SMFG、渋谷センター街にオープンイノベーション拠点「hoops link tokyo」を開設——米StartX、Work-Bench、Geodesic、ERAらも協力

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.9.1

フォトセッションに臨む SMFG 役員陣

<4日11時30分更新> 太田純氏の肩書きを修正。

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG、東証:8316)は1日、渋谷センター街に同グループ初となるオープンイノベーション拠点「hoops link tokyo(以下、hoops link)」をローンチした。同グループでは hoops link をハブとして、スタートアップ・エコシステムに関連する外部の組織と連携しつつ、ピッチイベント、ミートアップ、セミナーなどを開催する計画だ。

記者会見の冒頭で挨拶する、三井住友フィナンシャルグループ執行役副社長 グループ CDIO(Chief Digital Innovation Officer)の太田純氏

1日開かれた記者会見では冒頭、SMFG のオープンイノベーション活動を統括する太田純氏(SMFG 執行役副社長)が挨拶。SMFG 全体のデジタルトランスフォーメーションを推進すべく、2年前に三井住友銀行内に IT イノベーション推進部を開設して以来、GMO-PG との JV である決済代行の SMBC GMO PAYMENT、NEC との JV であるスマホバーコード決済のブリースコーポレーション、NTT データや DAON との JV である生体認証のポラリファイ、NEC との JV による AI や RPA を使った BPO サービスを提供するフィナンシャル・リンク(NCore=エヌコアに改称予定)など、金融という本業にシナジーのある新規事業に出資参加してきた。これまでは比較的大きな企業との連携が中心だったが、hoops link の開設を受けて、よりスタートアップとの連携を強化したいとのことだった。

また同日、SMFG は hoops link と開設とあわせ、アメリカでエンタープライズ向けのアクセラレータを展開する Work-Bench、スタンフォード大学のアクセラレータ StartX との提携を発表。2018年からはアクセラレーションプログラムを始めることが明らかになった。アクセラレーションプログラムの詳細については内部で検討中とのことだが、これまでに行われた SMFG や三井住友銀行による「ミライハッカソン」や「未来」での活動の一部が踏襲されるようなものになるだろう。

大手銀行系が展開するオープンイノベーション拠点としては、他に三菱東京 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG、東証:8306)が展開する「The Garage」、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、東証:8354)が展開する「DIAGONAL RUN TOKYO」などがある。このほか、金融業界全般のオープンイノベーションのトレンドで見てみると、みずほ銀行NTT データとオープンイノベーション支援で協業し FINOLAB 内にラボ施設を設置、クレディセゾン(東証:8253)がデジタルガレージ(東証:4819)らと DG Lab を開設、クレジットカード大手の JCB は QUANTUM の協力によりアクセラレータプログラム「JCB Payment Lab」を運用している。

hoops link tokyo を担当する SMFG ITイノベーション推進部 古川剛也氏と一問一答

Q. hoops link tokyo をやることになった経緯は?

SMFG ITイノベーション推進部
古川剛也氏

昨年夏までロサンゼルスに留学していた。付近には、Snapchat に代表されるカジュアルなビジネスが立ち上がったシリコンビーチなどがあるが、日本でビジネスが盛り上がってきているというような情報は、ほとんど伝わってこなかった。

それとは対照的に、アメリカでは Venmo に代表される個人間送金など、スタートアップがフィンテックを先導したり、銀行がフィンテックを取り込んだりしているニュースが日常的。

日本とのこの差は何なのだろう、という問題意識を持った状態で、フィンテックを担当する部署に配属された。まだまだ日本の銀行は閉じているし、我々が(三井住友銀行の本店のある、あるいは、フィンテックのハブである)大手町から情報を発信しても、我々が情報を届けたい勢いのあるベンチャーに届いていない。そういうベンチャーに近くにいる方がいいだろうと思い、渋谷に拠点を作りたいと考えた。

Q. hoops link tokyo で何をやるか?

スタートアップへの純投資的な動きはメインではない。事業の幅を広げるとか、新しい事業を作る上での拠点ということが第一義。戦略的投資ができるしくみにはなっているが、協業ができるかどうかが重要だと思っている。いずれにせよ、スタートアップだとか、協業する相手がまだ見ていないのが現状なので、そういう人たちに会いに行く、近くにいたいというのが、まず大きな目的。

何かを一緒にするとか、マッチングをするとか、そういうのもお手伝いする。銀行と協業したいとか、グループのどこかと協業したいとかの要望があれば、hoops link tokyo には SMFG の者が最低でも一人は常駐しており窓口になる。時間帯的には、グループ会社の担当者に来てもらって、オフィスアワー的なものもやってみたい。

協力関係にある Geodesic Capital(ルース元駐日大使が立ち上げたことで知られるファンド)や ERA(Entrepreneurs Roundtable Accelerator)からは、彼らのアメリカでの出資先や支援先を紹介してもらえることになっており、そのようなスタートアップが日本市場に進出したいときに手伝ったり、我々が作りたいサービスに使える技術やアイデアをもっているスタートアップがいれば紹介してもらったり、というような動きを hoops link tokyo 中心に実現したいと思っている。

Q. 営業時間やイベントの頻度は?

営業時間は、平日朝の9時から夜の9時まで。週に3回くらい、主に夜にイベントを予定している。9月11日の週はエグゼクティブウィークと位置づけ、hoops link tokyo でメンターをしてもらっている人たちによるセッションを連続5夜にわたってお届けする予定だ(ウェブサイトから参加予約可)。

最初はどうしてもイベントが先行してしまうと思うが、まずは我々の場所を知ってもらい、ネットワーク知ってほしいと思っている。そして、なんか、銀行って思ったよりもひらかれているな、とか、コラボできるかもしれないな、と感じてもらえればうれしい。

Q. hoops link tokyo としての KPI 的なものはあるか?

KPI は設定しないようにしている。ただ、長期的なスパンでは成果を出さないと、ここ(hoops link)をやる意味は無いということになる。しいて言えば、どれだけの事業創出ができるかという、出口のところが最終的な KPI になるだろう。

写真で見る hoops link tokyo

メガドンキ隣の三井住友銀行渋谷西支店が目印。このビルの6Fに hoops link tokyo がある。
エレベータを降りると、玄関には古き良き時代を思わせるセピア色の写真が飾られている
困難な中をチャレンジすることをテーマに、1920年代の禁酒法時代のバーをモチーフに作られた hoops link tokyo。玄関の本棚が隠れ扉になっている。
ミーティングルームには、グラスホッパーやブルースカイといったカクテルの名がつけられている。
イベント時には重宝しそうなキッチン。お酒のストックもたんまりと。

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