スマートアパレルの「e-skin」、個人ユーザ向けに8月からKickstarterでクラウドファンディング開始へ——アプリの他、開発者向けにSDKも提供

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記者会見で登壇する、Xenoma CEO の網盛一郎氏

スマートアパレル「e-skin」を開発する Xenoma(ゼノマ)は19日、東京都内で記者会見し個人ユーザ向けの販売を開始すると発表した。e-skin はこれまでヘルスケアやスポーツトレーニング業界の法人ユーザ向けをターゲットに約1,000ドルで販売してきたが、量産体制の確立などにより、個人ユーザ向けに廉価でプロダクトを提供できるようになったとのこと。日本時間の8月2日午前1時から Kickstarter でクラウドファンディングが開始され、販売価格は479ドル(先着100セット)を予定している。

Xenoma は2015年、東京大学染谷研究室JST ERATO 染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクトからスピンオフして設立された。2016年4月には、Beyond Next VenturesJST SUCCESS 事業(出資型新事業創出支援プログラム)から1.8億円を調達、また、NEDO の研究開発型ベンチャー支援事業(STS 事業)にも採択された。

e-skin は14個の伸縮センサーを有する服 e-skin Shirt に、「e-skin Hub」と呼ばれるコントローラを装着して使用する。伸縮センサーを直接衣服に埋め込んでいるため、軽量で正確な動きを捕捉できるのが特徴だ。コントローラには6軸の加速度センサーが備わっており、別途 3D スキャナモーションキャプチャや Lighthouse などを用意しなくても身体の全体的な動きの捕捉できる。

今回、Xenoma では e-skin を使うためのアプリも開発。会見では、e-skin を HoloLens と組み合わせて使う事例が紹介された。当初は VR 体験を多分に含んだアプリを開発していたが、e-skin を使った身体を動かす体験が想定以上にハードな動きだったということで、VR からエクササイズの要素をより多く含んだアプリに軌道修正したとのこと。クラウドファンディングが成立すると、ユーザは e-skin Shirt、e-skin Hub を入手できるほか、3つあるアプリの中から好きなもの一つをダウンロードできる。

ユーザはこのアプリを使って e-skin を楽しめるほか、Xenoma からは SDK も提供されるため、独自のユーザ体験を自ら開発することもできる。対応プラットフォームは、これまでの Winodws 10、Android、.NET C#、Unity に加え、新たに Mac OS X、iOS 10、Java、UNREAL ENGINE といった環境でも利用可能にする。デベロッパの利便性を考慮し、ディープラーニングライブラリ「TensorFlow」に流し込める形でパッケージを提供するとのことだ。

同社では、8月1日〜3日、ラスベガスで開催されるインタラクティブ系カンファレンス「SIGGRAPH」に出展する予定で、アメリカや世界市場からの、当初は特にアーリーアダプターからの関心を集めたいとしている。

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