VRソーシャルルーム「cluster.」、シリーズAラウンドで2億円を調達——正式サービスをローンチし、エイベックスとは資本業務提携

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VR(バーチャル・リアリティ)で最大数千人規模のイベントを開催できるサービス「cluster.」の開発・運営を行うクラスターは31日、シリーズAラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、エイベックス・ベンチャーズ、ユナイテッド、ディー・エヌ・エー、Skyland Ventures、および名前非開示の個人投資家(人数不明)。これは、クラスターにとって、2016年4月、Skyland Ventures、East Ventures および個人投資家から総額約5,000万円を調達したエンジェルラウンドに続くものだ。また、今回あわせて、エイベックス・ホールディングス・グループ(以下、エイベックスと略す)とは業務提携も締結した。

同社は調達した資金をもとに、人気コンテンツを有する企業との協業を積極的に進めるとともに、スマートフォンやモバイル VR といったマルチデバイス対応を含めてプロダクト改善を進めるとしている。なお、本調達の発表と共に、α版として提供されていた「cluster.」の正式版への移行が発表された。正式版が提供するユーザエクスペリエンスについては、4月のティザーページ開設時に詳細をお伝えしている

クラスターは4月4日に都内で開催されたエイベックス・ベンチャーズの第1回デモデイ(avex Enter-Tech Pitch)に参加・登壇している。このデモデイは一般的なアクセラレータなどのデモデイと異なり、エイベックスがスタートアップとのオープンイノベーションの機会を模索することを意図したもので、エイベックス社員やスタートアップ・エコシステム関係者など招待者のみ参加が許されるセミクローズの形で実施された。クラスターは、このデモデイで松浦勝人賞を受賞しており、これが今回のエイベックスとの資本業務提携につながったようだ。

avex Enter-Tech Pitchで、エイベックス・ホールディングス・グループ CEO 松浦勝人氏(左)から賞を授与される、クラスター CEO の加藤直人氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

エイベックスとの具体的な協業内容については明らかになっていないが、加藤氏のデモデイでのピッチ内容や審査員とのやりとりを参考に推測すると、エイベックスはこれまでにも所属アーティストらを起用した有料のリアルイベントを全国で展開しており、このような興行をクラスターと VR で開催することを模索していく可能性が考えられる。また、エイベックス傘下のエイベックス・ピクチャーズは「ユーリ!!! on ICE」や「おそ松さん」などの有力優良 IP を保有しており、VR 分野での協業が見込める。

クラスター CEO の加藤直人氏によれば、cluster. ではユーザを一部限定した形で、VR 上で開催するイベントへの参加チケットを販売できる機能を実装済とのこと。また、cluster. はアジア文化やアニメ声優などとの相性が良く、その点においてもエイベックスとの協業に賭ける期待は大きいとした。

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