中国EC大手のJD(京東)、新たな無人コンビニの市場投入でオフライン事業をアップデート

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無人コンビニエンスストアは、今年の夏から中国のテクノロジー業界で最も注目されている話題の一つだ。中でも、中国のオンライン小売市場における主力企業として、e コマース大手企業の JD(京東)は忘れてはならない存在だ。そこで同社は、今年のシングルズデイ(光棍節、中国で11月11日に祝われる「独身の日」で、e コマース各社の売上はこの日が一年で最高となる)に先立ち、北京の本社で2ヶ所の無人スマートストアモデルをすでにテスト中であることを明らかにした。

そのモデルの一つは JD の無人コンビニエンスストアで、さまざまなスマートテクノロジーを統合した完全なソリューションを提供する。RFID や顔認識、画像認識といった最新技術を活用しており、これらはJDが運営する店舗、最終的には優れたサードパーティー小売業者に提供される予定。例えば、店舗の天井に設置されたカメラは顧客の動きを認識し、トラフィックの流れや製品の選択、顧客の好みなどをモニターできるヒートマップを作成して店主が効率的に在庫管理できるようにサポートする。

スマートチンレンツールには、顧客を感知するカメラ、商品を撮影するカメラ、陳列内を管理するセンサー、電子値札などが備わっている
Image credit: JD(京東)

もう一つのモデルは JD のスマートストアソリューション「D-Mart」で、店舗オーナーが既存の店舗をアップグレードして効率を高めることを可能にしており、低コストの卸売や細かいカスタマイズができる柔軟性を提供する。製品や店舗内での動作を認識できる JD Smart Vision テクノロジーや AIを 使用したスマート陳列ツールを使って、店舗のオーナーは在庫管理や製品ディスプレイの仕方をより正確に把握できる。

さらに、無人店舗に加えて JD は独自の JD Retail Experience Shop(京東之家)でもスマートソリューションをテストしているという。また、最近 Sinopec(中国石油化工)と戦略的パートナーシップを結び、中国全土にある Sinopec のガソリンスタンドにスマートテクノロジーが連携されるようになった。

無人コンビニに備えられたカメラでは、顧客導線や商品毎の滞留時間を計測することもできる
Image credit: JD(京東)

JDのライバル Alibaba(阿里巴巴)も、無人店舗の立ち上げ顔認識決済のサポート、オフライン小売店舗の改革に取り組んでいる。同様に、Alibaba は本社所在地である杭州に無人のガソリンスタンドを建設する計画も立てている。この新興セクターには、BingoBox(繽果盒子)Xingbianli(猩便利)GoBox(購立方)などのスタートアップらも競合している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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