イスラエル・スタートアップの祭典「DLD Tel Aviv 2017」、1日目のまとめ〜街随一の目抜き通りで、イノベイティブなハードウェア製品をデモ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.9.8

Rothschild Blvd. で開催された夜イベント「Urban Happening & Innovation Blvd.」に展示されていた光のオブジェ。枝の先の部分には、スマートフォンが数台使われている。

本稿は DLD Tel Aviv 2017 の取材の一部である。

9月6〜7日の2日間、イスラエル・テルアビブで当地随一の年次スタートアップイベント「DLD Tel Aviv 2017」が開催されている。1日目の様子を簡単にまとめてみた。

イスラエルは長きにわたり、ドイツから鉄道建設やインフラ整備などで多くの支援を受けている。おそらく、ホロコーストの罪滅ぼし的な意味合いが発端なのだろう。経済的な結びつきも強く、少々マニアックな話で言えば、インターネット上で traceroute をかけてみると、イスラエル国内から世界の多くのサイトへは、どの ISP からでも概ねドイツのフランクフルトあたりを経由してルーティングされる。

そんなこともあってか、DLD Tel Aviv 2017 にはドイツ企業も数多く協賛しており、ドイツの国営放送 Deutsche Velle(ドイチェヴェレ)はスタートアップ向けの支援プログラムの一環で、DLD 参加スタートアップとメディア関係者をつなぐ「Pitch the Press」というイベントを開催した。筆者もこのイベントに参加したので、話を聞いたスタートアップを簡単にまとめてみる。

  • SIZER(イスラエル)……スマートフォンで、身体の全体が映る状態で自身を撮影。アプリは身体のサイズや部位による偏りを解析、ユーザはその情報をもとにファッションコマースサイトで洋服を購入できる。ファッションコマースサイトに SDK を提供、1クリック5セントでファッションコマースサイト側から手数料を得るビジネスモデル。
  • examPAL(イスラエル)……GMAT をはじめ MBA の入学試験を受ける人などに、例題(自由回答部分)に答えてもらうことでユーザの強い部分と弱い部分を指摘してくれるサービス。フリーミアムで提供され、有料コンテンツへのアクセスでマネタイズ。中国の高考(ガオカオ)や日本のセンター試験にも適用できるとしている。
  • GuardKnox(イスラエル)……IoT 時代のクルマ向けに、ECU(電子制御ユニット)のセキュリティ防御をハードウェアで提供するスタートアップ。例えば、山にハイキングを行くときなど、サスペンションを強化したいというときなどに、サスペンション部にハードウェアを追加する、というように対応する。
  • 3asyR(ギリシア)……目が悪く字が読みづらい、あるいは難読の人のために、文字を大きくして読みやすくする Google Chrome Plug-in を開発。
  • WizeGem(イスラエル)……ユーザはもモバイルアプリを使って、指輪、イヤリング、ブレスレット、ネックレスなど、さまざまなジュエリーやアクセサリーのデザインをカスタマイズできる。カスタマイズされたデータを WIZEgem は提携している世界各地の生産工場に転送、金属の 3D プリンティングや研磨加工により好みのジュエリーやアクセサリーができあがる。ダイヤモンドはまだ着手していないとのこと。
  • Lishtot(イスラエル)……USB ドライブのようなデバイスを、透明なグラスに入った水に近づけるだけで、汚染されていて飲めなければ赤色、汚染されておらず飲めるなら青色に発光して教えてくれる。おそらく、水に対して光を当て、その反射や屈折率などから不純物の有無を判断していると思われる。
  • LeanXcale(スペイン)……マルチバリューデータベースにも似た、HTAP ベースのデータベースシステムを開発。データウェアハウスとデータベースの間の大量データの往来の必要がなくなり、大量のデータをデータベースの上で迅速に扱えるようになる。

彼らの中から何社かは、DLD Tel Aviv 2017 内で開かれるピッチコンペティションに参加が認められる予定だ。ピッチコンペティションの模様についても追ってお伝えする。

WIRED日本版 編集長 若林恵氏や、シンガポール SGInnovate 代表の Steve Leonard 氏らが登壇した、アジアのスタートアップシーンに関するセッション

DLD Tel Aviv 2017 にはヨーロッパのみならず、アジアからも多くの起業家や投資家が参加していた。イスラエルのスタートアップの目には、中国や日本が大きな市場機会として映るようで、WIRED日本版 編集長 若林恵氏や、シンガポール SGInnovate の Steve Leonard 氏ら登壇したパネルセッションでは、会場から積極的に質問が寄せられていた。

市内各所のレストランやバーでは、夜も特定テーマにフォーカスしたセッションが開かれた。

1日目の夜には、テルアビブの目抜き通り Rothschild Blvd. で「Urban Happening & Innovation Blvd.」という屋外イベントが開催され、主にハードウェアや IoT のスタートアップらが街行く人々をデモンストレーションで魅了していた。そのうちのいくつかを、以下のビデオで紹介する。

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