新サービス「polca(ポルカ)」でCAMPFIREと家入一真氏はクラウドファンディングの殻を破れるか

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今日公開になったpolcaティザーサイト

今日の昼過ぎ、facebookメッセージに家入一真氏からひとつURLが飛んできた。「polca.jp」と書かれた情報以外なんのコメントもない。

しかし、サイトをみてすぐに意図することは理解できた。いや、理解以上のものかもしれない。私がこれまでもっていたクラウドファンディングやCAMPFIREという存在に対する疑問みたいなものが氷解・・は言い過ぎだが、それでも前が開けるイメージを持つことができたのは事実だ。そこでちょっとだけ思考した内容を共有したい。

Studygiftという原型

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Studygift当時トップページ

現状のpolcaはサイトを見ての通り、6月オープン予定のティザー状態だ。トップには「フレンドファンディング」というワードと実際のユーザーの声だろうか「会社を立ち上げる弟のために椅子や机をかってあげたい」といったリクエストがいくつも表示されている。

それ以外はどういうサービスなのか全く情報はないし、同社もまだ詳細は出せないという回答だった。

しかしこのプロジェクトの原型というか、CAMPFIREやクラウドファンディング、そして家入一真という起業家について少しでも知っている人であれば「Studygift」のことを覚えてるかもしれない。

学費に困った学生を支援するために立ち上げられたプロジェクトで、当時、学費をクラウドファンディングで集めるという手法を巡って賛否両論、一部で大きな話題になった。

この時に私も感じたのが「集める範囲」の設定をどうするかという課題だった。もし、この学生を応援する(例えば親族のような関係性の)人たちだけがこのプロジェクトに参加できていれば何も問題はなかったはずだ。

この案件は支援を求める人と支援する人のマッチングの難しさを感じる話題だった。polcaはもしかしたらその課題をクリアするためのプラットフォームになるのかもしれない。

頭に浮かんだのはAnyPay

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AnyPayウェブサイト

ではpolcaはクラウドファンディングと言えるのだろうか?私はpolcaのコンセプトに触れた時、Studygiftと同時にもうひとつのサービス「AnyPay」を思い浮かべていた。こちらも連続起業家の木村新司氏が仕掛ける新進気鋭の決済系スタートアップだ。

先に結論を伝えておくと、polcaはクラウドファンディングというよりはグループ単位の決済代行に近い考え方になるのではないかなと思っている。ただ、その他のサービスに比べて対象が広くなる可能性を秘めている。

AnyPayはサービス名がそうであるように、あらゆるものやサービスを対象にした決済サービスだ。※この辺りの分類や考え方についてはカンム社のこのブログ記事に詳しいので興味ある人は参考にするといいだろう。

要は小さなそろばん塾をやってる先生がクレジットカード決済で月謝を集めたい場合は、ここで決済窓口を用意してオンライン決済してもらうことができる。詳細は割愛するが、中国では同様のAlipayが浸透した結果、露店までもがスマホ決済対応するまでに拡大している。

物販、サービスと決済する対象がモノからコトへと移ることでその種類や回数は大きく拡大する可能性がある。インターネット的な考え方はとにかく「トラフィックを増やす」が正解の場合が多い。

polcaはサービスよりもより時限的な要素のあるプロジェクト、言い換えれば「できごと」の決済代行と言えばいいだろうか。AnyPayのウォレットサービス「paymo」が「わりかん」というワンシーンに限定した決済代行だったのに比較して、あらゆるシチュエーションに広げようという意図を感じる。

https://youtu.be/VUurS–pjlw

世の中にはお祝いしたい、応援したい、ちょっと頑張れと言いたい、そういう場面はどれぐらいあるのか全くわからないが、そこに善意と資金の流れを作り出すというアイデアは極めて家入氏らしいやり方だ。

もちろん詳細は全く何もわかっていないので、蓋を開けてみたらAmazonのウィッシュリストに毛の生えたようなものになっているかもしれないし、Studygiftの時のような炎上案件が多発して大爆発という恐ろしい結末もあり得る。

しかし、もしこれが思っていた通りのもので、そしてそれを多くの人たちが必要としていた場合、現在彼らが公表している通算20億円という流通総額は一気に壁を越えることになるだろう。

以前のインタビューでクラウドファンディングという概念そのものを変えたい、超えたいと語っていた家入氏の考えが現実のものとなるか、結果は6月のリリース時にわかるはずだ。

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