Orange Fab Asia Fall 2017 Seasonのデモデイが開催——日韓台から16社が参加、入賞した排泄予知「DFree」は来年VivaTechに参加へ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.11.19

Orange Fab Asia  は、フランスのテレコム大手 Orange がアジア地域で展開するスタートアップ・アクセラレータである。14日、東京都内で Orange Fab Asia の Fall 2017 Season(Tokyo: Season 8, Taipei/Seoul: Season 7)のデモデイが開催され、東京・台北・ソウルからスタートアップ16社が参加した。

オーディエンス投票の結果、日本から参加した Triple W Japan が晴れて優勝の座を勝ち取った。Triple W には、来年5月にパリ市内で開催されるスタートアップ・テックカンファレンス VivaTech への参加権、往復航空券、宿泊券が進呈された。

本稿では優勝チームに加え、デモデイ会場で人気の高かったスタートアップをいくつか見てみたい。

Triple W(日本)

Triple W は排泄予知ウエアラブルデバイス「DFree(ディーフリー)」を開発している。同社では、SOMPO ケアネクストが運営する116介護施設をはじめ、介護事業各社と提携し全国150介護施設の高齢者2,000人に DFree を導入。日本と同じく高齢化問題を抱えるフランスでは、ヨーロッパの介護大手 Korian と提携し、パリやポワシーにある2つの介護施設での臨床が終了、これから実運用に移行するところだという。

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Dendama(日本)

けん玉が世界的なゲームとして認知される中(けん玉2.0)、IoT によってけん玉を進化させ、新プロダクト「電玉」でけん玉3.0 を実現しようとする試み。けん玉内部にセンサー、スマートフォンとの通信機能、アクチュエイターを内蔵しており、2人やチームで対戦し、玉が入ったかどうかを競うことで相手にダメージを与え体感させることができる。

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HoloEyes(日本)

HoloEyes は、医師向けの手術シミュレーションコンテンツなど、医療分野に特化した VR 事業を展開するスタートアップだ。さまざまな症例を3次元の画像で提供することにより、医師や医療従事者がより直感的に理解できると考え、医療用の VR コンテンツソリューション「HoloEyes VR」を開発した。現在は、患者ごとのCTデータをポリゴンに変換し、VR 機器を通じて、3D 空間の中で自在に閲覧することができるクラウドサービスを提供している。

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RambleOn(日本)

RambleOn(ランブルオン)は、専用スキンケメソッドアプリ「Befy(ベフィ)」を開発。ARにより肌の状態を可視化させ、AIにより毎日変化する肌の状態やトラブルを事前予測し、また、天気予報によっても変わるスキンケア方法をパーソナルに提案する。

TownWiFi(日本)

TownWiFi は、ユーザがスマートフォンのデータ量制限を受けないようにするため、市中の無料 WiFi サービスに自動で接続できるようにするモバイルアプリ。日本国内のみならず、アメリカ・韓国・台湾・香港・マカオなど200万ロケーションで WiFi への自動ログオンを提供する。WiFi 接続時のプッシュ広告、有料 WiFi へのアプリ内課金による販売手数料でマネタイズ。

4DReplay by ESM Lab(韓国)

ESM Lab は、数十台のカメラで撮影した映像をもとに、視聴者が自由に視点を変更し、まるで時空を超越したような映像を再現できる技術「4D Replay」を開発している。2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックや2020年の東京オリンピックなどの代表的なスポーツイベントで利用されることを念頭に置いており、アメリカ・メジャーリーグや、日本ハムファイターズ vs. オリックスバッファローズの中継などで PoC を実施している。

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8Cups(韓国)

8Cups は、スマートタンブラー「Prismcups」を開発。Prismcups は、毎日摂取している液体飲料物をモニターするだけでなく、何を飲めばよいかもアドバイスしてくれる。内蔵センサーによりカロリー、当分、カフェインの摂取量を計算しモバイルアプリに反映、身体の皮膚の健康状態の維持のための飲料物摂取習慣をマネージメントできる。

KIVIC(韓国)

KIVIC は、スマートフォンを車載装着できるヘッドアップディスプレイ(HUD)である KIVIC HUD と、スマートフォンを多機能カーナビとして使えるモバイルアプリを開発している。走行位置の表示やドライブしながらの電話機能はもちろん、OBD-II インタフェースで連携することで、速度表示や後部カメラの表示なども可能。

Salin(韓国)

Salin は VR ソリューションを開発するスタートアップで、「EPIC Live」というモバイルアプリを開発。ユースケースとしては、例えば、野球中継の観戦などに使え、見る方向を変えることで、競技中の選手についてのプロフィール、画角の異なる映像、解説などを直感的に閲覧しながら楽しむことができる。

Spryfit(韓国)

ジム通いが長続きしない人のための、モチベーション維持ゲームプラットフォーム「Spryfit」を提供。ソーシャルなモチベーション、金銭的なインセンティブ、ゲーミフィケーションにより、ユーザの毎日のエクササイズを支援。ユーザに入会費を支払い、目標達成時に賞金をもらうことができる。

VICS(韓国)

ドローンの普及につれ、ドローンの事故も増えている。その事故の多くは操作する人の不注意によるもので、操作時のドローン周辺の視界が小さかったり情報が少なかったりすることに起因すると VICS は仮定。航空機などで用いられている合成視野画像システム(Synthetic Vision System)をドローンの操作に取り入れた。ドローンからは LTE などにより各種パラメータを送信し、合成視野を操作者が着用した HMD 上に表示する。

Diabnext(台湾)

Diabnext は、1型糖尿病患者のための血糖値管理・記録ソリューションだ。煩雑な毎日の血糖値、インスリン投与量、炭水化物摂取量のモニタリングや記録を、デバイス、クラウド、モバイルアプリの組み合わせで簡素化する。既に欧米でサービスローンチをしていて、特にこの分野で秀でているフランスの介護施設などの協力により、フランスでのトライアルサービスを2018年に開始予定。

Omnibpm by Omniscient(台湾)

Omniscient が開発する「Omnibpm」は、その名の通り BPM(ビジネスプロセス管理)を提供するソリューションを開発。デジタル文書承認、プロジェクト進行度合確認、ビジネスプロセス最適化を支援する。既存のソリューションとは、社員が比較的少ない中小企業へのサービス特化で差別化しており、費用も完全 SaaS ベースで月あたり数百ドル程度に抑えられているのが特徴。

Rosetta.ai(台湾)

Rosetta.ai は、技術者がいない企業でも自社サイトに簡単に人工知能を使ったおすすめ機能が追加できるサービスを提供。ウェブサイトオーナーは、自社サイトを訪問するユーザに対して、ユーザ毎のパーソナライゼーション、補完レコメンデーション、協調レコメンデーション、類似商品表示、人気商品表示などの機能を数分で追加することができる。

SurveyCake(台湾)

SurveyCake は、企業がユーザに対してドラッグ・アンド・ドロップだけで簡単にアンケート(サーベイ)を実施できる環境を提供。既存サービスの差別化要素として、特に彼らが注力しているのは、アンケートを実施した後に回収した回答に基づいたアクションだ。収集した情報を分析するのはもとより、それを CRM、EDM、メッセージングシステムなどに API 経由でリアルタイムに反映が可能だ。

Impacttouch by FTC(韓国・パンギョ I-CCEI 創造経済イノベーションセンター)

FTC は、手袋をはめたままであったり、ボールペンなどで押さえても反応するスマートフォンケースを開発している。スマートフォンから発せられるほとんどの電磁波を抑制することができる上、水中でも操作できるのが特徴。


また、デモデイでは Orange Labs Tokyo パートナーシップマネージャーの西川浩司(ひろし)氏は、今回の Fall 2017 Season(Tokyo: Season 8, Taipei/Seoul: Season 7)の終了を受けて、Orange Fab Asia は累積でスタートアップ107社(日本40社、韓国33社、台湾34社)を輩出したと説明。調査を行ったところ回答を得られた65社全社が、プログラム終了後にアジア太平洋地域に活動地域を広げているという。

次回バッチとなる Orange Fab Asia Spring 2018 Season は募集を既に開始しており、締切は来年2月中旬まで。プログラムは3月中旬に開始される見込みだ。

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