中小企業やスタートアップの資金調達・財務周辺を支援するエメラダ、シードラウンドでD4Vなどから2億円を調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.4.5

東京に拠点を置くフィンテック・スタートアップのエメラダは5日、シードラウンドで2億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは D4V が務め、大手金融機関2社と複数名の個人投資家が参加した。D4V 以外の投資家は名称非開示。同社は中小企業やスタートアップに偏在する、金融や財務面における情報非対称の問題を解決するとしている。

エメラダは2016年6月の設立。CEO の澤村帝我(さわむら・たいが)氏をはじめ、創業メンバーや役員の多くが Goldman Sachs など投資銀行出身者などで構成されているフィンテック・スタートアップだ。

澤村氏は Goldman Sachs 時代、投資銀行という立場から大企業の資金面の問題解決に臨む機会が多かったという。大企業にはビジネススクールなどを出た資金調達の手段に明るい専任の財務担当者が居ることが多く、他方、解決策を提案する投資銀行側も専門知識においては豊富だ。アドバイスを提供する側と受ける側の双方が、高い金融リテラシーを持っていると言えるだろう。

一方、費用対効果の問題から、一般的な投資銀行が中小企業やスタートアップを顧客にすることは多くない。中小企業やスタートアップが仮に投資銀行からアドバイスを受ける機会があったとしても、それを理解できる専門知識に富んだ人が社内にいる可能性はたか閣ない。つまり、中小企業やスタートアップは、資金調達や財務問題の解決というテーマにおいて未開拓の領域と言える。ここを耕そうというが澤村氏の戦略だ。

ここから先、彼らのビジネスの内容については、金融庁の業務認可を前提とする都合などから、表現が一部具体的でない点については了承いただきたい。

エメラダが中小企業やスタートアップに提供するのは、デットとエクイティという2つの資金調達手段だ。

デットについては、資金の貸し手と借り手を結ぶ P2P レンディングのマーケットプレイスになるということだが、これまでのソーシャルレンディングにありがちな、銀行が与信承認できない領域をカバーするものではないという。イギリスの Funding Circle やアメリカの Lending Club などにイメージが近いかもしれない。資金需要の案件は証券化されるので、投資家はビジネスライクな融資判断をしやすい。

資金は主に機関投資家から提供され、中には金融機関が含まれる可能性がある(Lending Club などでも顕著だが、間接金融の直接金融への参加が起こるわけである)。機関投資家にとっては、リスクとリターンのバランスに説明がつけば過度に高い貸出金利を還元する必要は無いため、ソーシャルレンディングに見られるような2桁パーセント代の金利にはならないだろうとのこと。与信から融資実行までのプロセスは、長年にわたって既存の銀行が築き上げてきたものを踏襲しつつ、それらを効率的かつ迅速に回せるしくみを開発するとしている。

エクイティについては、個人投資家が企業を支援するコンテキストを含んだ、株式投資型のクラウドファンディングのような形態になるだろうとのこと。アメリカの同業で言えば、AngelListFundersClub が近いかもしれない。澤村氏によれば、スタートアップ・エコシステムに不足しているものを補完する役割を持たせる観点から、一般的な中小企業よりはスタートアップ支援をターゲットにした、誰もが参加できるエンジェル投資のプラットフォーム、あるいは、スタートアップ特化型の投資信託なものをイメージするとよいかもしれない。

エメラダでは、デットのサービスを2017下半期に試験開始する予定。エクイティのサービスについては、2017年半ばのサービスローンチを目指している。

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