イスラエル発の産業向けサイバーセキュリティ対策提供SCADAfence、三井不動産やグローバル・ブレインらからシリーズAで1,000万ドルを調達

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左から:SCADAfence 共同創業者 Ofer Shaked 氏と Yoni Shohet 氏

イスラエルを拠点に、産業向けサイバーセキュリティ対策ソリューションを開発する SCADAfence は21日、シリーズ A ラウンドで1,000万ドルを調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Jerusalem Venture Partners(JVP)、NexStar Partners、三井不動産の CVC である 31 Ventures、グローバル・ブレイン、iAngels、DS Strategic Partners など。調達した資金を使い、SCADAfence はテルアビブの研究開発施設を拡充、北米・アジア・ヨーロッパの高まる市場ニーズに呼応して、ビジネス開発チームの人員を増員する。

産業 IoT やインダストリー4.0 の進化につれ、産業向け OT(運用技術、operational technology)ネットワークは、生産性の向上やコスト削減を目的に、以前に比べ多くの外部ネットワークと接続されることが多くなった。しかし同時に OT ネットワークはサイバーセキュリティ上のリスクにさらされることになり、最悪の場合、生産ラインのダウンタイムの発生、知的所有権の流出、WannaCry や Petya のようなランサムウェアによるアタックを受けることになる。今年6月、ホンダの狭山工場が WannaCry によるアタックを受け、丸一日にわたり自動車の生産ラインがストップに追い込まれたことは記憶に新しい。

SCADAfence は、イスラエル軍のエリートサイバーセキュリティ部門出身のメンバーらにより2014年に設立。OT ネットワークなどに対し受動的かつ継続的なモニタリングソリューションを提供、セキュリティリスクが増えるのを防ぎ、企業のセキュリティ態勢の改善を支援する。同社の顧客には、自動車産業、製薬会社、エネルギー企業など優良大企業(いわゆる、Fortune 500 companies)が多いそうだ。SCADAfence の共同創業者で CEO の Yoni Shohet 氏に、ソリューションを使っているユーザの事例を挙げてくれるよう頼んでみたが、セキュリティ問題は企業にとって非常にセンシティブであるため、日本にもユーザはいるものの企業名は開示できないとのことだった。

Shohet 氏によれば、市場ニーズは世界中にあるため、顧客の地理的部分は世界中に及ぶとのことだったが、アジア太平洋地域では、日本ははもとより韓国・台湾・タイ・インドなどでは製造産業が盛んな市場が多数あるため、グローバル・ブレインの支援などにより事業拡大を強化したいと語った。

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