東南アジアの配車サービス大手Grab、屋台などが集まるホーカーセンターでのキャッシュレス決済サービスをローンチ

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テロック・アヤ・ストリートでの GrabPay QR コード決済ローンチにて, GrabPay マネージングディレクター Jason Thompson 氏(左), Rayyan’s Waroeng Penyet の Nornizam Bin Amin 氏(中央), Grab 共同設立者 Tan Hooi Ling 氏.
Photo credit: Grab

配車サービス企業の Grab が本日(11月1日)、店舗内のキャッシュレス決済ソリューションを正式にローンチした。これは配車部門以外では最大規模の取り組みとなる。

Grab によると、シンガポールで営業を行っている現金主体の2万の店舗に対し、キャッシュレス決済プラットフォーム GrabPay を提供することを目指しているという。

同社は当初、ビジネス中心街と大部分を住宅街が占めるビシャン地区にあるおよそ25のホーカー屋台やレストランと契約を結んでいるが、今後数週間でテロック・エア、タンジョン・パガー、チョン・バルといった都心部を対象とし、ホーカーや小規模の消費者向け事業者「数百」店舗と新たに提携するとしている。

年末までに GrabPay を利用する店舗数を1,000件までに拡大することを目指している。また、2018年中には東南アジアの他地域でも同プラットフォームを導入していく予定。

店舗は最初の6か月間は取引手数料を支払わずに GrabPay を利用できる。この期間が終了した後に発生する費用は現時点ではまだ明らかにされていないが、Grab の広報担当者が Tech in Asia に伝えたところによると、価格は「6か月の間に審査」され「低コスト」になるという。

一方消費者側は、支払いは既存の GrabPay アプリを介して行えるため、追加のダウンロードは不要だ。また、eウォレットを使うことで GrabRewards のロイヤルティポイントを獲得することも可能。

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Photo credit: Grab

多様化

同社はこれに先駆け8月に、ホーカーセンターに対する QR コードによる決済を発表しているが、P2P 送金機能が同時期にローンチされており、それにより GrabPay ユーザは互いのアカウントへの振り込みが可能になった。

これ以前には、GrabPay ウォレットのユーザ向けにセキュリティを強化する目的で6桁の暗証番号(PIN)システムが導入されている。

だが本日(11月1日)の発表は、配車ビジネス以外では初となる大規模な取り組みとなる。

最近シンガポールでは、競合する複数のサービスプロバイダがそれぞれ統一されたキャッシュレス決済システムを導入しようと対立を強めている。9月にはゲーム周辺機器を製造する Razer が自社提案を発表した。また同じ頃に Nets も、年末までに新しい NetsPay プラットフォームをさらに30のフードセンターで展開することを目標とし、タンジョン・パガーのホーカーセンターで QR コードによる決済を試験的に導入している。

競合 Go-Jek によって開発された e ウォレット兼ペイメントプラットフォーム Go-Pay もまた、GrabPay の競争相手となりそうだ。インドネシアを拠点とする Go-Jek は、自社サービスを東南アジアの他の国々へも拡大する予定だと示唆している。

Grab は声明で次のように述べている。

GrabPay はシンガポール国内にある他の QR コードベースのモバイルペイメントシステムと共存できるよう拡張可能かつ柔軟に設計されており、従ってシンガポールがキャッシュレス社会へと移行する上での共同努力を促進するものです。

このサービスがどう機能するかについて詳細はほとんど示されていないが、広報担当者が Tech in Asia に語ったところによると、同社は現在50社を超える金融サービスパートナーと連携しているという。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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