中国のバイクシェアリングBluegogo(小藍単車)、経営ミスを認め会社売却を発表——競合Green Bike-Transit(拜客出行)が事実上の買収へ

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Bluegogo(小藍単車)の設立者 Li Gang(李剛)氏
Image credit: Technode(動点科技)

11月16日、Bluegogo(小藍単車)の設立者 Li Gang(李剛)氏は、Bluegogo が広州に本拠を置くGreen Bike-Transit(拜客出行)との戦略的提携に至ったことを記した公開書簡を作成した。これにより Green Bike-Transit は、Bluegogo の完全な運営権を持つことになる。

また Li Gang 氏は、Bluegogo 社員への未払い給与についてこのように述べた。

全員分の給与のために、できるだけ早期に問題を解決するよう全力を尽くします。

Li Gang 氏は Bluegogo の共同設立者であるだけでなく、SpeedX(野獸騎行)の設立者でもある。Li Gang 氏の最初のスマート自転車である SpeedX は、2016年11月にシリーズBラウンドで1億5,000万人民元(約25.4億円)の資金を調達し、その後 Li 氏は自転車レンタルのスタートアップ Bluegogo を設立した。

TechNode(動点科技)は昨年5月、当時 SpeedX の開発に全力を傾けていた Li Gang 氏にインタビューした。クラウドファンディングサイト Kickstarter で自転車事業での最高額の資金調達を記録したLi 氏は、中国発の「自転車革新」に初めて言及し、中国自転車のグローバル展開について楽観的な見通しを示した。その当時、ofo(小黄車)やMobike(摩拜単車)は全く話題になっていなかった。実際その後数か月して、中国の自転車レンタル会社の世界進出が話題を集めた。しかしながら、問題を抱える自転車会社のマネジメントの誤りを本人が認めた時点で、Li Gang 氏自身の自転車革新ストーリーは終わった。

私は自分の誤りを決して否定しませんでした。私の心は苦しみに満ち、何ヶ月も苦境の中にいます。

彼は書簡の中でそう述べた。

6月以降、Bluegogo が数々の問題に直面したことについて Li Gang 氏は、「ひょっとして Bluegogo は呪われているのかとさえ思いました」と心境をつづった。Bluegogo と SpeedX はどちらも財務状況が悪化し、受注にも遅れが出ていた。現在 Bluegogo は2億人民元に達する不動産コストが焦げつき、70以上の貸し手から2億人民元(約33.8億円)近くを借りていると伝えられる。両社の社員の大部分がすでに会社を去った。

Bluegogo は、Cheetah Lab のビッグデータによる自転車レンタルスタートアップのトップ10リスト第6位にランクインしており、iResearch(艾瑞諮詢)の自転車レンタル会社ランキングでは、1億人以上の平均月間アクティブユーザ数を集め、HelloBike(哈羅単車)と Youon(永安)とともに2番目のグループにつけている。

今年1月には、Bluegogo は4億人民元(約67.6億円)のシリーズAラウンドを完了し、10億人民元(約169億円)の評価を受けた。しかしそれ以降の資金調達情報は伝えられていない。同社は3月にもシリーズBラウンドの完了間近まで行ったが、最終的には何の資金も得られなかった。

中国の自転車レンタル市場では事業再編が進行している。Green Bike-Transit による Bluegogo の事業引き継ぎはその一例だ。これ以前には HelloBike と Youon が、激しい競争がつづく中国の自転車レンタル市場での生き残りをかけて合併。Wukong bike(悟空単車)と 3Vbike はすでに事業を中断した。また Machi-cho bike(町町単車)は、預り金の返金不能に陥った。

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【via Technode】 @technodechina

【原文】

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