テレパシーで人の心を読む?科学者たちが人工知能とあるものを使った実験内容を公開

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Photo credit: Yahoo Inc via Visualhunt / CC BY

<ピックアップ> Scientists are now using Wi-Fi to read human emotions

サイエンスフィクション好きとしては激しく妄想を掻き立てられる、テレパシーで人の心を読む人工知能の話題です。

MIT(マサチューセッツ工科大学)のコンピュータサイエンスおよび人工知能研究所(CSAIL)の研究グループが実験しているのは、ある空間にいる人たちの感情をワイヤレスで解析するという内容なのですが、こちらの記事が噛み砕いて紹介してくれてたのでひとつ。

ポイントは2つで、まずどうやってワイヤレスで人の状況を読み取るのか、そしてもう一つがどうやってそれを解析するのか、です。

前者について実験者たちは、Wifiルーターを使って人に対してRF(無線周波数)信号を当てることで胸の動きからざっくりと人の呼吸と心拍数を割り出し、人工知能で心拍数のみを抽出するアルゴリズムを組んだそうです。

この辺りの技術的な詳細はこちらの公表内容(PDF)をご覧いただくとして、記事によるとデータを取ることそのものはいわゆる家庭用のルーターと同様の技術で実現できちゃうみたいですね。(心拍の割り出しはアルゴリズムが必要)

そしてその割り出した心拍数から感情を分析するところまでやってます。

注目すべき部分は科学者がEQラジオと呼んでいる機械学習です。AIが受け取る情報は標準のEKG(心電図)とは異なる方法で処理する必要があります。というのも、人が機械に物理的に接続されていれば、コンピューターは受信する波長の大きさと形状からその状況を予想することができるのですが、これがない場合、EQラジオはその心拍についての仮定立てることができないわけです。あなたの位置、部屋の大きさ、そして他の多くの要因が心臓の動きに影響する可能性があるんですね。そこでこのAIはそこで何が起こっているのかを把握して感情に正確なコンテキストを提供できるよう、その心拍についての判断を下すというものなのです。(原文より抄訳)

なんか分かったような分からないような。でもこれが本当に実現したら、いやはや恐ろしいです。

顔認識の精度はもうFacebookでおおよその人は理解されてるでしょうから、近所をるんるん気分でスキップしてた、なんていうデータは原理的には取れてしまうのかもしれません。もちろん、空間での個々の情報は指向性などもあるのでまだハードルは高いのかもしれませんが、悪いことしてる場合はうかうかと電波の届く場所には行けませんね。

GoogleやFacebook、Amazonがまだ取れていないデータというのは次のトレンドを考える上で大変重要なポイントと言われています。感情がもしこういう方法で取得できるのであれば、プライバシー云々は別としてその可能性は高そうです。

via The Next Web

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