「開始2分で商品売り切れ」ーー東大発ベンチャーのFlattがライブコマースアプリ「PinQul」を公開

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チームメンバーの年齢20歳前後、ミレニアル世代の東大発スタートアップチームが新たなライブコマースアプリをリリースする。

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写真左からCCOの豊田恵二郎氏、CEOの井手康貴氏、COOの綾部翔太氏

東大発ベンチャーのFlattは10月3日、ライブコマースアプリ「PinQul(ピンクル)」を公開したことを発表した。これにあわせて第三者割当増資の実施も発表している。引受先は個人投資家のフリークアウト代表取締役の佐藤裕介氏、中川綾太郎氏など。調達金額は数百万規模で株式比率、払込日は非公開だ。

ライブコマースアプリ「PinQul」では3種類のアイテムをインフルエンサーが配信上で販売する。インフルエンサーが所有するアイテムのフリマ形式、既存のブランドアイテム、インフルエンサーと同社のオリジナルコラボアイテムだ。数種類のファッションブランドを運営するMARK STYLER傘下の「merry jeney」「EMODA」「dazzlin」といったブランドの取り扱いが決まっている。

商品は専用の倉庫を使用して買取の形で流通。倉庫のスペックにこだわり、注文や発送にはすべてAPIが導入されている。現状は買取が多いが将来的には買取以外での流通形態も視野に入れている。

現状は20歳前後のインターン含め8名の体制で運用。コンテンツの撮影はあえてスマートフォンのインカメラから撮影、インフルエンサーはInstgramから直接コンタクトして獲得している。

ミレニアル世代はインフルエンサーの宣伝投稿を良く思っていない

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中国のライブコマース市場の盛り上がりを背景に同アプリをリリースした経緯についても話してくれた。

「中国のライブコマースのコメント上では配信者とお客さんが激しく会話しているシーンも見られるように独自の文化によるものがあります。これと日本では違う形になると思っていますね。奥ゆかしさがあり、人情味がある日本ならではの配信がささるという手応えは感じています」(井手氏)。

マイクロインフルエンサーをメインに起用し、現在9〜10名のインフルエンサーが配信を実施している。実際にテスト配信を実施したところ、2分で5商品が売り切れてしまいコメントも100以上を超えたということだ。

同サービスのメインターゲットは買い物をしたい人ではなく、楽しく動画を見たい人。「はじめはインフルエンサーからのユーザーになるとは思うが、徐々にPinQulに行けば可愛い動画が見れるというブランド化」をしていきたいと同社代表取締役の井手康貴氏は話す。

「商品を買いたい人は検索すればECから買うことができるので、そういったユーザーは視聴者のメインターゲットではないと思いますね。インスタを見ながら、可愛いものを探しながらライブ配信を見ると楽しいといったアプローチを考えています」(井手氏)。

同社はインフルエンサーが広告宣伝の投稿をしてフォロワーが大幅に減ってしまったり、信用の切り売りになってしまう状況を危惧している。そんな中で同サービスは今後、モデルやインフルエンサーがSNSで商品を宣伝していることがわかっているミレニアル世代にとって、違和感のないサービスを目指す。

 

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