世界最大のスタートアップ・キャンパス「STATION F」がパリにオープン、マクロン大統領や世界から集まった起業家1,500人が開館を祝う

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Image credit: Station F/La FrenchTech

予定が遅れること3ヶ月、待ちに待ったスタートアップ施設がついに完成した。6月29日、パリ市内に完成した世界最大のスタートアップ・キャンパス「Station F」がオープンし、マクロン大統領や世界中から1,500名以上の起業家を招き、祝賀式典が開催された。このキャンパスは、世界的な富豪で投資家の Xavier Niel 氏が資産を投じる形で、セーヌ川沿いにある Halle Freyssinet 駅の跡地に建設された。Niel 氏は、フランスの MVNO である Free の創業者で、現在シリコンバレーやパリ市内で無料のコーディングスクール「42」を展開していることで知られている。

もともと駅舎だった歴史的なコンクリート建造物をリノベーションする形で建設され、当初は今年4月のオープンが予定されていたが、工事スケジュールの遅れから完成が6月末にまでずれ込んだ。筆者は2週間前 Station F を訪問したが、その際に工事中の現場を撮影することができた。内装工事や設備搬入はまだ終わっていないかったが、施設の全景はイメージしてもらうことができるだろう。

Station F のオープン祝賀式典で登壇するフランス大統領 Emmanuel Macron 氏
Image credit: Station F/La FrenchTech

訪問時に応対してくれた、Station F のコミュニケーションディレクター Rachel Vanier 氏の説明によれば、3つの建造物が連結された Station F の奥行き長さは、ちょうどエッフェル塔を横に倒したのと同じ程度ということだった(ちなみに、エッフェル塔は高さ300メートル)。最寄り駅はパリ市営地下鉄の Bibliothèque で、フランス国立図書館からも程近い。筆者が訪問したときに周辺を散策してみたところ、スマートフォンで École と SSID 名のついた WiFi をそこらじゅうで拾えたので、どうやら文教エリアのど真ん中のようだ。

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Xavier Niel 氏(パリの 42 で、2017年6月16日撮影)
Image credit: Masaru Ikeda

Station F には、Facebook や Microsoft など有名テック企業のアクセラレーション部門が入居し、合計26のアクセラレーションプログラムが展開される予定だ。特に Facebook は、Facebook の人工知能研究部門である FAIR(Facebook AI Research)がパリに拠点を置いてこともあり、この分野のスタートアップへの支援に注力することが期待される。施設内には24時間365日利用可能なレストランやシャワールームが用意されているほか、来年には Station F から10分ほどのエリアに600人が生活できる居住棟が3つオープンする予定で、文字通り「スタートアップの街」ができあがることになる。

Station F から程近いところに用意される居住棟(完成予想図)
Image credit: Station F/La FrenchTech

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