Alibaba(阿里巴巴)傘下のAlisports(阿里体育)、シリーズAラウンドで12億人民元(約190億円)を調達——eスポーツ分野への投資を強化

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中国の地元メディアが伝えたところによると、eコマース大手 Alibaba(阿里巴巴)のスポーツ部門である Alisports(阿里体育)は、急伸する国内スポーツビジネスでの地盤を固めるため、シリーズAラウンドで12億人民元(約190億円)以上に相当する資金調達を行った。

Yunfeng Fund(雲鋒基金、Jack Ma=馬雲氏のベンチャーキャピタル)がリードしたこのラウンドでは、Alisports の評価額は70億人民元(約1,110億円)に上った。その他、Taiping Guofa Capital Management(蘇州太平国発)や Shanghai Qianheng Venture Capital(上海黔亨創投)なども参加した。

Alisports は昨年新設された Alibaba の文化・エンターテイメント部門に属しており、このグループは Alibaba が事業部門を一部統合したことにより生まれた。eコマースとクラウドコンピューティングに続いてAlibaba のドル箱となっている。

Alisportsは2015年から2020年にかけて開催される中国ワールドカップのスポンサーである。イベントに企業名を冠する唯一のタイトルスポンサーであるほか、チケット予約、eコマース、スポーツトレーニング、イベントプロモーションなどを他の国際的な競技団体と連携して行っている。

また、独自のスポーツブランドとして、World Electronic Sports Games(世界電子競技運動会)と World Online Running Alliance(国際網絡路跑連盟)を創設している。同社の e スポーツ事業部長 Wang Guan(王冠) 氏が語ったところによると、Alisports は今後3〜5年で e スポーツゲームに約6億人民元(約95億円)を投じる予定だ。

Alibaba 創業者の Jack Ma 氏は以前、Alisports を1兆人民元の収益を見込めるスポーツプラットフォームにしたいとしていたが、これはかなり遥かな目標である。

Alibaba は昨年11月11日(光棍節=独身の日)、B2C マーケットプレイスの Tmall(天猫)で大規模セールを実施し、総額1,207億人民元(約1.9兆円)に達する取引額を記録した。Alisports Tmall(阿里体育天猫店)での同日の売上はわずか2,212人民元(約3.5万円)に留まる。今回の資金調達は、Alisports がスポーツ部門の成長を急ぐよう決断した現れであろう。

昨今のスポーツブームにあやかろうと、不動産大手の Wanda Group(万達集団)、インターネット大手の LeEco(楽視)、電子機器販売の Suning(蘇寧)など、Alibaba 以外の中国のコングロマリットも市場に流れ込んできている。中国政府の発表によれば、スポーツ市場は2025年までに5兆人民元(79.2兆円)規模に達するものと見られる。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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