スモールチーム向け情報共有ツール「Stock」がβローンチ——〝情報のストック〟と〝タスク管理〟の機能をミニマル化

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チームにおける情報共有では、常に何らかの課題を感じている人が多いだろう。Slack は広く使われているフロー型のツールだが、情報のストックやタスク管理には、別のツールとの併用がほぼ必須になる。フロー型のツールはチャットの延長上にあるので、Facebook Messenger や LINE に慣れている人であれば大して操作も難しく無いのに対し、TO-DO 管理などストック型のツールは比較的機能が多く、使う側に一定のリテラシーを求められることが多い。

Stock」は、情報のストックやタスク管理のための、誰にでも使える UI/UX を標榜して開発された情報共有ツールだ。一見すると Evernote にも似たノート型のシンプルな UI を持ち、顧客やプロジェクトなどのテーマ単位やタスク単位で情報を管理。デスクトップだけでなく、スマートフォンからもアクセスにもモバイルアプリで UX が最適化されている。Stock と同じ分野には多数ツールが存在するが、Stock が注力しているのは機能をミニマル化している点と言っていいだろう。

Stock を開発するリンクライブの創業者で代表取締役の澤村大輔氏は、Stock の位置付けを次のように説明する。

一言で言うなら、チャットワークの〝情報が残る版〟で、DropBox の〝簡単版〟。美容室、税理士事務所など、必ずしも IT リテラシーが高くない業態でも、すんなり使ってもらえるのが特徴だ。ある学習塾からは、事前に使い方を説明していないのに、60歳を超える講師が Stock を使いこなしていて衝撃的だった、との反応を得ている。

Stock は2017年初頭からクローズドβ版として運用が開始され、試験的に導入してもらった15社程度のユーザからフィードバックを受け機能改善を図ってきたが、より多くのユーザを受け入れられる体制が整ったとして、今日、オープンβ版(招待制)をローンチした。リンクライブでは Stock のさらなる機能改善を進め、年内の正式ローンチを目指す。正式ローンチ後は、ユーザ1人あたり月額数百円程度を想定しているようだ(β運用中は無料)。

リンクライブ 澤村大輔氏

リンクライブは野村総研出身の澤村氏が、2014年に立ち上げたスタートアップ。同社が初めて開発した「ONI Tsukkomi」は、全国にいる最大100万人のユーザパネルから、ウェブサービスのデベロッパなどが自社で開発したウェブサービスへの意見をもらうことができるサービスで、既に黒字化しているという。

典型的なスタートアップが、バーンレートを気にしながら、サービスを有料で提供する正式ローンチに急ぐ一方で、リンクライブがユーザヒアリングと機能改善に十分な時間をかけられるのには、既に黒字化している「ONI Tsukkomi」の存在が大きいだろう。そんな背景もあってか、リンクライブはこれまでに外部からの資金を調達しておらず、「現在は、スケールできるサービスを探し求めている段階」(澤村氏)とのこと。例えば、特定の業界にフォーカスして、Stock がその業界の情報共有ツールの市場を独占するなど、Stock のスケールが確信できたタイミングで資金調達を実施し、さらに事業を加速したいと澤村氏は今後の抱負を語ってくれた。

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