評価額は15億円、男性化粧品「BULK HOMME」運営が3億円調達ーー家入氏ら個人投資家が出資

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バルクオム代表取締役の野口卓也氏
オンライン定期購入型の男性化粧品ブランド「BULK HOMME」を展開するバルクオムは11月1日、第三者割当増資の実施を発表した。引受先となったのは9名の個人投資家で、佐藤裕介氏、柳澤安慶氏、山崎智士氏、家入一真氏、中川綾太郎氏ら。それぞれインターネット系企業を中心とした創業者や代表取締役を務める人物たちで、これに金融機関からの借入を含めた調達資金額は3億円となる。

またこれに合わせて同社代表取締役の野口卓也氏は、創業期から同事業を運営していたTSUMO・JPから同事業の譲渡を受け、新たにバルクオムという独立企業を2017年5月に設立したことも本誌に教えてくれた。

BULK HOMME事業は2012年、野口氏の父が代表取締役を務めるTSUMO・JPの一事業部としてスタート。翌年の2013年に男性向け化粧品「BULK HOMME」を販売開始し、公式のオンラインストアのほか全国500店舗以上の小売店・ヘアサロンにて提供されている。累計の販売数は100万個を突破しており、2017年からは台湾でも事業展開を開始。今回の資金調達で海外を含めたマーケティングの強化、製品開発を推進するとしている。

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BULK HOMME

野口氏は現在28歳。19歳の時に慶應大学を中退してネット系のスタートアップにチャレンジするも失敗。挫折してフラフラとしていた野口氏に父から声がかかったのが2012年で、当初はその会社が手がける資産管理の事業を手伝うよう言われていたそうだ。ただ、どうしても自分らしい事業がやりたい、そう考えた結果、男性向け化粧品のアイデアを手がけることになったという。

しかし今回の独立まではなかなか厳しい道のりだったようだ。彼はこう振り返る。

「初年度の売り上げは500万円程度で(TSUMO・JPの)社長に伝えた予算は5000万円だったのでその十分の一にしかなりませんでした。思いつくことは何でもやりましたね。試供品をタダで配ったり、リリースパーティーやったり。初月は応援の意味もあるのでいい数字が出るんです。でも次の月に半分、またその次も、という感じでどんどん下がっていきました」(野口氏)。

転機は2015年にやってくる。野口氏は市場調査の中で定期購入型のECモデルがLTVもよく、CPAについてもウェブマーケティングのテクニック次第で下げることができる、ということからビジネスモデルを変更。

ここから数字が一気に伸びることになり、結果的に「2017年の上半期に営業黒字が達成できれば独立」という条件をクリアしての新会社設立となった。現在の売上については非公開ということだったが、今回、資金調達にあたり算出した企業評価額はプレ価格(投資実行前)で15億円を提示していると明かしてくれている。

野口氏によると、男性向け化粧品市場はグローバルでのトップシェア企業が当該事業のみで500億円程度の売上と見積もっているそうだ。国内についてもトップシェア企業が40億円程度の規模とみており、まずはバルクオムとしてこの数字を追いかけ、早期の株式公開を狙う。

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