中国当局によるICO禁止令を受け、暗号通貨をどのように考えるべきか

by e27 e27 on 2017.9.9

Image credit: goodstocker / 123RF
今週初め、中国当局が ICO は違法であると宣言し、関連する企業が資金調達の即刻中断を求められ、暗号通貨業界を大きな波が襲った。

今週初めのピーク時には5,000米ドルだったビットコイン価格は、中国当局の発表時点では4,500〜4,600米ドル前後を推移していた。(イーサリアム技術関連の暗号通貨である)イーサは、月曜日の390米ドルから下落して350米ドル台にあった。

発表後、ビットコインとイーサの両暗号通貨は波乱の相場となった。イーサは275米ドルまで落ち込み、ビットコインは4,000米ドルより少し高いところで底を打った。両通貨共、それ以来価格を回復しているので「底を打った」という表現は正しい(イーサは現在325米ドル、ビットコインは4,546米ドルである)。

ICO 禁止令はこれまで6ヶ月間続いた ICO の成長を鈍らせると考えられるが、バブルを弾けさせる要因にはならなさそうである。

そして、次のような疑問を提起する。

我々は、暗号通貨についてどのように考えればよいか。

ゴールドラッシュはもう終わったのだろうか?

一言で言えば、そうかもしれない。しかし、東南アジアの暗号通貨業界の人々に話を聞いたところ、結論は極めて明らかだった。

暗号通貨の将来価格など誰もわからないし、それを予測できると言う人はくだらないことを言っているに過ぎない。

何人かの投資家はベア(弱気)市場になる可能性を予測したが、他の2人は最近迎えた5,000米ドルのピークは上限ではなく、価格は将来さらに上がるべきだと考えている。結論として言えるのは、(この手の話は)株式や商品先物などでよく聞かれる金融話を彷彿させるということだ。

とはいえ将来、2つの通貨の中でもきっとイーサの方が見守るのが面白い方になるだろう。

その理由は、イーサリアムでスマートコントラクトを構築できる力により、資金調達のツールとして独自トークンを販売する企業にとって、イーサは価値の形態をアピールするのに使えるからだ。企業は何らかの価値を持つトークンを発行する必要があり、独自のコインはビットコインやイーサに付与されることが多い。

BlockChannel の説明は以下の通りだ。

これまでのところ、イーサリアムの最もディスラプティブな側面は、インセンティブのあるプラットフォームを作るための、イーサリアムのパブリックチェーン上に作られた「トークン化された資産」の成長にある。そこでは、トークンのオーナーが、プラットフォームそのものと対話したり活用したりするために資産を利用している。

ICO の禁止令は、この6ヶ月間にわたる暗号通貨バブルを誘引してきた、まさしくインフラを直撃することになったようだ。(2017年3月、その価格上昇はイーサが20米ドルの頃から始まった)。

ビットコインはその技術そのものが通貨であるため、投機家の目には比較的安全な賭けと映るようだ。これは、(それ自身は通貨の機能を持たない)イーサリアムとは対照的である。

暗号通貨とパパママ投資家

暗号通貨の世界が次に取り組むであろう文化転換は、その人口を伸ばしつつある、市場に資金を投入し始めたパパママ投資家の存在だ。

私の周りでも、今夏に単なる楽しみでコインを購入した友人を3人挙げることができる。ロイターは、ミセス・ワタナベ(空いた時間を使って投資する、日本人主婦の名前から来た投資家を表す俗称)によって一部の価格上昇がもたらされたと報じた

以前、暗号通貨への投資と言えば、一部のマニアの人たちのゲームだった。あまりに複雑であり、また、複雑のように周りからも見えたので、暗号通貨投資が話題に上っても人々は知らないふりをしてきた。

最近の価格上昇や ICO 規制に関する議論が、メディアの注目をもたらした。そして今では、ビットコインの価格の決まり方を理解していない人たちは、そのようなことも気にしないようだ。

このような人々が去り、コインマイナーやデベロッパ、伝統主義者たちが、ミセス・ワタナベによってコミュニティの一部が形成されていると認識すべきだとは個人的には思っていない(ブロックチェーンに詳しい人たちと話すとき、コミュニティという言葉が今でも頻繁に使われる)。

このトレンドは、暗号通貨向けに用意されたデビットカードやクレジットカードで加速されるべきだ。もしこれらのカードが立ち上がれば、店舗で商品を購入するのがもっと便利になるだろう。そうすれば、ビットコインのお金としての考え方が、ビットコインに半信半疑の人たちにとって、入りやすい入口となるだろう。

<関連記事>

ICO をどう適合させるか?

ICO は万能だ。ICO を完全却下した人々は基本的に間違っている(イーサはそれ自身が一つの ICO である)。しかし、その根底にある詐欺への懸念は合法的なものだ。

ICO は、2017年版の暗号通貨取引所破綻と言える。このことで業界の生き残りに根本的な脅威を与えることにはならないが、しばらくの間、暗号通貨に対する評判を下げるには十分なだけのダメージを与える可能性がある。

各国政府が以前に比べデジタルに詳しくなる中で、もし ICO が、金融規制当局が喜んで取り上げ、期待することが不合理ではない問題ならば、より多くの企業が中国が先導した事例に沿うことになるだろう。

しかし現在のところ、ICO に関する中国の禁止令は、投資戦略に対する禁止令ではない。ある暗号通貨ビジネスを営む起業家は、長期的には ICO が完全禁止となることを疑って、私にメールをしてきた。彼は私に、こうも付け加えた。

中国は数年前、ビットコインを禁止した。しかし、これは現実では少し異なっている。

中国での長期にわたる ICO 禁止令は、企業が資金調達のために中国を離れることを意味するようになる。すでに規制について議論を始めている香港などは、そのような資金調達のためのハブになるかもしれない。

シンガポールもまた、中国の ICO 禁止令によって生み出された溝を埋めるための場所になるようだ。

私の個人的な陰謀論では、ICO の禁止令は中国共産党第19回党大会の盛り上げの一部、というものだ。共産党の指導者たちは、党の最も重要な政治イベントを前に、有名な詐欺事件や話題を呼ぶ議論で危険を冒すことはできない。

私の意見では、中国の規制当局が10月半ばに規制を緩和するとしても驚くべきことではない。長期間にわたって全てを自由にすることはしないだろうが、ルールがゆっくりと(そして、いつの間にか静かに)引き下げられたとしても私は驚かないだろう。

これまでに、ICO は企業がトークンを払い出せないなどという、大きな破綻を経験していない。規制が不足していることから、そのような破綻は今後避けられないだろうし、それは資金調達戦略全般にとっての危機テストになるだろう。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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