P2P融資は100兆円規模予測ーーレンディングサービスが期待される3つの理由

by クラウドポート 編集部 クラウドポート 編集部 on 2017.7.31

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フィンテックといえば、消費者にとって身近なキャッシュレス化や仮想通貨(ブロックチェーン技術)に注目が集まりやすいが、その先にはレンディングという大きな市場が待ち受けている。私たちがそう考える理由を三つ挙げたい。

P2P融資サービスは今後10年間で100兆円の融資をする

2015年にファウンデーションキャピタルが発表した白書では、今後10年間でP2P融資サービスは1兆ドル(約100兆円)の融資をするようになるだろうと予測している。

キャッシュレス化を促進する様々な決済・送金サービスや、仮想通貨・ブロックチェーン台帳、クラウド会計ソフトなどはそれ自体が便利なサービスだが、その副次的な影響はさらに大きい。こういったフィンテックサービスが普及することにより、さらに多くのデータが、よりリアルタイムに集積され、新たな金融サービスが作り出されることにつながる。

信用情報が充実している米国でさえ、進化が起こった

米国ではクレジットカードの与信データ「クレジットスコア」が市民生活にとっても非常に重要という話を聞いたことがあるかもしれない。クレジットスコアが低ければ車のローンはおろか、大学進学(米国では学資ローンを使うことが多い)さえ諦めなければいけないかもしれない。米国に行けば「クレジットカルマ」など自分のクレジットスコアを見ることができるサービスが多数のコマーシャルを放映しているのに気づくだろう。

米国では、FICOという信用情報機関(クレジットビューロ)に米国人ひとりひとりのクレジットカード利用情報を含む信用情報が蓄積されており、これがクレジットスコアの算出根拠になっている。

イメージ:クレジットカルマでその人の与信は可視化される

しかし、そこまで信用情報機関が発達している米国でさえ、クレジットカード会社が見誤っていた借り手のリスクをより正確に算出することで、レンディングクラブを始めとするP2P融資サービスが発達することにつながった。そしてレンディングクラブはいま数十億ドル(数千億円)規模の企業価値になっている。

ビッグデータやこれまで信用情報機関が扱っていなかった他のデータを利用することで、あるいは、オンラインという新たなチャネルを活用することで、あまたの新興プレーヤーが参入し成功している。日本について考えると、まず日本には米国ほど発達した信用情報機関は存在しない。

また、日本でその機能を担うJICCやCICといった機関は、主にネガティブな情報を中心に収集蓄積しており、「ブラックリスト」としての信用情報を提供している。金融サービスを提供すべきでない顧客については教えてくれるが、肝心の「金融サービスを提供すべき優良顧客」の情報は断片化してしまっている。また、法人向けの融資はさらに審査となるデータが複雑であるため、取引データはあまり活用されてこなかった。

つまり、信用情報にはまだまだ大きなチャンスが眠っている、ということなのだ。

フィンテックによって「貸せる理由」が広がる

変革の動きは、日本でも本格化しつつある。たとえば、クラウド会計ソフトを提供するマネーフォワードは2017年より、同社が提供する会計ソフトに入力されたデータをもとに融資審査を簡便化する「MFクラウドファイナンス」を開始した。

こうした新しいレンディングのあり方は、今年5月に経済産業省が発表した「FinTechビジョン」の資料においては、「『貸せる理由』が広がる」と表現されている。これまで、保証や担保といった画一的な審査では融資することができなかった主体の中にも、優良は借り手は少なくない。また、日本における融資のメインエンジンである銀行は、バブル崩壊や金融危機後の不良債権処理の過程で審査が硬直的になり、魅力的であってもマニュアルや前例に無い事業に融資しにくくなった。

こういった主体に資金を提供することで、経済成長と、個人資産の効率的な運用という日本にとって重要な課題を解決することにもつながる。


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中小企業に対する新しい資金調達手段を提供するサービスを開発するエメラダ、機械学習を用いたオンライン完結型の中小企業向け融資サービス「LENDY」を運営するクレジットエンジン、カンボジア・スリランカ・ミャンマーの3カ国で4万人以上のお客様にマイクロクレジットを中心とした金融サービスを提供している五常&カンパニー、そしてソーシャルレンディング版の「ブルームバーグ」を目指すクラウドポートが登壇予定です。この成長分野に興味ある方はこちらからお申し込みください。

カバーイメージ:Photo via Visual Hunt Under license: CC0 1.0 Universal (CC0 1.0) Public Domain Dedication

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