千葉功太郎氏が10億円のドローン投資ファンド「Drone Fund」の設立を発表ーースタートアップ11社へ投資

by SuzukiSekiko SuzukiSekiko on 2017.5.30

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ドローンを片手に登壇する Drone Fund代表の千葉功太郎氏

鎌倉インベストメントおよび千葉功太郎氏は5月30日、都内で開かれた記者会見でドローンスタートアップ特化型の投資ファンド「Drone Fund」を発表した。ファンドの設立日は6月1日でファンド規模は10億円。

ボードメンバーは千葉功太郎氏をはじめとしたドローン専門家のアドバイザリを含めた6名。(ボードメンバーは次のとおり:ORSOの坂本義親氏、Microsoftの西脇資哲氏、クリエイティブホープの大前創希氏、アスラテックの今井大介氏、慶應義塾大学メディア研究学科特任講師 の高橋伸太郎氏、尾原和啓氏)

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設立時での出資予定はDrone Japan、CLUE、DRINE DEPARTMENT、iROBOTICS、Dron ë motion、AERIAL LAB、ORONE IPLAB、yodayoda.Inc、KAMOMEYA、FPV Robotics Inc.、AERONEXTのドローンスタートアップ11社。

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ファンド設立の背景として、Drone Fundの千葉功太郎氏は以下のように語る。

「今後、ドローン前提社会がやってくると考えています。しかしそれにはリスクマネーの投資、インターネット的経営手法、良いテクノロジーの連携・プロデュースが必要です。今回のファンド設立でこれらをクリアし、日本のドローン技術・サービスを世界に発信したいと考えています」(千葉氏)。

同ファンドはドローンスタートアップへの投資の他、慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムと提携し研究を進める取り組み、スタートアップ支援コミュニティ千葉道場のドローン版を開催していく。

またメンバー全員が博士号を持つ研究集団「リバネス」と業務提携して大学研究された開発技術や町工場3500社のネットワークを活用する。すでに同社とは1乗り有人ホバーバイク(空飛ぶ自転車のイメージ)を研究開発するプロジェクトが実行されている。

研究によって開発されたドローンに関する技術は、今回の記者会見内で投資・設立が発表された知財管理機関「Drone IP Lab」と連携して特許取得もすすめる方針だ。

千葉氏によると同ファンドはいわば「日本ドローン株式会社」を設立するような気持ちと表現していた。

「コア・テクノロジーの開発、サービスの提供、ソフト・アプリケーション、ハード機体の4つの全てのレイヤーにバランスよく出資し、ひとつの大きな会社を作るイメージでいます」(千葉氏)

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同氏の説明ではドローン市場は2022年までに約1400億円にのぼり、900%の成長が見込まれているが日本ではまだまだ追いついていない。同ファンドはこれらの市場背景を受けて、ドローンスタートアップとハード・ソフトの両面から連携し、国内の事業会社との提携を促進していくことで世界で戦えるドローンスタートアップ企業の増加を目指す。

なお、出資先11社の情報は下記のとおり。

  • 地域創生空撮パッケージ提供 Dron ë motion
  • 24時間飛行ドローンを使った大規模システムインテグレートター iRobotics
  • お米に特化した農業リモートセンシング Drone Japan
  • ドローン特化型人材の派遣および紹介事業 ドローンデパートメント
  • 遠隔制御Iotデバイス&クラウド CLUE
  • 1人乗り有人ホバーバイク開発 エアリアルラボ
  • 離島向け陸海空ドローン・総合管制システム開発 かもめや
  • 国内ドローンレース運営 Drone Impact Challenge
  • ドローン専門特許共同出願企業 DRONE IP LAB
  • 非GPS環境での自己位置推定システム開発 Yodayoda

その中から筆者が気になった3社の情報をまとめる。

お米に特化した農業リモートセンシングDrone Japan

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水質管理を担う開発中ドローン「アイガモ」

お米に特化した農業リモートセンシングを開発するDrone Japan。ドローンを使ってお米を生産するドローン米プロジェクトを推進している。

同社は農業分野におけるIT化を目指しており、農業の生産からプロモーションまでをドローンを用いて実施する仕組みを作り出す。農業の現場で見える化してこなかった、水質管理や稲穂の生育状態をドローンによる情報収集でデータ化して、肥料散布などの作業を実施。さらにお米ができるまでや生産者の顔をドローン撮影し、パッケージQRに記載するなどPR部分にも取り組む。

同社代表取締役社長の勝俣喜一郎氏は、ドローンを切り口として農業で海外に日本のお米を届けることを目指す。

1人乗り有人ホバーバイク開発のエアリアルラボ

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1人乗り有人ホバーバイクのプロトタイプ疾風(しっぷう)

空飛ぶバイクを開発するエアリアルラボ。会場には実際にプロトタイプがお目見えしていた。

公開されている疾風のスペックは全長4.3mの幅が1.5m、高さは1mで乾燥重量が55kgだ。搭載重量は最大100kg。ファンにより宙に浮く仕組みで動力は2ストロークガソリンエンジン。

開発中のプロジェクトで一般販売時期や価格は未定だが、製品化すれば人がバイクで空を飛ぶことが出来る未来も近いかもしれない。

離島向け陸海空ドローン・総合管制システム開発 かもめや

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香川県高松市のドローンスタートアップ、かもめや。離島向けのドローンによる配送システムを開発している。

同社は物資の獲得に手間のかかる離島に対して、ドローンによる運搬サービスの提供を目指している。無人輸送船、無人航空機、無人輸送車による運搬を総合制御システムKAZAMIDORIにより統制し、荷物の運搬を実現する。同社に聞いたところ、現状ではみかん箱1つほどの荷物の運搬が可能な想定ということだった。

2017年春実証実験の段階で、将来的には遠隔診療と組み合わせた離島への薬の配達などを視野にいれて開発を進めている。

会見内で千葉氏は「農業や検査、測量の分野で市場発展が見込まれる」と語っていた。Drone fundの設立により、ドローンスタートアップが今後どのようなサービスを提供し、市場に影響を及ぼしていくのか期待したい。

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