人工知能で会社のアドレスに届いたメールをスキャンし分析、つながるべき人脈をレコメンドしてくれる「Trove」

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Trove のコネクション分析機能の一例
Image Credit: Trove

近い将来、新しいプロフェッショナルとのコンタクトをどうやったら得ることができるか e メールクライアントに聞くようになるかもしれない。これが Trove の最新アップデートの裏にあるアイデアだ。Trove はユーザの e メールのメッセージを分析してユーザの人脈に関する洞察を提供するべくデザインされたサービスだ。

すでに iOS と Android でダウンロード可能の本アップデートでは、ユーザは Trove でチームを作ることができ、人脈をプールして、互いにふさわしい人材を紹介しあう手助けをすることができる。例えば、「@amazon.com」をサーチして、チームのすべての人脈から Amazon に勤めている人のリストを入手できる。このシステムは、場所やタイプ、「コネクター(他の誰かにコンタクトを紹介できるであろう人たち)」といった限られた数のアーキタイプに基づく様々なクエリーを処理できる。

どのようにチームがセットアップされたかによって、ユーザはその人たちに直接連絡したり、同じ組織に所属する連絡先に間を取り持つよう依頼したりできる。コネクションがセンシティブな状況では、Trove チームの設定を、組織内に目的とするコネクションをもつ人物がいることは分かるがそれが誰なのかは知ることができないようにセットアップすることも可能だ。その場合、ユーザは匿名でメッセージを他のチームメイトに発信して、コネクションを依頼できる。

この機能はすべて Trove が過去数年に渡って開発した人工知能で動いている。同社はミシガン州アナーバーを本拠としており、ミシガン大学の研究チーム2グループと協力して、仕事における人脈を築くという古くからある問題に新しいテクノロジーを適用した。

情報を入手するには、ユーザは自分のすべての e メールへのアクセスを Trove に渡す必要がある。そのかわりに、自分が持つ人脈により深くアクセスできるようになると同時に、同僚の人脈にもアクセスできるようになる。チームのメンバーが多いほど、Trove の推薦は幅が広がる。

このアイデアは共同設立者の Guy Suter 氏の BitLeap での活動から生まれた。BitLeap は Suter 氏が共同設立し Barracuda に売却したバックアップアプライアンス企業だ。その活動の中で、企業は従業員の e メールが確実にバックアップされるように多くの費用を費やしているにもかかわらず、そのデータがあまり活用されていないことに同氏は気付いた。

インタビューの中で Suter 氏は、Trove の競合は過去数年に出現した大量のインテリジェント e メールクライアントというよりも、最大のライバルは LinkedIn だと考えていると話した。なぜなら、e メールクライアントソフトウェアは、Trove であれば会社のプロフェッショナルグラフで提供できる全情報への単なるポータルをユーザに提供しているだけだからだ。

LinkedIn は多くのプロフェッショナルに人気だが、競争上の理由や労働規約により利用できない人もいる。

これらすべては Trove の既存の機能セットの上に作られている。既存機能の1つには、ユーザにインテリジェントフィルタリングやコンタクト間にどれだけ強いつながりがあるかの情報を提供する e メールアプリがある。同アプリの他の機能で人気のあるものの1つとして、以前受けた問い合わせで返事するのを忘れているものをリマインドしてくれる機能がある。

Trove は無料で利用可能。最大2万5,000件の共有コネクションを活用するサービスを利用できる。毎月129米ドルで最大5万コネクションを活用でき、毎月349米ドルだとチームで最大25万件の共有コネクションにアクセスできる。同社は年次サブスクリプションも2種類の料金体系で提供しており、月額料金よりも割安になっている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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