Flipkart、9億5,000万米ドルでのSnapdeal買収は破談に

by Tech in Asia Tech in Asia on 2017.8.10

数ヶ月にわたる交渉の結果、インドのeコマース企業 Snapdeal のライバル企業 Flipkart への身売り話は決裂に終わったようだ。

Snapdeal は声明の中で次のように述べている。

ここ数ヶ月間、Snapdeal は戦略的選択肢を模索してきました。そしてこのたび、独立した道を進むことに決定しました。そのため、戦略的協議をすべて打ち切る予定です。

Snapdeal の最大投資家であるソフトバンクは今回の取引を推進してきたが、初期投資家や設立者たちはより高い売却利益を得るために厳しい交渉を行った。そして、Snapdeal の取締役会が9億米ドル~9億5,000万米ドルという Flipkart からのオファーを受け入れ、承認のためにその旨が株主に通知される予定とまで報じられていた。

その一方で、Snapdeal は先月(6月)、子会社である決済企業 FreeCharge を6,000万米ドルで Axis Bank に売却している。この売却金額は2015年に FreeCharge の買収に要した金額4億米ドルのわずか15%程度。しかし、全額キャッシュでの取引だったため Snapdeal にとってはさらなる選択肢を模索する余裕ができた。

Snapdeal の共同設立者兼 CEO の Kunal Bahl 氏は、自社では在庫を保有せずに買い手と売り手を結ぶことだけに特化した eBay のようなマーケットプレイスを目指すと語っている。

また、Snapdeal は次のように述べる。

我々にとって『Snapdeal 2.0』は新たな強い目標であり、今月の総利益を達成したことで、これの実行に向けて大きく前進することができました。さらに、特定の非中核資産の売却によって Snapdeal は財務的に自立可能な状態になる見込みです。

ソフトバンクに関しては、同社が長らく求めてきた Flipkart 〜 Snapdeal 間の取引を諦めたようだ。

私たちは、独立した戦略を追求するという今回の決定を尊重します。Snapdeal 2.0戦略の結果を期待したいと思います。

本日(原文掲載日:7月31日)リリースした声明の中で、ソフトバンクはそう語った。

油断大敵

Snapdeal 2.0 がどのような形となるかは今のところ不明だが、ここで、長年にわたり無在庫モデルをとってきた eBay がインド市場からの撤退を余儀なくされたことに触れておく必要がある。今年初め、Tencent(騰訊)がリードする14億米ドルの資金調達ラウンドの一環として、Flipkart が eBay のインド部門を買収した。

Amazon はこれまでにインドの e コマース市場に50億米ドルを投じており、スムーズな物流と優れたカスタマーエクスペリエンスを実現するためにインド中で次々と倉庫を設けている。その他にも資金力のある Flipkart やソフトバンク出資の Paytm といった e コマース企業が存在する。

こうした企業と張り合っていくために、Snapdeal 2.0 は魅力的なカスタマーエクスペリエンスを提供するものでなくてはならない。さもなければ、Snapdeal は二流プレイヤーとなってしまうだろう。

他の買収の選択肢も無視できない。昨年かなりの市場シェアを Amazon に奪われてからというもの、Snapdeal の道のりは紆余曲折の連続である。インドにある大規模なオフライン小売企業のいくつかは、オンラインプレゼンスが無いために、各eコマースサイトが持つようなトラクションとは程遠いところにいる。そうした企業がSnapdeal を買収する可能性もある。

Snapdeal の売却交渉中、ソフトバンクの広報担当者は Tech in Asia とのインタビューの中で「油断大敵ですからね」と冗談を言っていた。今後も気をつけていく必要がありそうだ。

これまでの流れ

  • 2010年2月、Kunal Bahl 氏とRohit Bansal 氏が、親会社 Jasper Infotech のもとで Snapdeal を設立。
  • 共同購入型クーポンサイトから始まった Snapdeal は、約30万のセラーと800の商品カテゴリを有し、インド国内6,000の都市に配達を行う本格的なeコマースマーケットプレイスに成長。
  • ソフトバンクや BlackRock、Temasek、Intel Capital、Bessemer Venture Partnersなどの主要投資家らが約18億米ドル出資。
  • 2015年4月、モバイルウォレット/トップアップサイトの FreeCharge を買収。当時のインドスタートアップシーンでは最高額の買収であった。
  • 2016年2月、Ontario Teachers’ Pension Plan などから2億米ドル調達し、バリュエーションがピークに達して65億米ドルとなったタイミングで、共同設立者らが株式の一部を売却。
  • Alibaba や Foxconn、ソフトバンクから5億米ドル調達してバリュエーションが50億米ドルとなってから株式売却までは1年足らずのことであった。

Snapdeal は Amazon や Flipkart と並び、インドでトップ3に入るeコマース企業であるが、あらゆる点でライバルたちを上回ることができず、Amazon と Flipkart が加速する中、同社の市場シェアは縮小している。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------