「中国のモデルをそのまま持ってきても流行らない」、ライブコマース元年の先駆者たちが語る各社戦略 #bdash2017夏

by SuzukiSekiko SuzukiSekiko on 2017.8.3

SMR_0015

本稿は招待制カンファレンスB Dash Camp 2017 Summer in Sapporoの取材の一部である。

6月にCandeeがLive shop!を公開した頃から、ライブコマースという言葉を日本でもよく耳にするようになった。

SNSで多くのフォロワーを持つ一般の女の子やインフルエンサーだけでなく、雑誌で活躍するモデルや芸能事務所に所属するタレントも出演者になっているところをみると、ライブコマースは日本のIT業界以外にも影響を及ぼすかもしれない。

実際に中国でもアリババの淘宝(タオバオ)がライブコマースで売り上げを伸ばしており、ファッションインフルエンサーとして数億ドルの売り上げをあげる出演者も登場している。同様に日本でも「ゆうこす」こと菅本裕子氏のようにライブコマースで人気のインフルエンサーも確立してきた。

そんなライブコマース領域について本日北海道で開催されている招待制カンファレンスB dash camp in Sapporoのセッションから内容をお届けする。

メルカリ執行役員の伊豫健夫氏、Candle代表取締役の金靖征氏、gumi代表取締役ならびにCandee取締役会長の國光宏尚氏が登壇し、モデレーターはB dash Venturesの渡辺洋行氏が務めた。

MimiTVはメディア事業の機能追加でブランド化を狙う

IMGP4719

公開当初はCandleが運営していた美容動画メディアのMimiTVも8月よりライブコマース領域への参入を発表した。MimiTVはメディア事業を発展させるための一機能としてライブコマースを考えている。既存メディア事業で獲得したユーザーやタレント、インフルエンサーとの繋がりを活かしたライブコマース戦略を実施していく方針だ。

「もともと動画を視聴してくれているユーザーのヒアリングでは安くて簡単に買えるものよりも単価が一定数あるものに対して興味があるようなので特徴と言えるかもしれない」(金氏)。

Live shop!はインタラクティブを向上し、新しい時代のテレビ局を目指す

IMGP4695

Candeeが6月に公開したLive shop!はCROOZが運営するSHOPLIST.com by CROOZや芸能事務所のアソビシステムとの業務提携を実施し、出演者や販売商品の流通網を拡大させている。初期から経験のあるメンバーを採用している組織づくりが特徴で現状の組織は130人体制だ。そのうち86名は制作を担当する。

同社はテレビの再発明を公開時より掲げており、「コンテンツ制作・タレント事務所・広告」といった役割を担うことを目指している。「スマホならではの企画内容や演出を作っていることが大切」と同社取締役会長の國光氏は語る。

同サービスの強みはインタラクティブ性の高いライブ配信。1本の制作費は20万円〜30万円で配信中にRPG風のCGを組み込んだり、抽選やアンケートといった参加型のコンテンツを制作している。現状ではTwitterにライブ配信で商品を購入したユーザーがコメントをするなど、ただ購入するだけでなく共感をメインにしたコミュニケーションが生まれている。

 「日本はインフルエンサーが少なく中国と同じモデルで展開しても流行らない。インフルエンサーの層を育てることがポイントでファンとのエンゲージメントを構築し、ダイレクトに消費者と繋がれる仕組みを構築していくことが必要」(國光氏)。

メルカリチャンネルが目指すのはフリマアプリの次の形

IMGP4705

7月にライブコマース機能を実装したメルカリが目指すのはフリマの次の形。フリマアプリ上のコメント欄に入る価格交渉のようなコメントをリアル配信で回答するようなモデルだ。現在は毎日1万人に機能を解禁し、約10%の人たちが実際に配信にチャレンジするといった状況だ。

現状では1日30人がライブ配信を実施して、メルカリの出品物を販売している。同社のライブ配信は綺麗なスタジオでもなく、インフルエンサーでもない素人が配信を実施しているが1配信で500前後の視聴がついているということだ。

販売率が高い人で言えば51出品中で45商品が売却され88%の販売率をマークしている。ちなみに一番商品が売れている人では文房具をメインに84品中75の商品を売却した。

「服やコスメ以外にも自動車や文房具といったものまで売ることができるから、スケールが広がりやすいと考えています。万人が100%通常の出品より売れるわけではないので、メルカリらしい配信をして上手にデリバリーする人をいかに増やせるかがキーポイントだと感じています」(伊豫氏)。

3社ともインフルエンサーの育成といった部分では共通して課題意識を持っており、今後インフルエンサーの取り合いもおこってくるのではという話題も出ていた

Forbesによると中国ではアリババがネットセレブの育成事業やさらなる有名人の発掘も目指しているようだ。今後インフルエンサーの拡大とともに各社の戦略がどう反映されてくるのかが楽しみなところだ。

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!

----------[AD]----------