商標登録をドメイン名登録のように簡単に——弁理士が作った商標登録出願サービス「Cotobox(コトボックス)」がβローンチ

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東京を拠点とするスタートアップ cotobox は20日、商標登録の出願手続ができる Web サービス「Cotobox(コトボックス)」をβローンチした。特許庁が提供する商標データベースとも連動、類似商標とバッティングしないかを検索した上で、人工知能の活用により簡素化された手順で商標登録に必要な情報を入力すると、弁理士が代行出願してくれる。

cotobox の創業者兼代表取締役で弁理士でもある五味和泰氏によれば、日本では事業開始から1年以上経過しても、社名や旗艦サービスの名前を商標登録していない企業は80%以上に上るのだという。それとは対照的に、例えば、アメリカのインキュベータなどでは、ドメイン名を取得するのとあわせて、かなりアーリーステージの段階で、アメリカや隣国の商標を登録出願するのを一連の必要プロセスとして教えるのだとか。

五味氏は、弁理士へのアポイント取得から商標登録出願までにに平均で1ヶ月間を要すること、弁理士費用として1件あたり平均14万円程度かかることなどがハードルになっていると考え、簡単に素早く安価で商標登録を出願できるサービスとして Cotobox を開発した。類似商標の検索や商標登録の電子出願のプロセスは特許庁のしくみと連携して提供されるが、ユーザインターフェイスが最適化されており、専門知識が無くてもドメイン名申請のような感覚で商標登録を出願できるのが特長だ。

弁理士が一つずつちゃんと見ますよ、というオンラインサービスはこれまでにもあった。企業の担当者が、自分で商標登録を完了できるしくみを作りたかった。(五味氏)

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Cotobox ではユーザが商標の対象としたい事業用途や分野を入力すると、出願範囲(区分)を自動的にレコメンドしてくれるしくみには、ディープラーニングを使った技術が応用されている。ユーザが Cotobox 上で自ら手続を完了する「エコノミー」と、弁護士が出願作業をフォローアップしてくれる「プレミアム」の2つのサービスメニューで構成され、出願時と(特許庁審査後の)登録時の二度にわけて料金を支払う。商標登録の有効期間は事業の時限性を考慮して5年間で設定されているが、ユーザが望めば適宜延長は可能だ。

日本国内では年間16万件程度の商標登録出願があるが、世界市場に目を向けてみると、全世界では年間600万件、日本国内から外国への商標登録出願は11万件に上るという。Cotobox は当面、日本国内での商標登録出願のみを対象とするが、国内市場は「パイが限られる」ことから、五味氏は近い将来、世界展開を見据えたサービスのスケールアップを考えているとのことだった。

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