ニュースアプリToutiao(今日頭条)の好調とポータルサイトBaidu(百度)の不調の裏にある、中国のマーケティングトレンドの変化

by TechNode TechNode on 2017.6.26

今年、中国におけるデジタル広告市場の規模は500億米ドル以上に達し、中国テクノロジー巨大企業 Baidu(百度)はこの市場拡大により最も利益を得ることになりそうだ。しかし、中国メディアの QDaily(好奇心日報)の分析によると、Baidu は今後、中国ニュースアグリゲータアプリの Toutiao(今日頭条)などの新たなライバルにその地位を奪われる可能性があるという。

この主張は Toutiao の驚異的な収益の伸びによって裏付けられている。2014年に3億人民元(約48.8億円)だった同社の収益は2015年には15億人民元(約244.1億円)に達した。さらに、昨年にはインフィード広告から60億人民元(約976.4億円)の収益をあげており、設立者兼 CEO の Zhang Yiming(張一鳴)氏は今年の目標を150億人民元(約2,440.9億円)に設定している。

この成長速度は、2011年の PC 黄金時代に Baidu が145億人民元(約2,359.5億円)の利益をあげ、真のインターネット巨大企業としての地位を確立した時のものと似ている。ところが昨年、Baidu が広告から得た収益は前年比でわずか0.8%増となる645億人民元(約1.05兆円)にとどまった。2016年第3四半期には広告事業の収益は6.7%減となった。

変わる広告主

Baidu の収益減少と Toutiao の成功の裏では、デジタル広告市場における構造変化が起こっている。特に、Toutiao の最も得意とするインフィード広告の拡大が顕著だ。Toutiao は人工知能を利用して、ニュースコンテンツと広告をユーザごとにパーソナライズ化している。

Mary Meeker の「2017年インターネットトレンドレポート」から

しかし、Baidu の収益が減少している要因は広告形態の変化だけではなく、広告主自体の変化にもある。デジタルマーケティングに積極的にお金を使う広告主のタイプがこれまでと変わっているのだ。 InMobi Greater China の VP であるWang Wenqi 氏は、まさにパフォーマンスベースの広告からブランド広告への移行が起きている、と説明する。

Baiduは、中小企業、特に検索広告を通じて広告を行う医療業界を主な収入源としている。昨年4月、ある若い癌患者がBaiduの検索エンジンで広告を出している施設で治療を受け、その後死亡したことが判明した。このスキャンダルにより、Baidu の広告モデルは大きな打撃を受け、2016年第2四半期の利益は前年比で34.1%減少した。それを機に、中国政府は医療および健康商品の広告に規制を設けている。

一方 Toutiao は、モバイルマーケティングにさらに多くの資金を投入するようになっているビッグブランドとの提携を進めている。以前までは、デジタル広告の予算配分を行う上で、検索広告の確立されたモデルに優先的に予算があてられていた。なぜなら、検索広告が何かを購入しようという意思に基づいたものだったからである。しかし、ブランドは消費者の意思を知ることなく宣伝することで、自らの関心のあるテーマに集中することができ、それが注目を集めたりする。こうした場合、インフィード広告が効果的なのだ。インフィード広告では、ニュースフィードや WeChat などのソーシャルプラットフォームを通じて情報が広がることで、デジタルマーケティングにグローバルなトレンドが反映がされる。

2016年、多くのブランドを魅了したモバイルアプリ

コンテンツの競争

Zhang Luoyang 氏などのアナリストたちの見解では、Sequoia Capital がリードした最近のシリーズ D ラウンドを終えて Toutiao のバリュエーションが110億米ドルに達したことを考慮しても、Toutiao の地位はそれほど確固たるものではない、としている。Zhang 氏によると、6億人のユーザベースに対して60億人民元(約1.07兆円)の収益というのは、同社の利益率が非常に低いことを意味するという。Toutiao は、Baidu のような巨大企業に追いつくためにビジネスモデルをさらに発展させる必要がある。

Baidu もあきらめてはいない。2016年末には独自のインフィード広告をローンチし、現在はパーソナライズ化したニュースサービスの開発を行っている。また、他の中国テクノロジー巨大企業について言えば、 Alibaba(阿里巴巴)は UC Toutiao(UC頭条)を、Tencent(騰訊)は Kuaibao(快報)を率いてこの流れに乗り、独立系のコンテンツアグリゲーションアプリとしては、Yidian Zixun(一点資訊)などが参戦している。

Toutiao はこうした挑戦に対抗する手段として、メディアのアウトレットだけでなく、企業、組織、個人が自分のコンテンツを公開できるようにしている。これにより、Toutiao のモデルはTencent の WeChat に近づき、現在では Toutiao にとって WeChat が最大のライバルになっている。

WeChat の方は、「Take a Search」と「Take a Look」という最新の機能を導入し、Toutiao と Baidu の両方のビジネスモデルに食い込んでいる。Take a Search は Toutiao と同様に、ユーザの好みに合わせてコンテンツをキュレーションしオススメする機能で、Take a Look は検索エンジンだ。この新機能の開発により、WeChat は両方のタイプの広告形態から利益を得ることが可能となる

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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