企業のIoTデバイスをセキュアにするイスラエルのAxonius、シードラウンドで400万米ドルを調達 

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イスラエルのスタートアップ Axonius が400万米ドルのシード資金を調達したと発表した。同社は IoT の時代を踏まえ、企業向けにセキュリティソリューションを提供している。

同社のソフトウェアは、企業が抱える2つの重要な問題に対処できるよう開発された。企業のネットワークにあるデバイスの数を把握するという点と、さらに重要な課題として、それらすべての機器の安全性を確保するという点である。

Axonius が開発したプラットフォームでは、企業ネットワークに接続されたすべてのデバイスのセキュリティを監視し、管理することができる。これはハッカーの攻撃への備えとして有効だ。

IoT 製品などの新しい技術を企業のネットワークに導入した場合、企業は気づかないうちに危険にさらされる可能性がある。あるケースとして、セキュリティ会社 Darktrace は7月にこんなレポートを公開している。北米のあるカジノの水槽がインターネットに接続されていたが、これがハイジャックの被害を受け、カジノからデータを盗むための拠点として利用されていたとのことだ。

セキュリティの専門家らは、スマートデバイスの導入急増を受け、同様の攻撃が今後も発生すると警鐘を鳴らしている。

Axonius は、企業のネットワーク上には管理されていないデバイスが何千とあるため、潜在的に攻撃を受ける可能性を孕んだ大きな盲点だとしている。こうした IoT 製品の多くは、セキュリティに関して十分配慮することなく設計されていることも多い。

そこで Axonius は、こうした問題に対処するための技術を開発した。それは、企業の IT 部門が一つの中心的プラットフォーム上で種々のデバイスを管理することができるというものだ。

CEO の Dean Sysman 氏はイスラエルの元諜報部員という経歴を持つ。Windows ラップトップから Linux サーバー、スマートフォン、新しい IoT 製品に至るまで、同社プラットフォームはあらゆる種類のデバイスに対応しているという。彼からのメールによると、この技術では個々のデバイスにソフトウェアをインストールする必要がない。各マシンにすでに組み込まれている API など、ソフトウェアインターフェイスを用いてデバイスと通信する。また、Axonius のプラットフォームは、IT 資産を制御する目的で企業がすでに導入しているソフトウェアツールとも連携できるよう設計されている。

今回の400万米ドルのシードラウンドは YL Ventures がリードし、他にも Vertex Ventures と Emerge Capital が出資した。

Axonius の競合としては、Tanium や ForeScout など他のセキュリティベンダーの存在が挙げられる。各社は企業ネットワーク上の多数のマシンをリモートで管理するソリューションを提供している。

Axonius のプラットフォームは現在一部企業を対象に提供されているが、来年初めには一般に公開される予定だ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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