動画制作のCrevoが3.1億円調達、制作業務を効率化する「Collet(コレット)」限定公開

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動画映像制作をクラウドソーシングの手法で手掛けるCrevoは9月14日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズをリードとする第三者割当増資を公表した。調達した資金は3.1億円で、同ラウンドには三井住友海上キャピタル、AGキャピタル、D4Vが参加している。払込日やそれぞれの株式比率などの詳細は非公開。

また、同社はこれまで内部で運用を続けていた動画制作の管理ツールを「Collet」として公開する。Colletは動画制作に必要な映像制作クリエイターのポートフォリオ、案件情報が掲載されたジョブボード、制作過程で発生する動画ファイルや修正指示、チャットによるコミュニケーションなどの管理ツールを一体化させたもの。クライアントとのやり取り等で発生する打ち合わせをオンライン化することで、かかる時間を最大5分の1にまでカットすることができるとしている。

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同社はこの管理ツールを広告代理店や映像制作会社などに対してまず30社限定で開放する。利用料金については未定だが、同社代表取締役の柴田憲佑氏によれば、月額課金でこういった工程管理用にアシスタントを雇うより安価になるような設定を考えているということだった。調達した資金は今後、このプラットフォームの開発等に充てられる。

クリエイターのプラットフォームへ

ここ数年、クラウドソーシングの手法を取り入れた特化型のクリエイティブ系のプラットフォームがいくつか出現していた。グロースハックのKaizenやCrevo同様、動画制作のViibar、ゲームキャラクターに特化したMUGENUPなど、オンラインで世界各国に散らばるクリエイターをつなぎ、適切なワークフローをシステム化することでそれぞれ独自の効率化を目指している。

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映像制作に限らず、クリエイティブな仕事というのは属人しがちな分野でもある。どこかの会社に同じような発注をしていては、やはりアウトプットも似たような結果に偏りが出てくる。クラウドソーシングの手法はクライアント側に選択肢を提示するという意味においてもメリットが大きかった。

一方でオンラインでの仕事は指示が難しい。いくら効率化のツールを用意したとしても、それが使えなければさらなる非効率を押し付けることになりかねない。Crevoは過去3年以上かけて実際に取り組んだ700社との案件をベースにColletを練り上げ、今回一般にも開放することになった。柴田氏の話では、動画制作の需要の高まりからメディアや印刷などを手掛ける企業からツールを使わせてほしいという要望があるのだそうだ。

動画制作の案件としては企業の宣伝広告部門からというよりも、もう少し個別の事業部単位からの発注が目立つという。まだこれからという事業や小さいけれど説明用の素材が欲しい、そういったニーズにCrevoの提供サービスが合致しているのだろう。

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