Telstra出資のアクセラレータmuru-D Singapore、スタートアップの資金調達を簡略化

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Image Credit: muru-D Singapore

Telstra が出資するアクセラレータ muru-D Singapore は、最新バッチのスタートアップ10社のために、「スタートアップフレンドリーな」資金調達システムを今年9月にローンチする予定だ。

この新たな資金調達手段は、SAFE(Simple Agreement for Future Equity、将来の株式に関する簡単な同意書)と呼ばれている。これは、転換社債のような同意書に基づいて企業に投資を提供する契約を結ぶもので、スタートアップがプログラム卒業後に初めて適格資金調達を行う際に、その時のバリュエーションに従って株式に転換される。

Geektime の記事によると、このプロセスにより、企業は「プライシングを行ったり、エクイティラウンドを完了させなくても、迅速かつ簡単に資金調達できる」ようになるという。

muru-D Singapore で客員起業家を務める Craig Dixon 氏は、公式プレス声明の中で次のように語っている。

大きな企業間の取引では複雑な条件や契約が期待されるかもしれませんが、スタートアップに関してはそうした複雑さは必ずしも必要ではありません。これらの新しい条件を導入したことで、muru-D の資金調達構造はグローバルなベストプラクティスと肩を並べることとなり、私たちのスタートアップは可能な限り最良の取引を行うことができ、さらに、持続可能なグローバルビジネスへと成長するための業務に集中して取り組むことができます。

同氏はさらにこう語る。

SAFE ノートを採用したことで、muru-D にはアーリーステージとレイターステージの両方のスタートアップが集まってくるでしょう。そして、今までのように私たちのプログラムは、彼らに大きな価値を付加することができると考えています。

また、6ヶ月間のアクセラレータプログラムの一環として、オーストラリアのアクセラレータである muru-D は6万シンガポールドル(4万3,450米ドル)のシード資金を参加スタートアップに提供している。

参加スタートアップには、この他にも6ヶ月間のビジネスサポート、シンガポールの主要ビジネスエリアにあるコワーキングスペースの利用、シリコンバレーへのガイド付きツアー旅行、Telstra の専門家による指導などが提供される。

現在までに、muru-D Singapore の第1、第2コホートから東南アジア出身のスタートアップが17社卒業している。

また、第2コホート出身のスタートアップ8社全体で1万2,000の新規顧客を獲得し、30万シンガポールドル(21万6,000米ドル)の収益をあげているという。

muru-D Singapore は興味を示すスタートアップや投資家に対して、プログラムに関する詳細な情報を提供するために東南アジア中をまわって説明会を開催していく予定。

【via e27】 @e27co

【原文】

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