医療VRのHoloEyes、シリーズAラウンドでニッセイ・キャピタルから1.5億円を調達

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HoloEyes VR
Image credit: HoloEyes

医師向けの手術シミュレーションコンテンツなど、医療分野に特化した VR 事業を展開するスタートアップ HoloEyes(ホロアイズ)は28日、シリーズ A ラウンドでニッセイ・キャピタルから1億5,000万円を調達したと発表した。HoloEyes にとって、これは先ごろ Tokyo VR Startups(TVS)第2期アクセラレーションプログラムに採択された際、シードラウンドで TVS から1,000万円を調達したのに続くものだ。

HoloEyes は2016年10月、アプリ開発者の谷口直嗣氏(CEO 兼 CTO)、外科医で複数の大学で客員教授や准教授を務める杉本真樹氏(取締役 兼 COO)、AllAbout のプロデューサーや APPLIYA の COO などを務めた新城健一氏(取締役兼 CSO)らにより設立。2016年12月に実施された TECH LAB PAAK 第6期デモデイで TECH LAB PAAK 賞、2017年1月に Beyond Next Ventures が開催したアクセラレーションプラグラム「BRAVE」第1期デモデイで Amazon AWS 賞を受賞している。

左から:杉本真樹氏(取締役 兼 COO)、谷口直嗣氏(CEO 兼 CTO)、新城健一氏(取締役兼 CSO)

CT、MRI、X線写真などの医療診断画像は、一般的に2次元で表現されていることが多い。しかし、医師はそれらの画像をもとに頭の中で3次元の画像を組み立て、立体視した情報に基づいて診断をしたり、手術を行ったりしている。HoloEyes では、さまざまな症例を3次元の画像で提供することにより、医師や医療従事者がより直感的に理解できると考え、医療用の VR コンテンツソリューション「HoloEyes VR」を開発した。現在は、患者ごとのCTデータをポリゴンに変換し、VR 機器を通じて、3D 空間の中で自在に閲覧することができるクラウドサービスを提供している。

CT スキャンされたデータを集め 3D の人体モデルを作り、それを集積することで医療 VR データベースができあがる。例えば、「60代男性前立腺がん」というキーワードで検索すると、それにマッチした症例の 3D イメージを取り出すことができ、医師が類似症例の診断の参考にしたり、外科手術をする際のトレーニングに使ったりすることができるだろう。想定されるユースケースは、手術前のカンファレンス(手術計画)、医療スタッフ間での手術計画の共有、若手医師や学生などへの教育、患者への説明など。病院には VR ビューアーを提供し、患者の同意を得て集めたデータを、医科系大学や製薬会社などに販売するビジネスモデルを想定している。

HoloEyes では今回調達した資金を使って、今回の増資により、HoloEyes VR のシステムや事業基盤の構築、人員の拡充を行っていくとしている。

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