集合知の活用で非中央集権でもICOの透明性を確保、さまざまな投資・金融商品を開発するエストニアのCrowdWiz

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.9.22

Trond Vidar Bjorøy 氏は、旅行マネジメント企業 ATPI で商品開発および実装部門(スカンジナビア地域)の責任者を務めている。

本稿は著者の LinkedIn のブログ記事で最初に掲載されたもので、転載にあたり、THE BRIDGE は Bjorøy 氏 から独自に転載許可を得た。


暗号通貨と ICO(イニシャルコインオファリング)は、趣味の投資家や投機家らにとって、他の投資商品よりも短期間で利ざやを得る手段となってきた。しかし実際のところ、私たちの多くはこうした商品がどういうものなのかをよく分からずに購入している。現実を直視すれば、暗号通貨購入に際しての注意義務と言えるのはウェブサイトの閲覧と、場合によってはホワイトペーパーを読むことくらいのものだ。これだけではそのプロジェクトが強いファンダメンタルを持っているのか、それとも風説の流布で成り立っている危うい商品なのかを見抜くのは難しい。

そこで登場するのが CrowdWiz というスタートアップだ。エストニア生まれのこのプロジェクトでは、Ethereum ベースの公開型ブロックチェーンを使用し、集合知に基づいた透明性の高い投資商品群を作ろうとしている。

私は定期的に新しく発表された ICO に目を通すようにしており、目を引くプロジェクトに出会うことがある。その中でも CrowdWiz は有望なものに思える。(全面開示:私はこのプロジェクトやその他記事にする商品には関与していない。)

CrowdWiz のコンセプトは、大勢の人からなる集合知は正確性において時折専門家すら凌駕するということだ。人々はバラエティに富んだ視点を持ち、偏見がなく、そしてシェアする文化があるため、個人の専門家よりも賢明だと言えるだろう。設立者の言葉を借りるならば、CrowdWizの使命は「仲介者をなくし、権力と統制力を投機家ら自身に与えることによって、投資プロセスを完全に民主化する」ことだ。

CrowdWizの最初の製品は「WizFund」で、これは自治の精神に基づく暗号ファンドだ。ユーザは自分のファンドを立ち上げることができ、投資の方法と投資先はメンバーによる投票で決定される。中央権力は存在せず、投資家の行動を決定するファンドマネージャーもいない。ファンドの次の投資はメンバーらによる集合知が決定する。経験の少ない投資家であっても、下調べを行うことなく賢明な投資プロジェクトに参加することができるのだ。

ブロックチェーンを公正な投票に活用するプロジェクトとしては CrowdWiz が初めてではないが、少なくとも投資ファンドの仲介者をなくすという目的に取り組むスタートアップを私は他に知らない。

一見、Blackmoon Crypto の競合にも思えるが、Blackmoon は集合知をベースとしていない。同プロジェクトは、ファンドマネージャーがブロックチェーン上でポートフォリオを作成・管理するのを補助するものだ。別のサービスとしては、ユーザが独自のファンドを作成・管理できる ICONOMIMelonport があり、こちらも作成者以外の人々による投資を受け付けている。しかし、これらも集合知ベースではない。

より直接的な競合としては、AI によるファンドマネジメントと集合知を組み合わせた AICOIN が挙げられるだろう。ただし、資金の管理は AICOIN が行い、人々は投資先を決定するに留まる。

CrowdWiz のロードマップでは、非中央集権型の取引所の実現を次なる目標としている。そこでは人々が投票に参加し、投資先の決定や、取引所が扱うトークンの入れ替えなどを行う。トークン取引の面で CrowdWiz は、GDAXKrakenShapeshift などの中央集権型取引所のほか、Etherdelta や OasisDEX などの非中央集権型取引所と競合することになる。CrowdWiz の参入先は競争が激しい。しかし、これらの取引所に共通して言えるのは、デザインと使いやすさの点でまだまだ改良の余地があるということだ。また、ブロックチェーンの性質上、さまざまな取引所間で資金を移動することが非常に簡単になるため、優秀なデザインとユーザエクスペリエンス、さらには多くの種類のトークンを取引できる取引所が人々の支持を集めていくことだろう。

ロードマップによると、CrowdWiz のファンドと取引所のプラットフォームでは、貸付、保険、不動産商品まで手がける計画だ。これらはすべて WIZ トークンによって実現する。WIZ はそのエコシステムから生み出される利益をトークン所有者らに分配し、また、主な暗号資産、ICO、将来発表される暗号投資商品への投資について、トークンの所有者に投票権とアクセス権を提供する。今後あらゆるものがトークンとしてブロックチェーン上で扱われるという前提に立てば、これらの機能は様々な恩恵をもたらす可能性を秘めている。

同社はさらにエコシステムも構築しており、集合知をベースにした金融サービスの一大拠点としての地位を徐々に固めていくことも考えられる。同社のネットワークに寄与するアプリを構築したい場合は、サードパーティ開発者にも API が提供される。こうして開発されたアプリは、エコシステム内のアプリストアに公開して収益化することが可能だ。開発者の連携を促すこうした手法は、ネットワークをブートストラップするに当たって優れた方法だと言える。

次の ICO は10月に予定されており、同チームは前述の各機能の実現に2,000万米ドルを充当したい考えだ。それを超える額が調達できれば、超過分は同サービスのメインファンドに投入される。つまり、投資家らの手に留まることになる。

CrowdWiz Ltd. は、営利企業としてエストニアで設立された。同社の収益は、CrowdWiz のプラットフォームや関連商品を利用する企業へのコンサルティングサービスからもたらされており、CrowdWiz の大部分は、Krypton Software に在籍するチームによって運営されている。Krypton Capital は Krypton Capital Group 傘下の企業で、60人規模の研究開発チームを持ち、企業向けフィンテックソリューションを提供している。これまでに同社は、取引および投資用途の複数のプラットフォームをローンチしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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