Orange Fab Asia Spring 2017 Seasonのデモデイが開催——聴衆賞に輝いた保険選択支援の「PolicyPal」は、パリVivaTechへの参加権を獲得

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.6.14

Orange Fab Asia は、フランスのテレコム大手 Orange がアジア地域で展開するスタートアップ・アクセラレータである。5月30日、東京都内で Orange Fab Asia の Spring 2017 Season(Tokyo: Season 7, Taipei/Seoul: Season 6)のデモデイが開催され、東京・台北・ソウル・シンガポールからスタートアップ21社が参加した。

オーディエンス投票の結果、シンガポールから参加した PolicyPal が晴れて優勝の座を勝ち取った。PolicyPal には、15日からパリ市内で開催されるスタートアップ・テックカンファレンス VivaTech への参加権、往復航空券、宿泊券が進呈された。

(なお、THE BRIDGE では、Viva Tech からの現地レポートをお届けする予定)

本稿では優勝チームに加え、デモデイ会場で人気の高かったスタートアップをいくつか見てみたい。

【優勝】PolicyPal(シンガポール)

5月5日に開催された、Orange Fab Asia シンガポール予選から。

PolicyPal は、AI チャットボットとのやりとりにより、ユーザに最適な保険の組み合わせを教えてくれるサービスだ。ユーザの保険ポリシーに沿って最適な保険がレコメンドされ、必要なときに必要なプロテクションを入手することができる。2016年の Startupbootcamp Fintech に参加

DoubleMe(ソウル)

DoubleMe は、動画配信できる MR ホログラフィーを開発している。2D カメラを複数使って撮影合成することで像を完成する。この MR ホログラフィーを作成可能なスタジオが DoubleMe は現在ロンドンとソウルに設置しており、7月には東京にもオープンする予定だ。Spark Lab 第5期に参加

Hatapro(東京)

Hatapro は、Zukku というモバイル AI ロボットを開発している。今回、Orange Fab Asia に参加したことがきっかけとなり、台湾のスタートアップ Touch Panel および Soundnet と技術連携。Zukku が店頭に置かれた状態で顧客が話しかけると、顧客がモバイルでクーポンを受け取る UX を開発した。

XRVIsion(シンガポール)

XRVision は、IoT スマートロックの「OWL」を開発。政府や企業向けの製品で、SaaS の管理画面を通じて、ネットワーク越しにスマートロックを集中管理・施錠・解錠できる。バッテリーで3ヶ月〜1年使える製品に加え、太陽電池を備え半永久的に稼働し続けるバージョンも開発している。

Brain Rhythm(台北)

Brain Rhythm は、偏頭痛をモニタリングし、痛みを和らげる作用を提供する IoT ソリューションを開発している。ヘッドセット「EAURA」を使って毎日5分間脳波を測定し、それをもとに人工知能で偏頭痛の発生を予測。適切な対応策を提案する。偏頭痛関連のソリューションは他にも存在するが、予測をし痛みの軽減も提供できるという点でユニーク。

primesap(東京)

primesap が開発する「LiveTrac」は、IoT、ビッグデータ、AI を使って、スポーツ医療に役立つしくみを提供。例えば、ピッチャーはピッチングのモーションを計測するセンサーを身につけることにより、ケガのリスクの観点から、どんなピッチングが良いか悪いかをデータをもとにピッチャーに理解を促し、ケガの予防につなげる。アスリートのみならず、高齢者の日常生活の動作のモニタリングにより、ケガのリスクを下げる試みも行われている。

analogue plus(ソウル)

analogue plus は、ヘルメットに装着可能なデバイス「Ahead」を開発。Ahead は音声や通知を振動を通じてヘルメット内に伝え、自転車やバイクに走行中のヘルメット着用者は、走行したまま電話に応答したり、通知を知ったりすることができる。現在、Kickstarter キャンペーンを展開中。

Mofily(台湾)

Mofily は、360度撮影可能な VR カメラ「Yocam」を開発している。どこにでも装着でき、水深30フィートまでの水圧に耐え、チリやホコリの多い場所での利用にも耐えることができる。

Singularity Infinity(台北)

Singularity Infinity は、人工知能を使って〝待たなくても済むアプリ〟「NoQ」を開発している。利用シーンとしては、テーマパークや遊園地などだ。アトラクション毎に時間帯別の待ち時間をアプリに学習させると、どの順でどの時間帯にどのアトラクションに並べば待ち時間を最小化できるか提案を受けることができる。

TransBox(ソウル)

TransferBox は情報漏洩防止ソリューションを提供。暗号化コードをつけてデータを送付し、権限のあるものだけが複合化してデータ内容を閲覧できる。最も特徴的なのは、一度相手に届けて閲覧させたデータを、後から送信側の操作により閲覧できなくできる点だ。通常の暗号化だけでは防げない情報漏洩の防止を目標に掲げている。

2MEU(ソウル)

2MEU は、外国語の発音や会話スキルを向上させるためのアプリ「2DUB」を開発している。映画やドラマのセリフのシーンを繰り返し再生し、それに自分の音声をかぶせることで、よりネイティブに近い感情豊かな会話の習得を支援する。

L Fin(ソウル)

L Fin は、位置情報を活用し、SMS や E メールを使った二段階認証の煩わしさを無くし、よりセキュアな認証システムを提供する。このシステムでは、携帯電話の基地局から発せられるコードを元にパスワードを生成する。このコードは基地局によって固有であるため、パスワードを受け取ったWebサービスやアプリ側では、位置情報と照合し、ユーザが本当にその場所にいるかどうかをチェックする。カーレンタル、送金サービスなど、場所に依存するサービスの認証プロセスに有効。


なお、本デモデイの終了とともに、次期バッチとなる Fall 2017 Season の応募受付が開始された。募集は8月中旬に締め切られ、9月上旬からプログラムが開始される予定だ。

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