ブロックチェーンマーケティング技術が到来、爆発的普及も間近

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Blockchain Marketing Technology Landscape (2017)

ブロックチェーンというと、通常はビットコインやイーサリアム、ライトコインが思い浮かぶのではないだろうか。それら自身、興味深く革新的ではあるのだが、私たちのビジネスのやり方を根本的に変革する可能性があるのは、仮想通貨以外のブロックチェーンの使い方である。

これが最もハッキリしている分野はマーケティングと広告だ。特に、産業界にあふれかえっている膨大な量の広告をコントロールしたりなくしたりする手段としてである。

だが、現在ブロックチェーンのマーケティング技術はいくつ実在していて、どれほど急速にローンチされているのだろうか?

その問いに答えるにあたり、Never Stop Marketing が史上初となる Blockchain Marketing Technology Landscape を本日(9月18日)ローンチした。Scott Brinker 氏の恐ろしく巨大な Marketing Technology Landscape にインスピレーションを受け、この初版はアドテックの現状とブロックチェーン技術がマーケターや広告関係者にもたらし得る多大なメリットの両面を表している。

最も明らかな革新のターゲットは?アドテックだ。

Never Stop Marketing の CEO である Jeremy Epstein 氏は次のように話す。

ブロックチェーン技術のポテンシャルに関する基本—第3者の中抜き—を理解していて、かつ、デジタル広告の現在のバリューチェーンの基本(膨大な無駄があり、1米ドル使う毎にその44%が中間業者に渡っていること)を理解しているならば、業界で最も革新の機が熟しているのがアドテックであることはかなり明白です。

Chiefmartec の元々の Marketing Technology Landscape に見られる信じられないような成長率を踏まえると、こうした企業が出てくるスピード感は興味深く、またある意味で必然ともいえる。

Epstein 氏はこう話す。

私が驚いているのは、こんなにも多くの数のプロジェクトやスタートアップがこんなに短期間で出現し、この最も簡単な課題に攻勢をかけていることです。日ごとにこうした事例について耳にすることが増えていますが、これは1つの取り組みで全てが片付くような話ではないことを意味しています。

では、なぜこういった話や、関連する ICO マーケットプレイスそしてその他のブロックチェーン技術の適用例が、ここまで急速に爆発的な普及を遂げたのだろう?

なぜなら、ICO(または SEC に適合したトークン生成イベント)がブロックチェーン時代の「キラーアプリ」だと人々が気付いたからです。初めて誰もが(独自のクローズドソースとは対照的に)使用や変更、ビルド、フォーク、さらにはプロジェクトの持続的な支援と保守を実現するモデルを持つオープンソースソフトウェアを作成できるようになったのです。

確かにこれは重要な問題だ。というのも、全てを変え、既存のオープンソースの方法論ですら変えてしまうからだ。

Epstein 氏は続ける。

これを Linux や Apache など従来型のオープンソースプロジェクトがファンディングされている方法と比べてみると、こうしたプロジェクトは毎年大手企業から寄付を募ってファンドを得ている団体なのです。

ですが、いまやネットワーク利用量が増えるのに応じて価値が上がるブロックチェーンに基づく暗号トークンであれば、価値あるオープンソースプロジェクトを創り出す人たちにとっては、自分たちの創り出した価値をマネタイズする方法を組み込むことができ、開発活動をいつまでも支えることが可能になり、そのプロジェクトを初期段階で支援した人たちも大きな利益を上げられるのです。

Landscape の初版は確かに少しまばらではあるが、埋めていくことのできる余白がたくさんある。しかし、これらは本当に私たちが考えるような革新的な力となるか否か判断するのに十分なだけのブロックチェーンを利用したマーケティング技術なのだ。

もちろん、ブロックチェーンはいつ弾けてもおかしくないバブルだと考える人もいるが、その一方で銀行や政府、規制当局などがこの技術をコントロールしようと絶えず綱引きしていることを指摘する人もいる。

分散化のタネ(ブロックチェーンによって支えられているが、それに限定されるわけではない)は既にまかれているのです。中国が何をしようと、Jamie Dimon 氏が何を言おうと、この革新の波はやって来るのです。これが、私たちが最初に Landscape を出した理由の一部で、出すことによって何が起きようとしているのか人々が理解できればと考えたのです。

Epstein 氏によれば、とてつもない成長が起こることになるが、同時に新たに付き合っていかなければならない一連の問題も出てくることになるという。

私たちはアドテック分野に10個も異なるプロトコルを必要とはしていません。ですので、例えば Papyrus が、私が既にご紹介したものよりも優れているかどうか評価する必要が出てくるでしょう。私たちは全部を必要としているわけではないのです。

これは、ブロックチェーンが究極的には単なる普通のマーケットプレイスの1つとなることを意味する。大半のプレイヤーは脱落し、成功するのは少数であろう。

Epstein氏はこう言う。

今日あるトークンやコインの95%は1~2年で全く価値がなくなってしまうでしょう。ですが、残りの5%は勝者になれるのでしょうか?一部は1兆ドル級のプロトコルとなる可能性があります。短期的な浮き沈みはあるでしょうが、これは長きに渡り目にすることがなかったビジネスモデルの革新で、だから私はそのトレンドを追いかけて利用しているのです。

Blockchain Marketing Technology Landscape の初版は今日(9月18日)から Never Stop Marketing のウェブサイトで入手可能。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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