中国のコワーキングスペース大手naked Hub(裸心社)がシンガポール同業のJustCoと合併、アジアでの競争力を高めWeWorkに対抗へ

by TechNode TechNode on 2017.7.29

香港初のロケーションとなった naked Hub は香港独特の細長いビルに入り、視線を集めるような壁の落書きで目立った存在だ。
Image credit: naked Hub

中国におけるコワーキングスペース業界では大手の運営企業による合併や提携が相次ぎ、活況の同業界は成熟期を迎えようとしている。4月には、中国コワーキングのユニコーン企業 URWork(優客工場)とそのライバル企業 New Space(洪泰創新空間)が戦略的合併を行った。それからわずか数ヶ月後となる昨日、上海に本社を置くnaked Hub(裸心社)は香港で同社初となるスペースをオープンさせ、その際にシンガポールの JustCo と合併することを発表した。

両社のスポークスパーソンによると、この合併によって誕生する企業は、運営するスペースの数と延べ床面積においてアジア最大となり、米国に本社を置くコワーキングユニコーン企業 WeWork のアジアにおける最大のライバルとなる見込み。現在は合併の詳細を詰めているところのようだ。

コワーキングは世界的な広がりをみせている。Statista によると、2010年には世界でわずか600しかなかったコワーキングスペースの数は、2016年には1万1,300まで増加している。

2005年から2017年までの、世界のコーワキングスペース数推移
出典:Statista 2017

中国のコワーキング市場はここ2年で急速に拡大し始めている。中国不動産大手 Vanke(万科)の元幹部が設立した URWork は、2015年4月にローンチしてから現在までに6回のラウンドで総額12億人民元(1億7,500万米ドル)を調 達している。2016年には WeWork が本格的に中国へと参入し、同国での拡大を推進するために4億3,000万米ドルの資金調達を行った。また、地方政府は起業家精神とイノベーションを促進する国家計画の一環として、スタートアップに対して賃料を補助する政策を中国全土で行っている。

naked Hub Hong Kongでジェネラルマネージャーを務める Deborah Negrash 氏は、同社はどのようにしてWeWorkとの差別化を図っているのかという質問に対し、「私たちはローカリゼーションに重点を置いています」と答えた。

naked Hub が初めて香港でオープンしたスペースは上環(ションワン)の中心部にあり、ビルが密集した大都市でよく見かける細長い「鉛筆形」をした16階建てのビルで、800以上のデスクを設けることができる。オープンオフィスやホットデスクはもちろん、上環のハブでは、その土地のニーズやセンスに合わせて専用オフィスや香港の茶室のような待合室があり、窓が二重ガラスになっていたりネオンライトがついていたりする。naked Hub を運営するライフスタイル/ホスピタリティ企業、naked Group の設立者である Grant Horsfield 氏は次のように語っている。

私たちは、かつての上環のネオンを取り戻しそうとしているのです。

中国におけるコワーキングスペース企業のほとんどが、アーリーステージの(多くの場合、資金繰りに苦しんでいる)スタートアップをターゲットにしているのに対し、naked Hub は中小企業や多国籍企業といった伝統的な企業をターゲットにしている。同社の 「プレミアム・フレキシブル・ワークスペース(premium flexible workspace)」の一人あたり平均賃料は月額3,000人民元を超えることもある。同社によると、香港初のスペースの稼働率は現在90%以上だそうだ。

現在、伝統的なビジネスが柔軟な労働環境に移行しつつあり、naked Hub はそうした文化的な変化の波に乗っている。昨年には、HSBC が香港で WeWork の300以上のホットデスクを契約した。Negrash 氏は、プレミアムコワーキングスペースが提供するビールやジム、ヨガルームなどの付加価値サービスの例を挙げた。

私たちは、伝統的な企業のコスト削減と、その従業員が幸せでいられるような支援を行っています。

8人のチームであれば、伝統的なオフィスから naked Hub に移動することで最大33%のコスト削減が可能だという。同社のスペースを利用する中国の中小企業の中には、1億以上の月間ユニークユーザ数を誇るソーシャルネットワーク企業 Douban(豆瓣)や GoPro などの有名企業も含まれている。

香港 Sheung Wan(上環)の naked Hub では、企業のニーズにあわせてプライベート空間を移動できる。
Image credit: naked Hub

2015年設立の naked Hub は現在、上海、北京、香港、ベトナムで21のハブを運営している。JustCo が持つシンガポール、バンコク、クアラルンプール、ジャカルタのハブをそこに加えることで、naked Hub の新たなネットワークは6ヶ国41ヶ所で延べ床面積は14万平方メートルとなり、2020年までにアジアにおけるハブの数は200近くまで増加する見込み。同社は2016年に香港の Gaw Capital(基匯資本)がリードする3,300万米ドルのシリーズ B ラウンドを完了させており、今後、早くて2017年8月にも2億米ドルのシリーズ C ラウンドを予定している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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