フィリピンの請求書売買P2P金融「Acudeen」、スイスで開催されたSeedstars World世界決勝で優勝

by Tech in Asia Tech in Asia on 2017.4.20

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Acudeen 設立者 Magellan Fetalino III 氏(右)
Photo credit: Seedstars World.

キャッシュフローは中小企業の生死に大きく影響するが、法人顧客からの支払いが行われるまでには90〜120日かかる場合が多々ある。今年の Seedstars World コンペティションで優勝を勝ち取ったフィリピンのスタートアップ Acudeen は、この状況を変えようとしている。

Acudeen は Seedstars の賞金50万米ドルを使い、フィリピンと東南アジアの中小企業向けに、パートナー銀行から資金を借り入れ、各企業の請求書の支払いを肩代わりするサービスを提供する。

同社は各企業の財務システムにアクセスし、サプライヤからの請求書を確認する。妥当性が確認され次第、3営業日以内にサプライヤに資金を送金するため、サプライヤとしては実際の支払いがいつになるのか気にしながら待つ必要がなくなる。

設立者の Mario Jordan “Magellan” Fetalino III 氏は次のように述べている。

キャッシュフローに問題を抱える企業にとっては、特に払い込み期限が90日後、120日後となるケースは長すぎます。

Magellan 氏は、Acudeen は請求書を月あたり2%の割引率で買い取るため、それが収入源になると Tech in Asia に語った。例えば90日後に支払期限を迎える1万米ドル相当の請求権をサプライヤが持っている場合、Acudeen は9,400米ドルでそれを買い取る。その後顧客企業が請求書の払い込みを終えた段階で、Acudeen には600米ドルの差額が利益として生まれ、請求書の購入のために借り受けた資金もこの時点でパートナー銀行に返済される。

現在いくつかの顧客企業を持っており、それらの取引先のサプライヤはフィリピン全土で200企業に上る。フィリピン市場にいち早くサービス展開したことでこれらサプライヤ経由の利益が多く受けられる。月あたりに処理する請求書の額は合計100万米ドルにも迫る勢いだからだ。

Magellan 氏によると、より多くのサプライヤがサービスを利用できるよう新たなリスクアセスメントのモデル作りに取り組んでいるという。

より多くのスモールビジネスに対応するため、支払い元がこれまで当社で把握していない企業の場合でも受け入れていく予定です。

東南アジアへの拡大

東南アジアの企業の95%から99%が中小企業であることから、Magellan 氏はフィリピン市場以外にも拡大したいとしている。

Acudeen のコンセプトはユニークではない。米国ではパロアルトに拠点を置く BlueVine や、Y Combinator 卒業生の Kickpay などインボイスファイナンスを扱う企業はいくつかある。

シンガポールでも類似サービスを提供する企業が2つある。SmartFundingApexPeak だ。しかし、Acudeen は現時点でタイとベトナムを視野に入れているものの、シンガポールはターゲットとしていない。

スイスの Seedstars World では、国際色豊かな審査員の前で12組のスタートアップがビジネスアイデアを披露し、Acudeen が優勝をさらった。給与サービスの Salarium が2015年にトロフィーを勝ち取ったのに続き、フィリピン系スタートアップの優勝はこれで2度目となった。

Acudeen は2016年に行われた Tech in Asia Tokyo Arena のビジネスコンペでも優勝している。また、500 Startups、Nullabor Ventures、そしてエンジェル投資家から資金提供を受けている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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