Elon Musk氏の弟らが率いる垂直農業スタートアップのSquare Roots、シードラウンドで540万米ドル調達

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.9.6

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Square Roots ブルックリンキャンパスの内部
Image Credit: Square Roots

Square Roots は、Kimbal Musk 氏と Tobias Peggs 氏が共同設立した垂直農業スタートアップ(訳注:垂直農業とは高層建築物の階層、及び高層の傾斜面を使用して垂直的に行う農業のこと)。その Square Roots が、ニューヨークに本社を置く Collaborative Fund がリードするシードラウンドで540万米ドル調達したことを本日(8月23日)発表した。レストラン経営者である Musk 氏(Elon Musk 氏の弟)は、より多くのアメリカ人にフレッシュな食品を提供し、消費者と農家との直接的な関係を築き、農業における現在の課題に対するソリューションを農家が導き出せるよう支援を行う、という意欲的な計画を持っており、Square Roots はその計画のハイテク分野を担っている。

Musk 氏は VentureBeat との独占インタビューの中で次のように語っている。

農業を新世代の農家へとシフトさせたいのです。

同氏は Square Roots だけでなく、ファームトゥテーブル(農場から食卓までつながる安全品質管理を行うスタイル)のレストランチェーン「The Kitchen」の共同設立者でもある。同チェーンは、コロラド州とテネシー州に高級ビストロの The Kitchen と、より安価でカジュアルな飲食店 Next Door を展開している。また、Musk 氏は Chipotle や Tesla、SpaceX の役員でもある。

Peggs 氏と Musk 氏は昨年8月に Square Roots をローンチし、「アーバンファーミングキャンパス(urban farming campus)」というネーミングで「輸送用コンテナ内での環境制御による水耕栽培」をブルックリンで起ち上げた。(輸送用コンテナや倉庫の中など、作物を棚のように重ねて並べることのできる環境で作物を育てることを垂直農業という。)さらに、Square Roots は入居者向け起業家プログラムも行っている。この13ヶ月間のプログラムでは、農家志望者に対して Square Roots のコンテナで作物を栽培する方法を指導したり、育てた作物を販売するビジネスモデルの開発を行っている。

同プログラムは無料で参加することができ、参加者は Square Roots で栽培した作物の売上の一部を受け取ることもできるが、プログラム開始時に5,000米ドルもの高額なデポジットが必要となる。参加者はデポジットの支払いに充てるために、Square Roots のウェブサイト上にある申込フォームから米農務省(USDA)のマイクロローンに申請することができる。

Square Roots で最初に収穫された作物のうち、販売されているのは今のところレインボーチャード(スイスチャード)やトスカーナケールといった葉野菜のみ。ニューヨークのシーフードレストラン Seamore’s やオンライン食料品デリバリースタートアップ Mercato など、多くのレストランや小売店が Square Roots の葉野菜を使用または販売している。

 

ブルックリンにある Square Roots アーバンファーミングキャンパスの外観

今回の資金調達は2018年に第2のキャンパスをローンチする計画のためのもの。だが、同社はまだ場所を選定している段階。Square Roots の会長を務める Musk 氏と CEO を務める Pegg 氏は、最終的にすべての都市に Square Roots キャンパスを設置することが目標であると語る。そして当然、Musk 氏は Square Roots が自分のレストランに食品を提供できるようになることを期待している。(同氏は Medium への投稿の中で、2020年までにハートランドで Next Door を50店舗オープンさせる計画があることを1月に明かしている。)

自身のレストランチェーンの成長に合わせ、Musk 氏は数年かけてハートランド中の農家の人々と会ってきた。同氏は Square Roots の「箱の中のビジネス」によって、より多くの若者が農業に携わるようになり、従来の農家が直面している問題に対するハイテクソリューションを彼らが生み出してくれるだろうと考えている。

自分の家が180エーカーの農場を所有していたとしても、年に2万3,000米ドルの収入しかなければ、若い世代にとってはあまり魅力的ではありません。農家の収穫高を増やしてより収益性の高いものにするにはどうしたらいいのでしょうか?私は農家の方々と多くの時間を過ごしましたが、すべてに対する答えを持っているわけではありません。(Musk 氏)

Square Roots は Plenty など他の垂直農業スタートアップとの競争を強いられている。Plenty は7月にソフトバンクの Vision Fund がリードするラウンドで2億米ドル調達している。 アグリテックスタートアップ向けオンライン投資プラットフォーム Agfunder の共同設立者兼 CEO である Rob Leclerc 氏は、垂直農業によって農業従事者の労働コストが削減され、利益率が改善される可能性があるものの、作業が完全自動化されるまでは垂直農業はいまだコストの高いベンチャーと言える、と語っている。

Leclerc 氏は VentureBeat への e メールの中でこのように語っている。

垂直農業はエネルギーコストがかさむため、太陽から無料でエネルギーを得ることのできる従来型の温室栽培や屋外栽培の農家との競争が厳しくなります。

Square Roots の価格はかなり高い。同社は最初のコホートの農家によって開発されたオンライン葉野菜デリバリー事業の運営も行っている。一人分の葉野菜は7米ドルと高いが、Peggs 氏は、Square Roots は消費者が農家とより密接な関係を築くことができるという付加価値を持っていると主張する。

Peggs 氏は VentureBeatに次のように語った。

最も新鮮な食品や、様々な作物を紹介してくれる農家との直接的な関係を手に入れることができます。試してみる価値はあると思います。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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