【9月26日Lab.特設イベント】韓国スタートアップ10社を招いてピッチ、日本企業とのコラボレーションの可能性を模索するミートアップを開催

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Featured Image: CC BY-NC 2.0: via Flickr by Snap Man

韓国 NAVER がスポンサードするスタートアップ支援組織 Startup Alliance(스타트업 얼라이언스)は2013年の設立以来、毎年、海外進出を展望する韓国スタートアップ、なかでも、日本市場への進出を目指すスタートアップの東京訪問ツアーを実施している。筆者も当初から、このツアーの中で韓国スタートアップに日本市場の現状をレクチャーさせていただくなどしており、参加スタートアップの中から韓国発のユニコーンもちらほら出始め、なんとも嬉しい限りだ。

今年の Startup Alliance が組織するツアー「Japan Boot Camp」では、参加する韓国スタートアップ10社に THE BRIDGE X に集まってもらい、日本企業に向けたピッチとネットワーキング、協業可能性を模索する機会を設けることにした。言わば、オープンイノベーションの越境版だ。

日本国内においては、にわかに活況を呈しつつあるオープンイノベーションの風だが、国を超えてのコラボレーションにどの程度の可能性があるかは、日頃から内外のスタートアップニュースを扱う我々にさえ未知数である。また、投資が主体の VC のパートナーなどに比べ、CVC の投資担当者や日本企業のスタートアップ連携担当者は、国内の本業業務との兼ね合いから多忙で、なかなかおいそれと、コラボれそうなスタートアップに会いに海外へ出かけていくのはままならないかもしれない。

そこで、今回は、Startup Alliance のご厚意もあり、時間・距離・言語障壁などをできるかぎり排除して、日本企業と韓国スタートアップとのコラボレーションを試みてみたい。韓国スタートアップ10社には、ネットワーキングに先立ちピッチ形式で自社プロダクトを紹介してもらう予定で、彼らからは日本進出や日本から投資を受ける上で、マーケットフィットを図るために「多くのフィードバックを受けたい」とたっての希望をもらっている。イベントの結果については、改めてお伝えするようにしたい。

本イベントへの参加について

本イベントは、Lab.プログラムは会員のみのプログラムになっています。イベントの趣旨にかんがみ、日本側からは原則として、3Q 参加パートナーのみの参加とさせていただいています(THE BRIDGE から個別に招待させていただいた場合を除く)。

<参考情報:THE BRIDGE X Lab.の概要>

参加条件となるTHE BRIDGE会員の数は986社になりました。毎月最終週の夜には会員企業のみのピッチ&ミートアップ「Lab.Night」も開催します。パートナー各社には毎月のテーマ調査内容(世界のスタートアップ事例)をレポートとして提供しております。

Lab.について

3Q参加パートナー(順不同):日本マイクロソフト株式会社、東急電鉄株式会社、株式会社DGインキュベーション、株式会社インテリジェンス、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、グローバル・ブレイン、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ、株式会社PR TIMES、日本アイ・ビー・エム株式会社、アマゾン データサービス ジャパン株式会社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、プライマルキャピタル、株式会社ネットジンザイバンク、B Dash Ventures株式会社、オレンジ・ジャパン株式会社、XIMERA、CAMPFIRE、gumi、バンク、KDDI株式会社、株式会社電通、Infinity Ventures(23社)

実施スケジュール

9月26日(火) 午前10時開場、午前10時30分開演  於:THE BRIDGE X(東京・渋谷)

※ 当日のアジェンダを含む詳細スケジュールについては、参加される方にのみご案内させていただきます。
※ ピッチやプレゼンは、スタートアップの日本語スピーカー、または、韓国語⇆日本語の逐次通訳を通じ、主に日本語で行われます。

登壇予定の韓国スタートアップ10社

MeThinks

市場調査などを目的に、ターゲットユーザに遠隔でビデオインタビューができるツール。面談のスケジュール調整、遠隔での面談の模様を HD ビデオで撮影しシェアすることができる。録画内容に加え、統計情報、面談者の回答内容などはクラウド上に保存可能。

シリコンバレーのエクイティフリー・アクセラレータ「Founder Friendly Labs」から2016年輩出。特に、距離の離れた英語圏同士での FGI(例えば、インタビュアー企業が米国、インタビュイーが欧州など)でコストパフォーマンスと効率を発揮する。ミュージックビデオの VEVO やゲームスタジオの MZ などが利用。サービスを国際展開する企業やスタートアップの UX ヒアリングなどに有用か。

LinkFlow

VR や AR に利用可能な360°ウエアラブルカメラ「FITT360」と、警察や警備会社などが事件・事故の様子を記録できるセキュリティ用途で使えるカメラ「FITT360 Security」を開発。

サムスン電子の社内インキュベータ「C-LAB(Creative Lab)」から生まれたスタートアップ。現在は、ロッテアクセラレータのプログラムに参加している。FITT360 については、来年 Kickstarter でクラウドファンディングを開始する計画。

SketchOn

一時的に身体にタトゥーを入れられるプリンティングソリューション「Prinker」を開発。化粧品の成分と同じインクが使われており、身体への安全性が保証されている。プリンタはレンタルで、1日1台190ドルから貸出。

ユーザはスマートフォンを使ってデザインを自由に決定、そのデザインをプリンターから印刷し、身体に貼ることで一時的なタトゥー効果を実現する。主にイベントなどでのマーケティング効果を狙った商品で、料金の設定も B2B を前提としたものになっている。CES、MWC などのカンファレンスに頻繁に出展しており、海外展開に積極的。今年4月に中国に進出、続いてアメリカに進出する計画。

Dable

ビッグデータ解析とユーザ解析によるパーソナライゼーションで、「Dable ニュース」や「Dabble ネイティブ広告」を提供。韓国では主要メディアをはじめ400サイト以上に導入されている。

SK Planet の社内インキュベータ「RecoPick」からスピンオフして設立されたスタートアップ。メディアサイト訪問者の興味をリアルタイムで分析し、読者が望むテーマ、興味を自動的に把握し、レコメンドしてくれる「Dable ニュース」、月数千万におよぶビッグデータをもとにネイティブ広告を提供する「Dable ネティブ広告」が主製品。アメリカでは Taboola や Outbrain が競合となる。

I/O

一般的なスマートホーム・ソリューションが一軒家や部屋数の多い住宅を想定していることが大きいのに対し、I/O はワンルームマンションでの少人数世帯をターゲットにしている。IoT 照明スイッチ「Switcher」開発、クラウドファンディングで3,000万ウォンを調達。

Switcher は既存の照明スイッチにかぶせるような形でそのまま装着可能で、3月の販売開始以来、毎日100台以上が売れている。現在の製品は、Switcher のみ。レンタル契約を提供。

FourWheels

看護師など3交代シフト制労働者向けのカレンダーアプリ「MyDuty」を Android と iOS 向けに提供。MyDuty では同僚、友人、家族などグループ単位でスケジュールを共有できる。韓国語のほか、ドイツ語、スペイン語、英語、日本語、中国語(簡体字)に対応。

創業して3年目となるスタートアップだが、10万人を超える全ユーザのうち、海外ユーザが約3割と多いのも特徴的。看護師の利用が多いため、アプリ内には看護師向けのソーシャルネットワーキングの機能も備わっている。

Profound

世界9カ国6.5万人以上のビジネスプロフェッショナルにつながる、エキスパートのマーケットプレイス「Profound」を提供。特定分野の知識やスキルを持つ人にアクセスすることができる。ユーザのリピーター率は約60%。今年11月の日本進出を計画している。

韓国発でグローバルに展開するアクセラレータ「SparkLabs」の第9期から輩出。B2C 向けのスポットコンサルティングのマーケットプレイスのほか、B2B 向けのプロジェクトマネジメントソリューション、集合知を利用したウィズデン(와이즈텐)を提供。2013年にハーバード大学 MBA の授業から生まれた「Hourly Nerd」にインスピレーションを受けている。

SmartStudy

Pinkfong(ピンクの狐)のブランドで、125 本以上の子供向けエデュテイメントアプリをリリースしている。Pinkfong のアプリで生まれた楽曲、ストーリーなどは複数言語の YouTube などで紹介され、累計16億回ダウンロードされている。

子供の教育に費用をかける中国市場にも進出しており、中国の VC からも資金調達している。アプリから生まれたダンス動画は、中国の Youku(優酷)でよく見られる動画として2017年8月期に1位を獲得、インドネシアでは Pinkfong Shark という鮫をモチーフにした歌とダンスで話題を呼んでいる。

Lunit

Linit は医師の診断を支援するため、レントゲン写真をもとに乳がん、肺疾患、結核などの症状を判定できる画像認識とディープラーニング技術を開発している。判定精度を競争する医療用画像処理学会の TPAC 2016 では、マイクロソフトや IBM を抜き世界優勝した。

CB Insights の世界の AI スタートアップ100選に採択、Alibaba Cloud(阿里雲)のクラウドサービス・コンペティションの韓国予選で優勝など、世界的にも評価が高い。韓国人女性(東洋人女性)は西洋人に比べ乳腺の密度が高く、レントゲン写真から乳がんを判定することが難しい。そのような理由からも、医療画像分析においてはアジアのスタートアップにアドバンテージがあるかもしれない。

BlueNight

従業員には専用のモバイルアプリが配布され、出勤時にチェックイン、退勤時にチェックアウトしてもらうことで、管理者は出退勤管理を自動化できる。勤務先となる店舗にはビーコンが設置され、ビーコンの信号が届いている状態でないとチェックインはできない。

元サムスン電子の研究員による創業。彼はビアホールを運営していたことがあり、現場スタッフの出退勤管理の大変さから、このサービスの開発に着手。現在、韓国でチェーン展開するカフェやファッション小売業を中心に9,000箇所で導入。日本は特に税務や労務管理が複雑であるためサービスの需要があると期待、2017年末か2018年初頭に日本進出予定。アメリカの Gusto がロールモデル。

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