実は身近に導入されているIBM Watsonーーその10の活用事例

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.4.18

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Image by Radek Grzybowski via Attribution Engine. Licensed under CC0.

2011年にWatsonはアメリカのクイズ番組「Jeopardy!」で世界チャンピオン2人を倒し、100万ドルの賞金を手にした。この出来事は国民が人工知能へ関心を向けるきっかけとなった。

以降もWatsonはAPIにより新しい認知(コグニティブ)機能を搭載した。Alchemy(感情分析用)、トーンアナライザ(パーソナリティと感情分析用)、会話(チャットボットビルダー)などだ。これらの機能は金融サービスやヘルスケア、小売業、デジタル産業など数百のアプリケーションに組み込まれている。IBM Watsonのプログラムディレクター、Alyssa Simpson氏は次のように語る。

「Watsonは多くの場所で使われているが、競合に真似されることを恐れて多くの企業はその使用を公表していない。つまり人々が知らない間にWatsonを使用している可能性は高い」。

Simpson氏はWatsonを使用する主要ブランドの情報を公表した。Macy’sのような小売業者やH&Rブロックのような金融サービスなどがこれにあたる。ここでは、IBMテクノロジーの利用があまり知られていない10社の事例を紹介する。

1.1-800-Flowers

1-800-Flowersは、FacebookがMessengerプラットフォーム用のボットを発表した時からのパートナーだ。1-800-FlowersはFacebook上のチャットボットで使われているAssistの他にも、ウェブサイト上に存在するGwynという仮想アシスタントを備えている。GwynはFruit Bouquetsやpopcorn Factoryなど、所有する小売ブランドでの買い物をアシストする。

2.Macy’s

多くの企業は、一貫性のある優れたカスタマーサービスを提供するために奮闘している。700店舗以上を運営する米国最大の百貨店チェーンMacy’sでは、顧客が数十万種類もの製品を各店舗で購入するためにその苦労も耐えない。

消費者の絶え間ない問い合わせに対応するためにMacy’sはいくつかの支店でWatsonを用いたサポートボットを使い、常時対応(On-Call)を実現している。

3.H&R Block

「税務処理の作業が大好きだ」という人は、税理士を含めても滅多にいないだろう。H&R Blockは手続きの合理化を目的にWatsonを使用して、クライアントとのコミュニケーション改善や控除の促進、ファイリング作業の最適化を実施した。人間と違ってWatsonは74,000ページの税コードを全て分析し、法律の変更に対応して最良の節約プランを提示することができる。

4.Staples

オフィス用品の発注作業をすることは楽しい作業と言い難い。そこでStaplesは音声認識が可能なred Easy buttonを発明した。オフィスにこのボタンを設置して「青いペンを追加注文」と言うだけで、Watsonは音声を認識し商品を手配する。

5.Autodesk

数十万人以上の顧客を対象にする場合のカスタマーサポートは数千ドルのコストがかかる。アカウント情報の切り換えなどの簡単な問い合わせ内容であっても、人間の専門家が情報を作成するとコストがかかるのだ。オートデスクは、Watsonの技術を使用した顧客サポートボットAvaを使うことで、このサポートコストを90%削減し、問題解決の対応速度を早めた。

6.Chevrolet

Chevroletの”Find New Roads”キャンペーンの目的は、挑戦をポジティブに捉え、独創的な思考を促進することにあった。このキャンペーンでChevroletはWatsonを使用している。Watsonの機能を用いてFacebookやTwitterの投稿を分析し、最もポジティブな人々に無料のガソリンをプレゼントした。

7.The North Face

人それぞれに好みがある。とはいえ、何百ものオプションを組み合わせ自身のニーズに最適なものを選び、購入することは難しい。そこでNorth FaceはWatsonを用いて、製品の使用法に関する簡易アンケートから適切なオプションを提案する「コグニティブ販売」を導入している。顧客はダウンや綿断熱材のジャケットが必要か悩む必要はない。Watsonに判断を頼れば、最適な製品が見つかる。

8.TD Ameritrade

個人金融や投資への判断は混乱しやすい。TDAmeritradeのAlviはこんな方法でユーザーの個性を認識し、最適な投資教育をしてくれる

  • Alviに直接話しかけ、自身についていくつかの質問に答える
  • ソーシャルメディアアカウントからの分析で性格を判断する
  • 「慎重な楽観主義者」「トレンドスポッター」「アドバイスシーカー」「研究者」の4つの主要な投資家タイプから選ぶ

9.Rare Carat

結婚指輪の平均費用は4000ドルを大きく上回っている。こういった大きな買い物の場合、間違ったものは購入したくないだろう。結婚指輪を購入する際、色や形などの寒暖なオプションは簡単に決めることができるかもしれないが、「蛍光」や認証方法などの品質評価は難しい。

Rare Caratのウェブサイトで使われるbotのRockyは、Watsonを活用して結婚指輪を購入する際の意思決定を手助けしてくれる。

10.The Weather Company

米国で4番目によく使われている天気予報アプリ「Weather Company」は、2015年10月に運営会社を買収したIBMにとって魅力的なターゲットだった。IBMはWeather Companyで人気のあるコンシューマー・アプリケーションを使用し、音声やテキストを用いて、ブランドのコンテンツとチャットできるインタラクティブな広告ユニットWatsonAdsを立ち上げた。

TOYOTAやCampbell Soup Company、Unilever などのブランドはWatsonを既に取り入れ、Health&VolumeOmniEarthRoztaygerHead Racquetといった多くの企業もWatsonを使用している。

IBMは内部でもWatsonを使用して開発者用ツールのヒューマン・テクノロジー・サポートを強化している。

編集部注:Mariya Yao氏は人工知能やボットの戦略&リサーチ会社TOPBOTSの研究開発担当責任者。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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