目に、ロゴを刷新し空間リニューアルを実施することを明らかにした。新ロゴについては一般公募され、Justin Sharps 氏と池村順子氏が共同制作した作品が最優秀賞に選ばれた。現在の TECH LAB PAAK のロゴは、入居するビルの形を空から見た際の形をモチーフに五角形となっているが、新ロゴでは、その五角形の各辺が分解されて描かれている。

TECH LAB PAAK の責任者でもある麻生氏は、新ロゴのデザインの一部を機会に合わせて変化させ、常に変化し続ける TECH LAB PAAK のブランドを訴求していきたいと語った。新ロゴの完成と空間リニューアルは4月下旬に実施される予定。空間リニューアルは大掛かりな工事は伴わないため、実施期間中の一時閉館などは予定されていない。

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