毎日の情報を声で聴けるアプリ「Voicy」、有力個人投資家ら12名から資金を調達——アプリを一新し写真投稿や倍速再生機能などを新たに追加

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東京・渋谷に拠点を置くスタートアップ Voicy は、複数のニュースソースからの記事を、気に入ったパーソナリティの声で聞くことができるラジオアプリ「Voicy(ボイシー)」を iOS 向けに提供している。同社は15日、有力エンジェル投資家ら12名から資金調達を実施した。

このラウンドに参加したのは、平澤創氏(フェイス代表取締役)、島田亨氏(元楽天球団社長兼オーナー)、谷家衛氏(あすかアセットマネジメント会長、お金のデザイン会長兼ファウンダー)、高野真氏(MT パートナーズ代表)、須田仁之氏、日比谷尚武氏(Sansan コネクタ/Eightエバンジェリスト)、その他シナジーのある事業会社のCEOなど総勢12名。調達金額は開示されていないが、概ね数千万円の後半台と見られる。

金額規模的にはシードラウンドに近いが、Voicy の創業者で CEO の緒方憲太郎氏によれば、当初シードラウンドで調達しようとしていた資金について、相談していたエンジェル投資家らからの提案で、すべてエンジェル投資家からの資金調達に変更したとのこと。結果的にシードラウンドに近い規模の資金が全てエンジェルから集まるという、大きめのエンジェルラウンドになった。

今回、有力エンジェル投資家12名から調達できた点について、緒方氏は THE BRIDGE のインタビューに対し、次のようにコメントしている。

エンジェルラウンドって今しかないから一緒に乗ってくれる仲間を集められる唯一のタイミングだと思います。メンター欲しかったし。満足のファイナンスです。(中略)

僕らみたいに世界中誰もやってなくて真似する先もないベンチャーとしては、「よく分からんけどその世界応援する!」って、後ろから同じ夢見て押してくれる有名な人がいるのは本当に助かります。

昨年9月にローンチした Voicy は、個性あふれるパーソナリティーの声によって、日々のメディアの情報を聴くことができるモバイルアプリだ。情報源となるメディアはローンチ当初の8メディアから25メディアに拡大、パーソナリティの持つチャンネルも40から140へと増加。新人が多数オーディションに応募しており、素人からプロまで個性豊かなチャンネルが増えているという。ユーザ1人あたり1日平均20分以上アプリを使うという滞在時間の高さも、音声というユニークなコンテンツならではの特徴と言える。

Voicy の経営チーム:左から、CEO 緒方憲太郎氏、CTO 窪田雄司氏、COO 秋山貫太氏、CIO伊東正幸氏
Image credit: Voicy

チームには、創業メンバーである CEO 緒方氏、CTO 窪田雄司氏に加え、今月からリクルートキャリアで「サンカク」の立ち上げ経験を持つ秋山貫太氏が COO として、大手 IT ベンダーで PL や PM 経験を豊富に持つ伊東正幸氏が CIO として合流している。

今回の資金調達にあわせ、Voicy は現在公開しているモバイルアプリのβ版を大幅にリニューアルし、ジャンル分け、タグ機能の追加、写真投稿機能の追加、1.5倍速、2倍速再生機能の追加、ランキング、再生履歴の表示、コメント返信機能の追加が実装。

また、ウェブサイトやアプリのデザイン、Voicy のロゴなどについても一新される。今後、Voicy ではモバイルアプリでのみ聴けていた100チャンネル以上の音声コンテンツについてウェブサイトでも聴けるようにし、パーソナリティの一覧画面を新たに開設する計画だ。

Voicy では、声の価値として、コミュニケーションや情報伝達だけではなく、その表現力と人間性や個性によりフォーカスし、声の温かさのある「体温のある情報」を届けたいとしている。

同社では現在、エンジニア広報担当者のほか、オーディションに参加を希望する新人パーソナリティ、法人チャンネルの開設を希望する企業からのエントリを募集している。

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