フードテック・スタートアップのコンプ、味覚糖とグミタイプの「完全食」を共同開発・販売開始

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.7.11

<11日17時更新>

  • 1グラムあたりの栄養価を 4.2kcal から 3.8kcal に修正。
  • コンプの理念について、「食事と睡眠」を「食事と運動と休眠」に修正。
  • 典型的な「サプリメント」は、食事からの栄養不足を補助するものであるのに対し、本プロダクトは食事として単体でも完結できることから、「サプリメント」という表現を削除。代えて、Soylent などの形容にも使われる meal replacement の日本語対訳として「完全食」の表現を使用した。

日本にもいくつかフードテックが生まれているが、その多くは、食料の生産性や安全性を高めるものだったり、食料の流通を効率化するものだったり、食料そのものというよりは、周辺問題の解決に訴求しているような気がする。一方、今回紹介するこのスタートアップは、フードテックど真ん中と言えるくらい、エッジの利いたビジネスを展開していると言えるのはないだろうか。

東京・神田に本拠を置くコンプは、「完全食(meal replacement)」を開発しているフードテック・スタートアップだ。一般的に、人間は食べ物一品目だけで必要な栄養素を網羅することは難しい。核家族化・一人暮らし・外食や中食が進む中で、多品目の料理をバランスよく摂取するのは一苦労だ。完全食とは、6大栄養素や必須アミノ酸9種類が、完全なバランスで配合された栄養補助食品の呼称で、管理栄養士の教科書とも言われる、厚生労働省の「食事摂取基準」に準拠している。

コンプが完全食の商品を作り始めたのは、同社の CEO である鈴木優太氏自身の体験がきっかけだ。仕事や趣味に没頭するあまり食生活が乱れ、体調を崩しがちだった鈴木氏は、完全食を日常に取り入れることを思い立った。海外では以前から Soylent などの完全食が販売されているものの、これらは個人輸入するには嵩張って送料が高くついたり、ユーザの多くを占める欧米人の身体に最適化されていたりするなど、日本での入手には何かと困難がつきまとう。商品によっては、日本国内で使用が禁止されている添加物が入っているケースもあり、大々的な並行輸入ビジネスを展開するのも難しい。そんな背景から、鈴木氏は自ら完全食の開発に乗り出すことになる。

コンプが開発した粉末状の完全食「COMP パウダー」は、2016年4月に販売を開始。寝食を惜しんで、何かに集中したい人たち——具体的には、一人暮らしのエンジニア、クリエイター、ゲーマー、アカデミアの男性から支持を得ており、サブスクリプションベースで商品を購入する会員は、この1年半で1万人程度に達しているのだそうだ。大々的な広告などは行っておらず、新規顧客のほとんどは、口コミやソーシャルメディアを通じたオーガニック流入なのだとか。

コンプは菓子製造大手の味覚糖と提携しグミタイプの完全食「COMP グミ」を共同開発、今日11日からコンプのウェブサイト上で販売を開始した。1パック53グラムで250円、ウェブサイト上では試供セットとして3パック500円、または、20パック5,000円で購入できる。1グラムあたりの栄養価は 3.8kcal なので、3パックの摂取で牛丼ほぼ1杯分のカロリーに相当。COMP パウダーではユーザの多くが男性だったが、味覚糖は「忍者めし」シリーズなど女性に人気のあるグミ商品を多数出していることから、コンプでは味覚糖との提携を通じ、女性客の幅広な獲得につなげたい考えだ。

完全食を標榜するフードテック・スタートアップは、日本国内にも「完全栄養生パスタ」を開発するベースフードなどが存在する(Wired 参考記事)。このバーティカルでは COMP にとっての競合が増える傾向にあるが、「健康を育てるためには、食事と運動と休眠が最も重要」という理念をもとに、ブランドの確立とテクノロジーの創出で一歩先を進んでいきたいと、鈴木氏は抱負を語ってくれた。

コンプは昨年、KIRIN ACCELERTOR 2016 に採択されている。

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